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DAISYコンソーシアム事務局長George Kerscher(ジョージ・カーシャ)博士、全米盲人連合よりJacob Bolotin(ジェイコブ・ボロティン)博士賞受賞

プレスリリース
www.daisy.org (英語)

2008年7月7日

視覚障害者の完全かつ平等な社会統合の達成に向けて、大いに貢献してきた、視覚障害にかかわる分野で活動している個人および組織をたたえて贈られる賞の、初めての受賞者の一人として、カーシャ博士が選ばれた。

2008年7月7日 アメリカ合衆国モンタナ州ミズーラ

2008年の独立記念日に、全米盲人連合は、ジョージ・カーシャ博士に対し、視覚障害者と印刷物を読めない障害がある人々のために情報をアクセシブルにする取り組みをたたえ、ジェイコブ・ボロティン賞を授与した。カーシャ博士自身も視覚障害を抱えており、視覚障害、身体障害、知覚障害、発達障害、認知障害、あるいは学習障害が原因で、事実上印刷物を読むことができない人々のことを説明するために「印刷物を読めない障害」という言葉を新しく作った。カーシャ博士は、情報へのアクセスは基本的人権であると語り、印刷物を読めない障害がある人々が、この権利を確実に得られるように、20年間にわたり辛抱強く取り組んできた。

1997年以来、カーシャ博士はDAISYコンソーシアムのスタッフを率いてきた。現在、同コンソーシアムの事務局長を務める博士は、確固たる意志をもってコンソーシアムのビジョンを追求し続けている。それは、印刷物を読めない障害がある人々が、ほかの人々に遅れることなく、あるいは余計な費用をかけることなく、情報や知識に平等にアクセスすることができる世界の実現である。

全米盲人連合の書記で、ジェイコブ・ボロティン博士賞委員会委員長を務めるGary Wunder(ゲーリー・ワンダー)氏は、Kカーシャ博士に同賞を授与するに当たり、「ジョージ・カーシャ博士は、あらゆる種類の情報に、視覚障害者が完全かつ平等にアクセスできるよう、休むことなく取り組み続け、これに成功しました。博士の活動によって、視覚障害者は、これまでの人類の歴史を通じて、決して網羅することができなかった広い範囲にわたり、印刷物にアクセスすることができるようになりました。これらの取り組みにより、視覚障害があるアメリカ人が、社会において生産力のある一員となり、また眼が見える同胞と競いあう能力を大いに向上させる結果となりました。ですから、カーシャ博士の活動は、ジェイコブ・ボロティン博士賞を受けるにふさわしいのです。」と称賛の言葉を述べた。

ジェイコブ・ボロティン博士賞の受賞に当たり、カーシャ博士はこう語った。「ボロティン博士のお名前を掲げたこの賞をいただき、心から光栄に思っております。と同時に、私のような者がいただくのはもうしわけない気もしております。ボロティン博士のパイオニア精神と不屈の精神とは、視覚障害者や印刷物を読めない障害がある人々の、教育や情報へのアクセスにおける平等をめざして活動している、あらゆる人々の気持ちを奮い立たせてくれます。」

ジョージ・カーシャ博士について

10代後半のころ、カーシャ氏は網膜色素変性症を発症した。その後、高校の英語教師になり、コンピュータ技術に強い関心を持つようになったが、病気が進行したため転職を決意し、高校の教室からモンタナ大学のコンピュータ科学の実験室へと身を移した。大学院生として過ごした最初の数日間で、カーシャ氏は、必修の教科書の中で、自分が使えるフォーマットになっているものはほとんどないことに気づいた。カーシャ氏は、情報へアクセスするためのもっとよい方法があるに違いないと考え、その解決策は技術に見いだせること、つまり、印刷物を読めない人々を対象とした電子図書の技術に、その解決策があることを知った。そして、1988年に、視覚障害者のための電子図書製作団体を設立し、出版社と消費者に、点字図書の製作や、利用者のニーズに合わせて改良されたコンピュータを使用しての情報への直接的なアクセスには、電子図書が有効であることを実証した。カーシャ氏はその後、RFB&D(視覚障害者およびディスレクシアの人々のための録音団体)およびDAISYコンソーシアムで活動し、また、NISO(アメリカ情報標準化機構)、ウェブ・アクセシビリティ・イニシアティブ、国際デジタル出版フォーラムなど、数々の著名な委員会に参加し、アメリカ合衆国および全世界の印刷物を読めない障害がある人々に恩恵をもたらした。

ジェイコブ・ボロティン博士賞について

ジェイコブ・ボロティン博士賞は、先天性の視覚障害者として初めて医師免許を取得したボロティン博士の名に由来する賞である。ボロティン博士(1888年−1924年)は、20世紀前半、シカゴに在住、開業し、特に心肺疾患を専門とすることで知られていた。そして、一般大衆を対象とする数多くの講演会を通じて、教育、雇用、その他社会のすべての局面における、視覚障害者の完全なインクルージョンを呼びかけた。その名にちなんで名付けられた同賞は、毎年、全米盲人連合によって、平等を基本とした、視覚障害者の社会への完全統合という目標の達成に向けて、顕著な貢献を果たした個人と組織に贈られる。同賞は、ボロティン博士の甥と姪の遺産をもとに設立された、アルフレッド・アンド・ロザリンド・パールマン・トラストの資金で運営されている。第一回ジェイコブ・ボロティン博士賞は、2008年の全米盲人連合年次大会で授与された。

DAISYコンソーシアムについて

DAISY標準規格(正式には、デジタル録音図書用ANSI/NISO z39.86仕様)は、世界中の印刷物を読めない障害がある人々の読書体験に革命をもたらした。DAISYは、デジタルアクセシブル情報システムの略で、世界で最も広く使用されている読みのための支援技術である。世界中の志を同じくする機関によって1996年に結成されたDAISYコンソーシアムは、現在では35カ国を代表する70近くの非営利団体と、DAISYコミュニティとそのサービスを受けている人々のニーズに即した製品とサービスを提供する、20を超える営利企業から構成されている。これらの団体と企業は、印刷物を読めない障害があるすべての人々による、情報と知識への平等なアクセスを可能にし、同時に、広く社会に利益をもたらす国際規格および技術の開発と普及に、協力して取り組んでいる。DAISYコンソーシアムおよびDAISY規格に関するさらに詳しい情報は、www.daisy.org(英語) で入手できる。