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Opening Remarks

開会挨拶

湯澤 茂男((財)日本障害者リハビリテーション協会 事務局長)

皆さん、おはようございます。日本障害者リハビリテーション協会の湯澤茂男と申します。本日は国際シンポジウム「読む権利に関する国際会議」にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

日本障害者リハビリテーション協会では、障害者のアクセシブルな情報支援技術として、DAISYの開発・普及に1998年から取り組んでまいりました。最初は視覚障害者を対象としておりましたが、今日では視覚障害をはじめ知的障害、発達障害ならびに精神障害など、様々な障害のある方々が情報や知識を得るための有効なシステムとなりました。今や世界50ヶ国以上の会員で構成するDAISYコンソーシアムによりまして、国際的に開発と普及が進められております。日本では現在、障害のある人も共に生きる社会において、基本的人権の一つとして「読む権利」、いわゆる「情報保障」という言い方を皆さんはしておりますが、これが盛り込まれている国連障害者権利条約、この批准に向け、障害者関連の国内法の見直しあるいは整備を進めるべく、多くの障害当事者参画の下に、議論、検討がなされております。

昨年1月に施行されました著作権法の改正によりまして、障害のある人々の読書環境が大きく改善されました。電子出版技術を国際規格化したDAISYの活用によりまして、様々な読みの障害のある人々の「読む権利」が、図書館はじめ関係機関、関係者の力によって保障される方向で急速に高まってきております。本シンポジウムでは、様々な読みの障害のある人々の支援を進めるために、第一人者であります河村先生に基調講演をいただき、また海外から、その研究・開発など最前線でご活躍いただいております専門家の方を招聘いたしまして、ご講演をいただくとともに、パネリストと講師の意見交換を行いながら、世界の国々でのDAISYの活用例、行政と業界、先進的な事例などを学びながら、日本におけるDAISYの活用と今後の方向について理解を深めてまいりたいと思っております。

最後に、講演者そしてパネリストの方々には、このシンポジウム企画に当たりまして、快くお引き受けいただきましたことに御礼を申し上げるとともに、シンポジウムが参加者皆様にとりまして実りあるものになりますよう願っているところでございます。なお、本シンポジウムは、大阪府民共済生活協同組合様並びに全国労働者共済生活協同組合連合会様のご支援をいただいて開催する運びとなりましたことをご報告し、お礼を申し上げまして、簡単ですが開会の挨拶とさせていただきます。今日一日、どうぞよろしくお願いいたします。