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シンポジウム「デイジー教科書の現状、課題、そして将来に向けて」

グループごとのテーマについての発表
テーマ:デイジー教科書の現状・課題・将来について

Eグループの発表

Eグループでは、実際にお子さんが障害をもたれている方がいらっしゃって、その方の事例を中心に話しました。

小学校までは拡大教科書を支給してもらっていたそうですが、それもかなり入手の条件が厳しく、ぎりぎり入手できた状況だったようです。中学校になったときに、その条件がうまく通らずに手に入らなくなってしまったそうです。その上、拡大教科書が大きすぎて重く持っていけないという問題からデイジー教科書を使うようになったということです。

繰り返し自分のペースで聞けたり、図やグラフの拡大が容易になったりして、わかりやすくて授業に参加できるようになった事が良かったとのことでした。クラスで使うのに、普通学級だったが、周りの方の理解もあり、友達もサポートしてくれてとても助かったということです。

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別の事例として防犯用の教育教材として、デイジーを製作したり、また、特別支援学校でiPadの導入が進んでいるという話も出ました。

このように使われてきてはいますが、いくつか操作上の問題があります。まず、読み上げです。特に数学の読み上げで日本語と数式の英語がまじるところが聞きとりにくいです。例えば、「x=○○」とかの「x」とか、y軸の「y」といったところが聞き取りにくいということがでました。

いろんな本を参照しているような場合、例えば社会の教科書と地図帳というときに、教科書を見て地図のどこどこというときに、切り替えに手間取ってしまうというお話が出ました。

またタブレットに関しては、「Surface」は繊細すぎてちょっと手が不自由な子には使いづらいということもありました。

また、学校で使うには、周囲の理解を得るまでが大変で、学校が知らないという状況が多く、自分から説明していかないと、なかなか理解してもらえないというのが一番大変という話もありました。

教科書はボランティアの方が作ってくださったりして何とかなっているのですが、一番大変なのはテストです。特にこれから高校受験を控えているとき、高校で読み上げのテストや入学後のサポートができないということで、入る高校がないというご心配をされている方もいらっしゃいました。

これから先、2016年に差別禁止法が始まるので、そのときに合理的配慮としてデイジーでの入試や、他の方法での入試が始まる可能性はありますということでした。

提言としては、読み障害や、いろんな障害を持っている子どもがいて、この児童たちに対して、いろんなアプローチの仕方がありますよということを周りの人に知って欲しいということです。

あとは先生が、一番重要なのはテストだと思いますが、教材とかは先生でなくても周りの人が作ってあげられると思うのですが、テストだけは他の人に見せるわけにはいかないので、先生自身が作れなくてはいけないので、やはり先生が作りやすいものが必要ということでまとまりました。以上です。