パソコンで録音はどうするの?
前提
パソコンを使った録音は、難しいものではありません。適した機種を選び、録音環境を整えることが、必要なことがらです。
ノートやスリムタイプのテーブルに設置するタイプは、HDDや本体がマイクと同じテーブルで近くに設置されますから、不向きな録音スタイルです。また、ノートのサウンド・カードが不良の場合は、取替えができませんから、機種によって録音できない状態のものもあります。USBのサウンドカードを使うことが不可能な機種もあります。
床に設置して、ディスプレイとキーボードをテーブルに置くスタイルをお薦めします。ただし、冷却ファンの音の静かなパソコン、または冷却ファンをサイレントタイプに交換することをお薦めします(一個、2000円程度です)。
カセットの録音準備
1.カセットテープをセット
2.テープスピードの選択
3.モードの選択、ドルビー選択
4.録音レベル調整 「0dB」
5.録音スタート
Sigtuna DAR 3 の録音準備
1.メイン画面を起動
2.サンプリング周波数選択
3.録音モード モノ/ステレオ
4.キャリブレーションで録音レベル 「-6dB」 10秒の測定
5.録音スタート
結論
カセットの場合とSigtuna DAR 3 を使って録音する手順を1~5まで比較してみました。
準備すべき手順はほとんど変わりがありません。カセットでの録音とパソコンでの録音は、録音である以上「同じだ」ということになります。
メイン画面でのキー操作
録音の操作はマウスよりもキーで操作することをおすすめします。スペース・キーのスイッチングで音の出ないキーボードに交換するとよいでしょう(2000円程度)。
録音
●開始 CTRL+スペース
●テキスト移動 CTRL+T (シンクロさせるテキスト個所の移動)
●停止 スペース
再生
●開始 スペース
●停止 スペース
見出移動
●↑ または ↓
イベント移動
●CTRL+→ または CTRL+←
※ 赤い印の付いたキーだけで録音・再生など基本操作ができてしまいます。
ではパソコンで録音をはじめましょう。
Sigtuna DAR 3 の録音
A.ToCのみの図書の場合
1.メイン画面を起動
2.メニュー→新規を選択
(以後はマニュアル 5 ToCのみの図書を作る参照)
3.メニュー→オプション→録音設定を選択
(以後はマニュアル 7-1~7-1-4参照)
4.録音スタート(NCC(見出し)を指定します。)
5.CTRL+スペースで読み始めます。
6.間違ったらスペースで停止します。
7.読み直しのところにもどって、スペースで再生をし聞きなおしをします。
8.間違ったところにもどって、CTRL+スペースで読み始めます。
9.見出しが準備されていないときは、
メニュー→編集→新しいNCCアイテムの追加→見出しの追加をします。
10.見出しが準備されていれば、次のNCCを指定して録音を進めます。
B.シンクロされた図書の場合
1.メイン画面を起動
2.メニュー→新規を選択
(以後はマニュアル 6 シンクロされた図書を作る参照)
3.プロジェクトが開いたら、
NCCファイルのツリー構造表示にある「+」をすべて開きます。
4.録音スタート(NCC(見出し)を指定します。)
5.CTRL+スペースで読み始めます。
6.CTRL+Tでテキスト移動をします。(spanタグをつけたところが反転します)
7.間違ったらスペースで停止します。
8.CTRL+←で間違ったテキストのひとつ前に戻し、
CTRL+→で訂正個所のテキストを表示します。
9.CTRL+スペースで読み始めます。
10.「↑」または「↓」でNCCを指定して録音を進めます。
A・Bの録音が終わったら
1.メニュー→ツール→編集画面を出します。
2.原本を見ながら自己校正をします。
3.間違っているところがあれば訂正をします。
4.メイン画面に戻って、訂正箇所のイベント番号を確認して、挿入または上書きを選んで音声の訂正をします。
5.編集画面に戻って校正をすすめます。
※メイン画面と編集画面の切り替えをするとき、ゆっくり切り替えましょう
(見えないところで、SMILが書き換えを行っています。)
6.すべてのプロジェクトの整理をして音訳終了です。
図書作りは共同作業
図書作りは音訳・校正・編集者が一体となって行うものです。
音訳するときに、こんな心遣いをしてみましょう。
1.録音ボリューム
録音ボリュームはキャリブレーションをしたときに設定されています。
しかし読みすすめていくうちにレベルオーバー、又はレベル不足になってしまいます。
黄色や赤が出たり、-9以下になったら、ボリュームを下げるか、マイクの位置を工夫するなど一定の音質を保つようにしましょう。
レベルが見えない初心者は止めてレベルの確認をするとよいでしょう。
(※1)
2.口中音
雑音として一つ一つつぶしていかなければなりません。気がついたら口中音の出ないように注意して録音しましょう。
(※1)
3.ポップ・ブロー
ポップ・ブローも音質補正で直しますができれば音訳者が気をつけたい分野でしょう。 (※1)
4.マルチメディア図書の場合、イベント移動をします。
読み終わった後すぐに移動しないで、次への読み出しの「間」をここで使って次に移動します。(※2)
5.マルチメディア図書の場合、文字の間違いやテキストの抜けたところは、原本にポストイットなどを貼って編集者にわかるようにしましょう。
(※3)
6.ToCのみの図書の場合
NCC(見出し)の書き込みをしますが、目次をスキャナーなどでとってhtml化して目次(ToC)の挿入をしましょう。
(※4)
※共同作業
1 音質補正に時間を取られないで編集ができます。
2 音訳者が作った読みのリズムを保つために、次のイベントの無音を切り取って前のイベントのしっぽに貼りつける作業のなんと大変なことか。(経験してみましょう)
3 多くの人の目を通ることで間違いが見つかります。ぜひ実行してください。
4 ちょっぴり編集者の気分。
いかがですか?パソコンで録音。テープで録音するよりずっと簡単でしょう。
以上のことから、音訳者も編集技術講習会があれば受けておかれることをお勧めします。