支えよう、東北の仲間たちを! みんなの絆と力で! みやぎ支援センターニュース (ゆい)30 日本障害フォーラム(JDF)東日本大震災被災障害者総合対策本部 みやぎ支援センター・みやぎ北部支援センター 【2011年7月20日】 仙台市太白区・萩の郷福祉工場内 電話:080-4373-6077、FAX:022-244-6965、メール:jdf.miyagi@gmail.com、 登米市東和町・若葉園内、電話:090-8349-9403、FAX:0220-45-2223、 メール:jdf.miyagi.hokubu@gmail.com、 ホームページhttp://www.dinf.ne.jp/doc/JDF/index.html。 震災後130日、今なお判明しない被災障害者数 酷暑のもとで続く避難所生活 3月11日の震災発生から、すでに130日が経過しました。もっとも人的被害の大きかった宮城県では、亡くなった人が9,322人、未だに安否確認のできない人が2,569人で、併せて11,891人にも及びます(7月18日現在)。 しかも連日の酷暑のなか、15,871人もの人たちが、体育館や公民館などで避難所生活を余儀なくされています。仮設住宅への移行は進みつつありますが、今夏いっぱい避難所生活が続いてしまう人たちが残ることは、必至の状況です。 また、火災による死亡が87%を占めた関東大震災に対して、阪神・淡路大震災は建物の倒壊による死亡が83%を占めていましたが、今回の東日本大震災は92%が溺死でした。そのため、身元確認のすすんでいない遺体が多く残されています(グラフ参照、4月11日現在)。 こうした震災被害の甚大さもとで、障害のある人たちの被災状況は、未だに判明していないどころか、生存者の生活状況も明らかにされていません。 障害がある人たちの被害実態は? 宮城県全体には10万3千人、津波の被害のあった沿岸部には5万3千人の障害のある人たちが暮らしていました。宮城県全体の死亡・安否未確認の数は、約1万2千人ですから、その被災人口比で推計すると、沿岸部では、約500人の障害のある人たちが被害にあったことになります。さらに対人口比では約2,300人という数字になります。 ●宮城県の人口・障害者数ならびに被災者数 宮城県 人口2,346,290人、 障害者数 人数103,892人、 障害者数 人口比4.42%、 死亡、安否未確認 人数11,891人、 死亡、安否未確認 対人口被災率0.51%、 沿岸部自治体 人口※1,227,346人、 障害者数 人数53,511人、 障害者数 人口比4.35%、 対人口被災率0.97%、 沿岸部の被災障害者数の推計、 対人口比2,327人、 対被災人口比519人。 ※仙台市沿岸部の人口等は、太白区、若林区、宮城野区。 下記のグラフにあるように、60歳以上の死亡者数は東北3県で55%(7,241人)を占めています。これら多くの高齢者には、身体障害者手帳を所持している人が多く含まれていることを想定すると、対人口比2,300人という被災障害者数の推計は、現実味を帯びてきますが、震災発生後130日が経過したにもかかわらず、障害のある人たちの被災者数は発表されていません。 東日本大震災と阪神・淡路大震災の男女別年齢別死者数。 東日本大震災(岩手県・宮城県・福島県) 年齢不詳 女1,292、男607、 80歳以上 女1,516、男938、 70歳代 女1,318、男1,345、 60歳代 女995、男1,129、 50歳代 女661、男659、 40歳代 女401、男386、 30歳代 女303、男331、 20歳代 女179、男220、 10歳代 女171、男165、 9歳以下 女200、男191。 阪神・淡路大震災(兵庫県) 80歳以上女776、男471、 70歳代 女780、男488、 60歳代 女684、男533、 50歳代 女485、男385、 40歳代 女271、男215、 30歳代 女142、男122、 20歳代 女240、男232、 10歳代 女181、男136、 9歳以下 女121、男131。 (注)東日本大震災:警視庁資料から内閣府作成。平成23年4月11日現在、検視等を終えている者を掲載(性別不詳128人は図から省略)。阪神淡路大震災:兵庫県資料(性別不詳9人は図から省略)。 (資料)平成23年版防災白書(同掲載データをもとに当図録で作図) 実態把握の遅れは、政府対応の遅れ 沿岸部の多くの自治体は壊滅的な被害を受け、行政機能が完全にマヒした自治体もありました。こうした現状のもとでの実態把握の遅れは、政府の対応の遅さにあるのではないかと思えてなりません。 たとえば厚労省は、今回の震災による孤児の人数を206人と公表しました(6月16日現在)。しかしこの数字は、あまりにも少なすぎます。 左のグラフにあるように、50歳代〜20歳代の死亡者は約3,400人に及びます。そのうち既婚者が1,000人としても、20歳未満の子どもは少なくとも500人はいると思われます。子どもの被害人数を考慮すると、相当数の震災孤児がいるはずですが、厚労省は、3県が報告した数字を、ただ公表しただけなのです。 国は自治体まかせにせずに、もっと積極的に実態把握や支援策に全力を注ぐべきです。それは今からでも遅くないはずです。(おの ひろし) 障害のある方との対話数1418人、のべ支援員数531人、(7月20日現在) 〜南三陸町の現状を目の当たりにして〜 東京・あしたの会・加藤 晃彦 みやぎ支援センターから、三陸道を走って南三陸町に向かった。トンネルを抜けるとそこは瓦礫の山だった。誰もいない中「ゴォー」というユンボ音だけがむなしく響いていた。同じ県内でも状況がここまで違うとは…。 今回私たちのグループが県内の障害者就労・雇用に関することについて調査したところ、就労移行支援事業所は全て再開していた。壊滅的な被害を受けた南三陸町では、行政機能が混乱していて、解雇者・自宅待機者が相当数いると思われる。 津波の被害を受けた「のぞみ福祉作業所」を訪れた。ボランティアの方が撤去作業を行っていた。作業所は海から約2kmの高台にある。にもかかわらず津波に飲み込まれた。津波の恐ろしさを肌で実感した瞬間だった。 津波に襲われながら、所長はメンバーの避難を急いだが、2名のメンバーが津波に流されてしまった。残ったメンバーは、作業所の裏山で寒さに凍えながら1週間耐えたという。その話を聞いたとき、想像を絶する状況に、頬に涙がつたった。現在、のぞみ福祉作業所は仮設のプレハブを建て再開している。早く元の状況に戻ることを強く願った。 北部沿岸部の復興への道のりは、厳しい状況だと感じた。北部支援センターは、避難所、仮設住宅での個別のニーズに応えながら、事業所再開への支援を続けている。 7月15日付けの『河北新報』に、仮設住宅での2名の高齢者の孤独死が報道された。仮設住宅に入居してわずか1週間後の孤独死だった。これに対し県は、「訪問支援を強化するために、民生委員に協力を仰ぎたい」とコメントしたが、それで問題は解決するのだろうか。 石巻、女川、南三陸と、北部沿岸部を中心に、在宅者のニーズはますます増えている。多くの支援員の活動が必要とされる。とくに、東京を含む関東から多くの支援員が駆け付けてくれることを期待したい! ◆被災地派遣支援員を再募集!◆ ○活動内容 支 援 員・・・訪問によるニーズの掘り起こし、ニーズへの対応 など。 事務局員・・・電話相談、ニーズの調整・対応、会計、庶務、広報 など。 ○ 活動場所 みやぎ支援センター(仙台市)・みやぎ北部支援センター(登米市)。 ご連絡 お待ちしています。080-4373-6077