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【世界の動向に視点をあてて】

ロマン・デルトワ

DAISY 変換技術開発チームリーダー

資料1

資料1のテキスト

皆さん、こんにちは。これまでのプレゼンテーションで、今、私たちは非常に興味深い変革の時を生きているということがお分かりになるかと思います。法的な環境も変わってきていますし、またデジタルフォーマットも変わりつつありますし、またそれらの変化を支えるためのツールも開発されようとしています。そこで私のほうからはDAISYコンソーシアムで取り組んでいるオープンソースのプロジェクトについて、お話をしたいと思います。

まずアクセシブルコンテンツの製作について一般的なお話をし、そしてコンソーシアムのソフトウェアの開発戦略についてお話をします。また、自動的な、またインタラクティブなオーサリングのプロジェクトについてお話をしたいと思います。そしてその後、内容に入りたいと思います。

資料2

資料2のテキスト

一般的な状況ということですけれども、今、アクセシブルコンテンツに対する要求が高まってきております。

つまり平等なアクセシブルな情報というのは人間の基本的人権の一つでありまして、出版社はますますアクセシブルなコンテンツを様々な多様なユーザーのために作らなければならないわけであります。

資料3

資料3のテキスト

つまり視覚障害者とかディスレクシアの人たち、あるいは聴覚障害者、また知的障害者のために提供していかなければならないということなのです。

資料4

資料4のテキスト

それは様々なディストリビューションチャンネルを通じて、また様々なディバイスを使うことによって提供されなければならないわけであります。そしてまたそのコンテンツは、いくつかの出力フォーマットで製作されなければなりません。その出力フォーマットの一つの例として、それがDAISY 2、DAISY 3のスタンダード、それから将来のDAISY 4の配布フォーマットということですね。これはもう既にマーカス氏からお話がありましたが、もちろんEPUBもそのうちの一つです。これは今、市場で増えております。それから大活字、また点字、他にも新しいものが出てくるかもしれません。

資料5

資料5のテキスト

それではプロダクションツールにはどういうような必要要件があるかということですが、まず一つは効率的でなければならないし、また低コストでできなければならないし、汎用性がなければなりません。効率性ということですが、できるだけ多くのドキュメントを短時間で作れなければならないということであります。例えばニュースを数千人に提供する場合には、1週間も待たせるわけにはいかないわけです。つまり、障害のある人たちが遅れて情報を受け取るというようなことがあってはならないのです。効率的に行なわなければなりません。

資料6

資料6のテキスト

また低価格でなければならないし、非常に簡単に開発され、メンテナンスもできなければならないのです。また汎用性がなければなりません。そしてコンテンツをいくつかの出力フォーマットで提供できなければならないし、またそれがどのデスクトップのアプリケーションでも、どんな環境でもいろんなところでそれが使えなければならないわけです。

資料7

資料7のテキスト

それでは今、コンソーシアムで、どのような戦略がされているのかということですが、この地図をご覧ください。これは世界的にDAISY図書が普及されているということを示しております。DAISYコミュニティというのは世界中に広がっているということが分かると思います。そして数百の組織が35か国以上で流通に携わっております。

資料8

資料8のテキスト

それぞれの組織が、それぞれのツールを開発しておりますが、それを開発するのには大変な時間とお金もかかっているのです。ですので、もっと共同プロジェクトが必要であると思います。

資料9

資料9のテキスト

つまり国際的な強い協力があればこそ、そういう効率的なシステムが作られるのではないかと思っております。そういう協力があればコストを下げることができますし、またソフトウェアの質を上げることができます。そしてユーザーの数も増えるわけでありますので、さまざまなユーザーのニーズに応えることもできるようになるかと思います。

またスキル及びリソースをそれぞれの組織において促進することができると思います。また協同的な環境を使うことによって、そのそれぞれのニーズに応えることができるようになるのです。おそらく日本のコミュニティにおいては特別なニーズがあるかと思います。その一つには縦書きであります。ですから、その開発を協同的に行うことによって、そういうニーズにも応えることができるかもしれません。

資料10

資料10のテキスト

そういうような協同的な開発プロジェクトを実施するためには、オープンソースプロジェクトというものが必要です。そして許諾的ライセンス環境というものが必要であります。それは営利、そして非営利の活動の両方に当てはまるものであります。組織がツールを無料で使うことができるという場合もありますし、また商業的なベンダーであるならば、それを使って、そして商業的な製品として売ることもできるわけです。できるだけベンダーにとって中立的なアプローチを取ろうと心がけています。つまり標準規格を使おうとしています。またクロス・プラットフォームソフトウェアを開発しようとしています。

この戦略を使うということで、この数年間の間に、コンソーシアムでは包括的なツールが作られました。これはインタラクティブなオーサリングツール、それから自動的なオーサリングツール、それから規格にそったコンテンツかどうか検証できるツールなどあります。そしてまた、プレイヤーも作られました。現在はAMISと呼ばれているプレイヤーです。

資料11

資料11のテキスト

それではまず自動的なオーサリングソリューションについてお話をしていきたいと思います。これはDAISYのPipelineプロジェクトとして、現在開発されているものであります。このDAISY Pipelineプロジェクトの主な目的は、完全に自動的な処理をしようということです。つまり一つの入力フォーマットから別の出力フォーマットに転換ができるように、自動的に変換できるようにするということが我々の目的の一つです。

資料12

資料12のテキスト

資料13

資料13のテキスト

DAISY Pipelineにおいては、実際にシーケンスが行われています。つまりPipeline型変換でモジュール方式で適用されているのです。そして非常に幅広いインプットとアウトプットのフォーマットをサポートできるようになっています。これはユーザーの要望に応えられるようにということです。

それから幅広いオープンフォーマットをサポートできるようになっております。シングルソースマスター・アプローチというものを促進しております。これは他の3人の方がお話になりました。そしてシングルソースマスター・アプローチをとることによりまして、XMLドキュメントを使って、いくつかの出力フォーマットを作れるというふうに思っています。つまりDAISYブックやあるいはDAISY 4オーサリングインターチェンジフォーマットのようなシングルソースマスターとして使うことができるDAISY XMLというものを使用すれば、自動的にいろいろな出力フォーマットができるというふうに考えているわけです。E-PUBやDAISY 4、オーディオブック、あるいは点字、あるいは大活字のようなもの、PDFでさえも作れるというふうに期待しているわけです。

そして最後に、これはとても重要ですが、Pipelineにおきましては、拡張可能でカスタマイズ可能なものをということで目指しています。どの組織でもそれを拡張したいというニーズがあるのであれば、それができるようにするということです。また、自分たちのニーズに合わせていろいろな組織がカスタマイズできるようにすることを目標の一つとしております。

資料14

資料14のテキスト

Pipelineですが、これはもう確立されたソリューションであります。このプロジェクトは2005年に、このプロジェクトが立ち上がり、2007年にリリースされました。そして、既にDAISYのコミュニティでは幅広く使われております。多くのメンバーが活用しております。変換タスクなど、現在Pipelineで使われておりますものは、DAISYの各組織で開発されたものもたくさんあります。そしてこのプロジェクトは大きなシステムに統合されてきました。Pipelineは、自動的なプロダクションツールにも統合されますし、またサードパーティのプロジェクトにも統合することができるわけであります。もう既にMicrosoft の「Save as DAISY」というプロジェクトがありますけれども、Pipelineの「Lite バージョン」で使用することができます。

資料15

資料15のテキスト

資料16

資料16のテキスト

ソフトウェアの開発は、何でもそうですけれども、いつも前進するばかりではなく、少し後退することもあります。と言いますのは、新しい技術というのがどんどん出てくるからです。今は、将来に向けての準備をしなければならないということで、Pipeline2という次世代のプロジェクトを進めなければいけない時代が来たと思っております。これは基本的な再設計ということであります。中心的なエンジンフレームワークの再設計ということであります。そして企業レベルのソリューションを目指しております。また標準規格を適応しております。W3C XProc、XSLTなどを使用した中立的なプラットフォームに焦点をあて、こういうメインストリームのものを使って、操作性というものを改善したいというふうに思っております。

また、DAISY 4オーサリング・インターチェンジ・フォーマットのレファレンス実装を初めて行うことになると思います。そうすることで、Pipeline2と、これからのDAISY 4の改訂とを統合したいというふうに思っております。DAISY 4のスタンダードができました時には、コンテンツを製作するツールもそろっているようにしたいというふうに思っています。

またDAISY 4の製作、これはシングルマスター・アプローチになるかと思います。そうすることによって、そこから様々なフォーマットが製作できるようになります。そしてPipeline2のプロジェクトの目的の一つですが、これはEPUBをよりサポートできるようにしたいと思っております。

そして追加的な機能も考えております。例えば点字や、TTS(合成音声)ベースのオーディオブックの製作も追加的にできるようにと考えているのです。

そして二つの開発フェーズがあります。最初の段階では、これは2010年の5月から2011年の9月にかけて、この間に中核的な再設計を行います。そしてDAISY 4のオーサリング及びインターチェンジのサポートを行います。そして第2段階では、2011年9月から2013年の9月までの間に機能の拡張と、それからデプロイメントオプションの拡張を行う予定です。

またワーキンググループも作っています。点字図書の製品、あるいはTTSベースの製品ごとにワーキンググループを作っています。そして最後に、いくつかのデプロイメント・オプションも考えています。ソフトウェアをコマンドラインツールとする、あるいはWebサービスAPIにするなど、どこからでも使えるようにし、また、Webアプリケーションも開発しようと考えております。いろんな組織でPipelineの設置ができるようにすることを考えています。またライトウェイトユーザーインターフェース、これは第三者のアプリケーションと統合できるようにということです。

資料17

資料17のテキスト

それでは、インターアクティブ・オーサリング・ソリューションということで、我々が開発したものを見ていきたいと思います。

最初に、Obi(オビ)という、音声録音ツールです。これは音声のみの図書を製作できます。これはナビゲーションの目次があり、基本的にいくつかのユーザーインタフェースからなっております。それぞれが、いろいろなオーディオチャンクを示していて、そこを使って編集ができるようになっています。

資料18

資料18のテキスト

Obiですが、音声のみの図書でありますのでテキストは入っておりません。そして非常に使いやすいものであります。最小限の研修で使えるようになります。そして完全にアクセシブルなWindowsアプリケーションでありまして、いくつかの言語でも使うことができるようになっています。また今、多くの組織が非常に使いやすいということで評価してくれています。

資料19

資料19のテキスト

それからもう一つのインタラクティブなソリューションですが、これは「Tobi(トビ)」と呼ばれています。これはアクセシブルなマルチメディアフォーマットを製作するためのツールであります。Tobiは、テキストとオーディオを同期化させることのできる製作ソフトです。

このソフトはDAISYのXMLとEPUBのインポートをサポートします。また、DAISY 3ドキュメントに対してもアクセシブルであるということです。このソフトも完全にアクセシブルなWindowsアプリケーションであります。

また、新世代のモジュール方式の製作ツールとなっております。テキストとオーディオが同期化できるのです。このソフトウェアの開発プロジェクトを、DAISYコンソーシアムで進めてますが、これらは本当に強い協同的なアプローチに沿って実施されております。そうすることで私たちは質の高いツールを開発できると考えています。そしてさらには、アクセシブルなコンテンツの有用性が、活字を読めない人たちにも提供できることを希望しております。どうもありがとうございました。