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DAISYの最新開発状況について

河村 宏
DAISYコンソーシアム会長
国立障害者リハビリテーションセンター研究所 特別研究員

1970年から1997年まで東京大学総合図書館に勤務。
(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長を経て、2003年7月から2007年3月まで国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 障害福祉研究部長。現在は特別研究員。
DAISY コンソーシアム会長、DAISY for All Projectマネージャー、WAI/W3C常任委員、世界盲人連合国連委員会委員、 JICAアジア太平洋障害者センター支援委員、障害者放送協議会委員。
すべての人が共有する知識と情報のデザインを追及し、情報アクセス権と著作権の調和を目指した活動に取り組む。また、ソーシャルインクルージョンの立場に立ち、障害者・高齢者の災害に対する事前の備えへの情報支援と国際協力に力を注いでいる。

野村:私も今までインドのハイドラバードに昨日までいました。河村さんは6日までいて、今日は多分南アフリカに移動しておられます。そのため来いらっしゃることができませんでした。インドのハイドラバードでインターネット・ガバナンス・フォーラムが行われています。なかなか聞いたことはないかなと思うのですが、国連世界情報社会サミットというのを聞かれたことがあると思いますが、その中で、2005年に、デジタル・デバイドを集まって解決しましょう、それを閣僚レベルでやりましょうというのが国連世界情報社会サミットでしたが、まだまだそれでは解決しない問題があると、マルチステークホルダーという関係者がみんなで集まって、インターネットを使いやすくするための会議を毎年やることになりました。それがインターネット・ガバナンス・フォーラムです。今回3回目ということで、インドのハイドラバードで行われました。12月3日~6日でした。

その近くにムンバイというところがあります。テロがそこでありましたので、ヨーロッパの方々が参加しないという状況があったのですが、しかし、ホストがインド政府なので、これはスケジュール通りにやるとアナウンスをしまして、行われることが決定し、開催されました。 すごくセキュリティチェックが激しかったです。 ホテルのまわりにはセキュリティの方がたくさんいて、残念ながらほとんど外は何も見ることができず、ホテルと会場のみでした。その中で、メインセッションがありました。 今回のテーマは「障害者も入れよう」という話もあり、マルデリンガリズムというメインセッションがありました。 その中で河村さんが参加し、発言をしました。そこでDAISYが情報社会において有効なツールではないかというお話をしていただきました。ここで前座は終わりとし、これからビデオを始めたいと思います。


河村氏ビデオ出演中

河村(ビデオ):今、インドのハイデラバードにいます。皆さん、こんにちは。 インターネット・ガバナンス・フォーラムといって、インターネットの管理運営に関する国連の重要な会合にDAISYコンソーシアムとして出席しています。

今年は9月17日に著作権法が教科書について改正になり、これまで沢山の教科書がつくられてきましたが、DAISYの規格が縦書き・ルビ付きという国語の教科書固有の問題にまだ対応していなかったことで、製作に苦労してきたことと思います。これから来年暮れにかけて、重要な課題として取り上げられているのが、教科書の縦書きについて、きちんと規格を改正してつくれるようにしようと。この規格が改正されれば、DAISYに対応する全てのプレイヤーで国語の教科書がきちんと表示できることになります。

また、もう一つ重要な改正点としては、手話やマニュアルなどに必要な動画を使ってDAISYの教材をつくれるようになる。動画付きのDAISY図書がつくれるように改訂することが、重要課題です。他にも固有名詞の読みを指定して、音声合成装置に送り込む、そして正確に自動的にテキストを読ませる。 そうやってテキストのDAISY化をできるだけ自動化し、早く製作できるようにするための改訂などが盛り込まれています。来年の暮れまでにこの改訂を終わらせて、新しいDAISY規格にのっとったツールが期待されていると思います。

今年、大きく前進し、さらに来年を目指して、次の飛躍を遂げようとしているDAISYについて、これからもご支援をお願いしたいと思います。 それではこれで、DAISYの開発の最新情報をご紹介して、私の短いプレゼンテーションを終わらせていただきます。