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赤いハイヒール

マルチメディアDAISYのCD-ROM付き
赤いハイヒール 〜ある愛のものがたり〜

翻訳者からの推薦
赤いハイヒールの本

 主人公アンネリーは、その日22歳の誕生日を迎えました。

スウェーデンでは、誰かが誕生日を迎えると家族の人がケーキとプレゼントを持って寝室を訪れ、『百歳まで生きますように』という歌を歌いつつそれを渡します。アンネリーが欲しがっていたのは、靴屋のショーウインドウで見たすてきな赤いハイヒールでした。ところが母親と姉がくれたのは、やぼったいサンダル。母親は言います。「あなたのような品のいい女の子はハイヒールなんてはかないのよ」 

がっかりしたアンネリーは、ケーキを持って職場に向かいます。職場のみんなと食べるのです。ところが通勤のバスの中でずっとアンネリーが憧れていた素敵な男の子が話しかけてきて、彼女を映画に誘います。彼女はプレゼントのサンダルを、あの赤いハイヒールと交換することを決意します。
彼女はそこから、恋へ、そして自分に必要なものは自分で選び取る人生へと走り出します。


 

 バースデーケーキ、バスの中で出会うハンサムな彼、靴屋さんで起こったサプライズ、初めての赤いハイヒール、初めてのデート、そして厳しいながらも深い愛情で娘を育てる母親。この絵本には母親の手から飛び出して大人になっていく女性のシンデレラストーリーにふさわしい小物があちらこちらにちりばめられており、読者を甘い切ない気持ちへと誘います。

実は初めてこの写真絵本の原稿を通して読んだ時は、美人の産地スウェーデンにしては、アンネリーにあまりに魅力がないんじゃないかと思ったのです。けれども誕生日にもらったサンダルのごとく、やぼったく子どもっぽいアンネリーが恋と心の中に芽生えた『自覚』を手に入れて、赤いハイヒールの似合う女性へと変化していく、これは作り手の狙った仕掛けなのでしょう。(映画の前にオープンカフェで憧れの青年オーラとお茶をするアンネリーのかわいさは必見です!)


この絵本は読むことに困難を持つ人々も楽しめるようにという目的で作られたので、単純な文章で書かれていますし、マルチメディアDAISYのCD-ROMがついています。
この推薦文を書く為に、このたびこの図書を聴きながら読むということを何度も繰り返しましたが、改めてその心地よさにうっとりとしてしまいました。
おそらく多くの方は、このような音声付で読書をするということに、余りなれていらっしゃらないのではないかと思います。
朗読をされた相良麻里子さんの気持ちよい音声が流れてきて、目の前にはスウェーデンの美しいインテリアやオープンカフェの光景。なんだかこの『赤いハイヒール』の、たまらなくピュアな世界に飛び込んでしまったような錯覚を覚えます。この気持ちよさは日常ではなかなか味わえないかもしれません。ぜひ一度体感してみませんか?
そしてこの本を読んだ後の、胸がキュンとするような幸福感にしばし浸っていただきたいと思います。


お申し込み・お問い合わせ

(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター 「赤いハイヒール」プロジェクトチーム
Tel: 03−5273−0796 Fax: 03−5273−0615
E-mail: daisy_c@dinf.ne.jp