音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

講師プロフィール

河村 宏(かわむら ひろし)
DAISYコンソーシアム 会長

  • 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 特別研究員
  • NPO法人支援技術開発機構副理事長
  • DAISYコンソーシアム会長
  • IFLA/LBS常任委員
  • GLADNET理事
  • 国連GAID戦略委員会委員
  • 世界盲人連合国連委員会委員
  • JICA 障害分野支援委員

1970年から1997年まで東京大学総合図書館に勤務。(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長および国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部長を経て現在にいたる。すべての人が共有する知識と情報のデザインを追及し、情報アクセス権と著作権の調和を目指した活動に取り組む。また、ソーシャルインクルージョンの立場に立ち、障害者・高齢者の災害に対する事前の備えへの情報支援と国際協力に力を注いでいる。

渡部 テイラー 美香(わたなべ ていらー みか)
米国モンタナ大学障害学生サービス部コーディネーター

2001年モンタナ大学大学院カウンセリング学科専攻修士課程卒業。2002年より現職。障害学生への相談対応、合理的配慮、サービスの提供を行う。現職のかたわら現在同大学大学院教育博士課程在籍中。Association on Higher Education And Disability(AHEAD)の活動をさらにグローバル化するための委員会メンバー。読み障害のため、アシスティブテクノロジー、DAISYを含む代替図書を利用。

井上 芳郎(いのうえ よしろう)
NPO法人全国LD親の会

  • NPO法人「全国LD親の会」事務局員
  • 親の会「けやき」副会長・広報担当
  • 日本LD学会広報委員
  • 障害者放送協議会著作権委員会委員長 など

全国各地の約50の会が参加する「全国LD親の会」事務局員として、文科省、厚労省などへの要請活動や、日本LD学会をはじめとする学術団体等の協力を得て、広く社会一般へのLDに関する理解・啓発活動等に従事。最近はLD等の人たちの情報保障や著作権法改正に係わる活動にも取り組む。

【講演内容概略】

この1月1日から著作権法が改正され、発達障害等も権利者に無許諾で著作物の複製やインターネット送信できる対象者となった。特に複製については「障害者等が利用するために必要な方式によりできる」ことになり、デイジー方式が可能となり、デイジー図書普及の対象範囲が広がることとなる。また著作権法改正で国会図書館所蔵資料のデジタル化が原則可能となった。全国のデイジー図書製作者のネットワーク、全国の公共図書館・情報提供施設等をつなぐネットワーク等の早期構築が望まれる。

寺島 彰(てらしま あきら)
浦和大学 総合福祉学部 教授

大学で障害児教育を学び、視覚障害者更生施設のソーシャルワーカーとして16年間勤務。その後、厚生省(現厚生労働省)障害福祉専門官、国立身体障害者リハビリテーションセンター国際協力専門官、同センター研究所障害福祉研究部社会適応システム開発室長、同研究部長を経て現職。

研究テーマは、障害者福祉政策と福祉機器を活用したソーシャルワーク。ソーシャルワーカー時代から福祉機器を活用してのソーシャルワークを実践し、必要に応じて、自ら福祉機器の開発も行った。継続して障害のある人々の福祉機器活用を支援するボランティアを行なっている。

【講演内容概略】

高等教育における教科書のDAISY化の必要性

高等教育を受ける障害学生は、ますます、増えてきている。しかし、視覚障害のある学生や発達障害のある学生にとって、教科書にアクセスできないという問題がある。また、聴覚障害のある学生にとっては、ビデオなどの教材にアクセスできないという問題がある。高等教育における情報アクセスは、初等・中等教育と同様の量的な問題と即時性の問題に加えて、専門書の音声化、点字化、文字化、手話化など質的な問題をかかえている。義務教育における教科書提供体制整備後は、その確立の発展形として、高等教育におけるテキストのデイジー化等が必要である。

田中 和美(たなか かずみ)
元公立中学校特別支援教育コーディネーター

  • (元)公立中学校教諭 市特別支援教育研究部員 特別支援コーディネーター
  • (現)特別支援教育士 教育相談 電話相談員
  • 「奈良デイジーの会」・「のびのび先生サークル」会員

【講演内容概略】

マルチメディアデイジーは、読みの困難なLD・広汎性発達障害・聴覚障害・軽度知的障害の生徒にとても役立ちました。自立は、大切なキーワードですが、学習の自立という観点からマルチメディアデイジー教科書は有効なツールです。その利用者が増えていること自体が、有効性を物語っています。マルチメディアデイジー教科書を必要な生徒に届けたい、それは生徒のこれからの豊かな生活にも繋がるはずです。

石井 みどり(いしい みどり)
横浜市立盲特別支援学校 図書館

  • 横浜市立盲特別支援学校 図書館司書
  • 日本図書館協会 障害サービス委員会委員
  • 全国学校図書館協議会 会員
  • 日本国際児童図書評議会 会員

学生の頃から日本点字図書館の音訳・点訳ボランティアを始める。1981年より横浜市立盲学校(現 横浜市立盲特別支援学校)に勤務。1998年横浜市立聾学校(現 横浜市立ろう特別支援学校)に異動。手話を学ぶ。2003年に盲学校へ戻り、現在に至る。

「すべての人に読書の喜びを」「絵本を介して子育ての楽しみを」を日々の活動の原点としている。

【講演内容概略】

見えない・見えにくい児童・生徒に対するデイジーによる支援

  1. 対象
    1. 今まで、慣れ親しんできた「カセットテープ」に替わる物としての通常の録音図書
    2. まだ点字が早く読めない児童・生徒
    3. まだ墨字をきちんと読めない児童・生徒
    4. 点字も墨字も読書の手段にはならない児童・生徒の媒体
  2. 機器の使い方・編集等の講習会の開催
  3. 他に 機器の貸出、機器の紹介・手続き、「読み聞かせデイジー絵本」の作製を行っている。教科書が課題である。

野村 美佐子(のむら みさこ)
財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長

  • (財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長
  • IFLA/LPD(印刷物を読めない障害がある人のための図書館サービス分科会)常任委員
  • IFLA/LSN(特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会)通信委員
  • 日本図書館協会障害サービス委員会委員
  • ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業実行委員

国際電信電話会社(KDD)に勤務の傍ら、赤十字語学奉仕団に入団し、1987年から12年間ボランティア活動に従事。その間、障害者に関わる国際会議支援、英語版「アクセシブル東京」の編集、「Travel for All」のセミナーを企画・実施。1998年に(財)日本障害者リハビリテーション協会に入会。情報センターで障害者の情報のアクセスに関わる情報収集、ウェブでの提供(www.dinf.ne.jp)に従事、2001年より認知・知的障害者を対象としたマルチメディアDAISYの研究・普及に取り組む。2004年6月から2007年5月まで、アジアでのDAISYを普及するDFA(DAISY for All)プロジェクトの事務局を担当。2006年には、バリアフリーなLL本(読みやすい本)の日本語版「赤いハイヒール」製作プロジェクトチームを立ち上げ、当協会からDAISY CD-ROM付き書籍版を出版。現在はDAISY版教科書の普及にも力を注いでいる。2007年7月より情報センター長。

【講演内容概略】

2008年9月施行の教科書バリアフリー法をきっかけとして、神戸のLD親の会「たつの子」の児童・生徒に小中学校のDAISY版教科書製作・提供を始めた。2009年からは出版会社のデータ提供が開始され、9つのボランティア団体からの協力を得て希望者は急激に増加していく。現在の提供数は310に達した。本講演では、2009年末に提供者(その親、先生)に行なったアンケートをベースとしてDAISY版教科書の取り組みと成果、今後の進め方に焦点をあてる。