被災障害者を支援する為の情報を掲載。

JDF災害総合支援本部

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被災地支援センター

支えよう、東北の仲間たちを! みんなの絆と力で!
みやぎ支援センターニュース(ゆい) No.26

日本障害フォーラム(JDF)東日本大震災被災障害者総合対策本部
みやぎ支援センター・みやぎ北部支援センター

【 2011年7月7日 】
仙台市太白区・萩の郷福祉工場内
電話:080-4373-6077 FAX:022-244-6965
メール:jdf.miyagi@gmail.com

登米市東和町・若葉園内
電話:090-8349-9403 FAX:0220-45-2223
メール:jdf.miyagi.hokubu@gmail.com
ホームページ  http://www.dinf.ne.jp/doc/JDF/index.html


●山元町 斎藤町長へ訪問●

 7月5日(火)に株木センター長と西川事務局長が山元町役場を訪問しました。斎藤町長をはじめ、阿部町会議員、鈴木社会福祉協議会会長、島田福祉課長が同席しました。
 甚大な被害をもたらした水産業・農業に対し、ヤマト福祉財団が「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」を開始していることの情報提供をしました。話題提供の中では、障害者・高齢者も含めた"町おこし"に向けての構想も出ました。山元町でも産業経済課を窓口にして前向きに検討したいと斎藤町長からの話がありました。


支援のあしあと

障害のある方との対話数   のべ支援員数
1407人               496人

     (7月6日現在)


●仮設福祉ハウス「小国の郷」を訪れて

 仮設福祉ハウス「小国の郷」支援物資を届けに行くと、数日前は通路には砂利 が引かれていましたが、木製の廊下を造られていました。利用されている方に うかがうと、車椅子を玄関まで楽に持って来られるようになるので良かったとの 声を聞きました。これからどのように変わっていくのか、改良されるのかをJDF としてもしっかり見守ってゆきたいと思いました。

写真1:仮設福祉ハウス「小国の郷」
写真1

●多くの専門員で育む新たな笑顔

 JDFの作業所再興支援では、さまざまな専門性をもった支援員が支援に 入ります。今週は芸大出身の支援員です。利用者のKさんは絵を描くことが 大好きで、いっしょに創作活動を行っています。仕上がった作品を見つめて いるKさんの笑顔は、支援員の心も癒してくれます。今後も楽しく通所して、 とびっきりの笑顔を見せてほしいと思います。

写真2:描いた作品を持つKさん
写真2


被災地派遣支援員大募集

お電話おまちしています  080-4373-6077

■活動内容
支援員…被災者訪問によるニーズおこし・ニーズ対応など
事務局…電話相談、庶務、広報、会計など
■活動場所
みやぎ支援センター(仙台)・みやぎ北部支援センター(登米)


震災の語り部 後藤一磨さんの講話

 7月3日(日)に「震災の語り部」後藤一磨さんをお招きして講話をしていただきました。後藤さんは震災前から南三陸町の文化財保護委員、街づくり計画策定員、観光ガイドなどにたずさわってこられましたが、震災後には、震災の語り部として活動をされています。
地震発生時、後藤さんは南三陸町の沿岸部の戸倉地区にて大きな地震と津波の被害を受けました。「自然の家」という施設に避難しましたが情報が途絶え孤立したため、3日後に道を切り開きながら歩いて志津川湾をまわって高台のベイサイドアリーナに向かいました。後に南三陸町仮役場が置かれることになるベイサイドアリーナには、多くの避難された方と役場職員などがいましたが大混乱。翌日になって自衛隊のヘリが到着して病人を搬送、その翌日には海からの救援が開始され、現在では内陸の避難所に移られています。
 後藤さんは「地震や津波は自然の営みの一つである」「人間も自然の一部である」とおっしゃいます。『昔からの神社や遺跡は、津波の被害を受けないところにあった。古い石碑には「ここより下に家をつくるな」と記されている。江戸時代まではそれが守られていたのであろう。それが次第に養殖などの産業の経済性、利便性、効率を追って次第に浜に降りて行った。結局、高く売れる養殖に集中して海は過密となり、今回の津波により、養殖によってたまっていたヘドロなどがきれいに洗い流され、海はリフレッシュされた』と。
また、津波による被害は人災に近い、とも後藤さんはおっしゃいます。『昭和35年のチリ地震時の津波のプラス50センチの堤防をつくったが、今回の津波ではおもちゃも同然で役に立たなかった。「堤防があるから大丈夫」という過信があり、チリ地震で被害を受けたところは避難が早かったがそれ以外のところでは被害が大きくなっている。津波に対しては、まず逃げること。津波を防ぐ大きな堤防を作るのではなく、避難場所と避難方法を確保する事。救援物資は各家庭でもっていてもしょうがない、避難所にきちんと整備する方が良いだろう。』
さらに地域社会の在り方についてもふれられました。『個人情報の保護の動きや地域社会の中で一人一人のつながりが切られていったことも被害を広げた。高齢で逃げるのが大変な方でも、近隣とつながりがあり、助け合っていた方は被害が少ない。逆に地域とのかかわりが薄いために助からなかった人もいる。障害者というと災害弱者と言われるが、日頃の地域社会の中で特別な存在という見方ではなく「同じ場所、同じ時代に生きている」という気持ちを持つことが大事だ。災害時は、みんな自分の命が第一だけど自分に近い思いを持っている人をいかに多く持つか、今回の被災者は皆、障害者です。「財布の中が空っぽ」という障害。避難所の生活では、お金がない中でいかに幸せになれるかということが実感させられた。』
これから、他の地域でも大きな地震があるだろう。そんな時にお互いに助け合っていきたい。そういう災害への備えの意味でも皆さんに現場を見てほしい。みんなに私の体験を伝えていきたい。そういう思いで語り部をやっています。

 後藤さん、貴重な話を聞かせていただきありがとうございました。後藤さんの思いを受けて、被災地支援や自分たちの地元での活動に活かしていきたいと思います。

写真3:「後藤さんを囲み、みやぎ北部支援センタースタッフと」
写真3

次回の講話は
日時 7/10(日)9時から12時
場所 若葉園(登米市東和町米川字西綱木23-16)
講師 のぞみ福祉作業所 畠山所長
「被災経験をした私たちがみなさんに伝えていきたいこと」
講話終了後、のぞみ福祉作業所を視察させていただく予定です。

担当:西畑 勤


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