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意見発表(市橋正光)

市橋●
ただいま紹介をいただきました大活字文化普及協会の市橋正光と申します。
大活字文化普及協会は、弱視者、低視力者、高齢者から読める大活字本や、音声での読書を推進することで、すべての人に読書する機会を提供する仕組みを実現するための活動をしている出版団体です。
今日は著作権法改正によって実現可能になる具体的な読書機会を提供する仕組みについて、お手元に配られましたクリアファイルに入っている資料の中の、「国立国会図書館の電子アーカイブ事業におけるすべての人への読書機会の提供」という資料の中に入っています。開いていただいた図のところをご参照いただきながらご説明させていただきます。 その具体的な方法とは、2010年1月から施行された著作権法改正によって国立国会図書館に納本される図書を、読書が困難な人を含むすべての人に読書機会を提供する仕組みとして実現することができる具体的な方法です。

既に海外の例にもありますが、国立国会図書館に納本された図書がテキストデータでも所蔵・保存されるようになれば、国立国会図書館は、既に国の予算によって整備・運営されている障害者専用の読書データ配信システム等を通じて点訳・音訳データに媒体変換して配信・提供したり、大活字図書やマルチメディア図書として出版・流通させることで国民の一人ひとりが最も読みやすい方法で本を選んで読書することができるようになります。

このすべての人が読書機会を得られる仕組みの実現を確実なものにするため、近日中に要望書を、日本書籍出版協会や日本文芸家協会などに提出して賛同を得た上で、国立国会図書館が主体として進める国家事業としての実現を求めてまいりたいと思っております。
日本書籍出版協会や日本文藝家協会に提出して賛同を求める要望書の内容は三つあります。要望書の表題は「国立国会図書館の蔵書アーカイブ事業に対するお願い」です。

要望1 視覚障害者等、読書することに困難があるすべての人に読書機会を提供するために、国立国会図書館にて蔵書データ化を行う際には画像データ化と同時にテキストデータ化し、外部委託機関にてテキスト合成作業を行い、国立国会図書館の厳正なる管理下のもとでデータの所蔵と配信を行うことにご賛同をお願いいたします。

要望2 国立国会図書館に所蔵された画像データとテキストデータを、外部委託機関を通じて国家予算によって運営されている障害者専用の配信システム等により無償で提供し、DAISY図書データや点字図書データ等に媒体変換し、無償配信することにご賛同をお願いいたします。

要望3 国立国会図書館で所蔵された画像データとテキストデータを外部委託機関において大活字図書やDAISY図書として出版・流通して、読書することが困難な人に有料で販売する際には、販売代金の一部を印税として著者と出版社にお支払いする仕組みを作ることにご賛同をお願いいたします。

以上の三つの要望事項を提出して、読書機会を得たいと願うすべての人の思いを力に変えて、すべての人に読書機会を提供する仕組みを作る国家事業として実現できるように皆様にお願いをして、全力を尽くして活動してまいります。
ここで視覚障害者が読書する環境を整備することに、人生をかけてきた方々から伝えられた言葉を紹介します。それは、「読むこと、生きること、情報は命なり」という言葉です。

今回の著作権法改正を最後の大きなチャンスと考えて、すべての人に読書する機会を提供する仕組みを、すべての人の協力と連携で必ず実現しましょう。
もう一度だけ、資料の図を見ていただきながら、日本書籍出版協会や日本文芸家協会に提出する要望書の内容を読み上げさせていただきます。

要望1 視覚障害者等、読書することに困難があるすべての人に読書機会を提供するために、国立国会図書館にて蔵書データ化を行う際には画像データ化と同時にテキストデータ化し、外部委託機関にてテキスト合成作業を行い、国立国会図書館の厳正なる管理下のもとでデータの所蔵と配信を行うことにご賛同をお願いいたします。

要望2 国立国会図書館に所蔵された画像データとテキストデータを、外部委託機関を通じて国家予算によって運営されている障害者専用の配信システム等で無償で提供し、DAISY図書データや点字図書データ等に媒体変換し、無償配信することにご賛同をお願いいたします。

要望3 国立国会図書館で所蔵された画像データとテキストデータを外部委託機関において大活字図書やDAISY図書として出版・流通して、読書することが困難な人に有料で販売する際には、販売代金の一部を印税として著者と出版社にお支払いする仕組みを作ることにご賛同をお願いいたします。

以上の内容に賛同を得て、国立国会図書館を中心として展開する国家事業として、必ず実現していただきたいと思います。実現を求めてまいりたいと思います。
今は生きていくこと自体が難しくなってきたこの混迷の時代の中では、読むことは、「情報は命なり」という言葉にあるように、生きることにつながります。弱視者として一生涯を自らの思いから読書環境整備に捧げた亡き父、市橋正晴。この父が残した言葉があります。「電車の中で本が読みたい、寝転がって本を読みたい」。こういう読書への思いをこめた言葉を残して逝きました。読書することが困難な人が、楽に読書できる社会は、心豊かな暮らしやすい社会になるのではないでしょうか。
最後になりますが、「読むこと、生きること、情報は命なり」という言葉を掲げて一緒に活動していただくことを心からお願いして発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

井上●
ありがとうございます。以上ですべての方の発表を終わらせていただきます。 民主党衆議院議員の井戸様がお見えになりましたので、ご紹介させていただきます。神戸の選挙区でございますね。

井戸●
山中さんと親の会でも一緒に活動させていただいています。私の子どもも発達障害がありまして、DAISY教科書の普及にはしっかり頑張っていきたいと思います。

井上●
ありがとうございます。それでは質問用紙を、スタッフが集めますので1~2分お時間をいただきます。皆様のご協力で非常に順調に進んでおりまして、最後の意見交換にも多少時間がプラスできるかと思っております。

それではここで意見交換ということになります。コーディネートは河村宏様で、DAISYコンソーシアム会長をされていらっしゃいます。それでは休みもなく恐縮ですが、引き続き意見交換ということで進めさせていただきたいと思います。それでは河村様、よろしくお願いします。