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別紙1

事務連絡
平成23年3月11日

各 都道府県 指定都市 中核市 障害保健福祉主管部(局) 御中

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
企画課
障害福祉課
精神・障害保健課

3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」により被災した要援護障害者等への対応について

1.避難所等における要援護障害者に対する対応について

 「東北地方太平洋沖地震」の発生に伴い、避難所への避難生活が必要となった要援護障害者、避難所に避難していない要援護障害者等に対し、安否確認及びその対応状況や実態の把握に努めていただくとともに、次のような業務の実施を図るようお願いいたします。

  1. 避難所等に避難している要援護障害者等について、障害福祉サービスが必要なもの及びその需要を把握すること。
  2. 1.で把握した障害福祉サービスの提供が必要な者に対して、被災地等における障害福祉サービス事業者等において障害福祉サービスをどの程度対応できるか調査すること。
  3. さらに2.で対応できない場合には、被災地市町村と被災地周辺市町村との連携により、障害福祉サービスの広域的な利用調整を行えるよう体制を整えること。

 なお、障害福祉サービスを提供する人材等の確保が困難な場合や職員の疲労による交代要員の確保が必要な場合等には、当方から他県や事業者団体等に対して協力を要請いたしますので、その際には、対応窓口を明確にして必要な人員、職種、派遣先などの情報をお知らせ下さい。

2.被災した障害者支援施設及び特定旧法指定施設等の入所施設(以下、「被災施設」という。)から避難が必要となった者の避難先について

(1)緊急一時的な避難について

各自治体が設置する避難所等へ避難すること。

(2)再避難先について

 避難期間が中長期に渡ると見込まれる場合については、被災施設と同種の他施設への再避難が基本となりますが、災害時であることにかんがみ、以下の状況を勘案の上、同種の他施設以外の再避難先を活用することは差し支えありません。

  1. 建物の設備について、居室等、障害者が生活を送るのに、著しい困難が生じないものであること
  2. 同種他施設が地理的に遠距離にあり、避難者本人の意向、被災施設の職員が継続的に支援を行う必要等の観点から、同種他施設で支援を行うより効果的と考えられること

3.障害者支援施設等における要援護障害者等及び避難者の受け入れ

(1)障害者支援施設等においては、空きスペースの活用を図るとともに、日常のサービス提供に著しい支障が生じない範囲で、定員を超過して要援護障害者等を受け入れて差し支えありません。
 また、障害者支援施設等については、「障害者自立支援法に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年9月29日厚生労働省令第172号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費の対象とします。
 なお、障害者支援施設等において、一般の避難者を受け入れる場合も、できる限り要援護障害者等の処遇に支障が生ずることのないよう留意下さい。

(2)なお、避難先施設は、職員配置、設備等について、できる限り避難者及び避難先施設の入所者の支援に支障を来さないよう留意下さい。
 特に、やむを得ない事情により避難が長期化する場合、又は避難先施設が被災施設と種別が異なっており、かつ、指定基準を満たすことができない場合は、避難者及び避難先施設の入所者への適切な支援の確保を図るという観点から、避難者本人の意向等を勘案し、被災施設と同種別の他施設への再避難や地域生活への移行等を進めるよう配慮願います。

4.障害福祉サービス(ただし、施設入所支援を除く。)の利用者にかかる取扱い

(1)居宅介護及び重度訪問介護については、避難所等の避難先を居宅とみなしてサービス提供して差し支えありません。  また、屋外の移動が困難な障害者に対する移動支援についても同様に避難所を居宅とみなすなど、被災地における地域生活支援事業の実施に当たっては、当該市町村の判断で柔軟なサービス提供を願います。

(2)生活介護等日中活動サービスについては、「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年9月29日厚生労働省令第171号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費等については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしてより、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費等の対象といます。
 また、利用者の利便性を考慮し、開所日・開所時間については、柔軟な対応を願います。

(3)被災時に短期入所を利用していた者に係る取扱いについては、避難が必要となった者の避難先及び利用定員を超過した場合の受け入れなど、前記2及び3の入所施設の取扱いと同様として差し支えありません。
 なお、計画していた利用期間の終了に伴い、居宅に戻ることが原則ですが、戻るべき居宅も被災しており、引き続き入所をする必要がある場合には、障害者支援施設等による受け入れを基本とし、必要に応じて引き続き短期入所の利用も可能とします。

5.被災された障害者等に対する補装具費支給及び日常生活用具給付等事業の弾力的な運用について

 避難所等に避難している障害者等の中には、補装具や日常生活用具が必要となる方も生じると考えられますので、必要な場合には耐用年数等の如何にかかわらず支給・給付して差し支えありません。
 管内市町村を含め関係者及び関係団体等に対する周知方、特段のご配慮をお願いします。

6.被災された視聴覚障害者等に対する情報・コミュニケーション支援について

 被災された視覚障害者や聴覚障害者等に対しては、特に情報・コミュニケーション支援が何より重要となります。管内被災市町村における避難状況等を踏まえ、点字や音声、文字等による災害情報等の提供、手話通訳者等の派遣などの情報・コミュニケーション支援について、視聴覚障害者情報提供施設等と連携し、万全の対応を期すようお願いします。

7.利用者負担の減免について

(1)被災のため障害福祉サービス、障害児施設支援等に必要な利用者負担をすることが困難な者については、障害者自立支援法第31条又は児童福祉法第24条の5に基づき、市町村又は都道府県の判断により、介護給付費等の支給割引を引き上げ、利用者負担を減免することができます。

(2)自立支援医療については、平成18年3月31日付け障害保健福祉部長通知(障発第0331006号。)に基づき、被災した世帯所得勘案対象者の所得状況に応じた所得区分を適用することなど、適宜の方法により世帯所得勘案対象者の負担を軽減することができます。

(3)補装具費については、平成19年3月27日付け障害保健福祉部長通知(障発第0327004号。)に基づき、被災した補装具費支給対象障害者等又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況の変化等に応じて補装具費の支給対象とすることや負担上限月額を適用することなど、適宜の方法により補装具費支給対象障害者等の負担を軽減することができます。

(4)障害児施設医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404002号。)に基づき、被災した施設給付決定保護者又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況等に応じて、適宜の方法により施設給付決定保護者等の負担を軽減することができます。

(5)療養介護医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404003号。)に基づき、被災した療養介護医療費支給対象障害者の所得状況等に応じて、適宜の方法により療養介護医療費支給対象障害者の負担を軽減することができます。

8.その他本件に関する疑義照会等については、各課室までご連絡をお願いいたします。

9.なお、本日、菅総理大臣を本部長とする緊急災害対策本部を立ち上げ、別添「災害応急対策に関する基本方針」が取りまとめられましたので参考に送付いたします。