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国際セミナー
「防災のユニバーサルデザインとDAISYの役割」

【東日本大震災の教訓と被災者への知識アクセス支援の課題】

人と防災未来センター 主任研究員 宇田川真之

スライド1 (スライド1の内容)

人と防災未来センターの宇田川と申します。

話の内容は初めに阪神・淡路大震災と東日本大震災の教訓、その後に障害のある方の情報アクセスの問題についてお話ししたいと思います。

スライド2 (スライド2の内容)

スライド3 (スライド3の内容)

まず私が所属します人と防災未来センターですが、阪神・淡路大震災を契機にできた機関になります。一番の仕事は、17年前の神戸の地震の記録を残すということをしています。当時の市民が書いた日記であるとか写真がなくならないように収集して保存しています。かつ、展示をして、お越しになった方々に、神戸の地震がどんなものだったかをお伝えしていくことを一番の仕事にしています。展示以外に、語り部さんといって当時、地震を体験した方が直接お話で語るということも行っています。

スライド4 (スライド4の内容)

どんな資料を収集しているかといいますと、例えば阪神・淡路大震災当時、地震があった後に被災したろう者が、手続きを役所でしようと思っても手話通訳のいない役所では手続きができませんでした。そういったこともあり、どこの役所に手話通訳がいますよということをボランティアの方々が手書きの新聞を作って配っていたのです。わら半紙の手書きの新聞です。そういった資料をなくならないように保存しています。あるいは視覚障害者の方にとっては紙の墨字では読めませんので、点字に起こしたものをボランティアの方々が配っておられました。こういった貴重な資料がきちんと後世に残るように、神戸の地震で見えない方や聞こえない方、あるいは足腰の弱い方にとってどんな困ったことがあったかをわかるように記録を残しています。

最近は障害のある方々の問題についても力を入れております。先ほど、語り部さんが実地体験を言葉で語って、お子さんに伝えていくという話をしました。言葉で伝える方法ですと聞こえない方には当然わからないわけですが、最近、地域のろうの団体さんが手話で自分の震災体験を語る動画を作られてDVDにされています。こちらにお願いをして、館内で流すようにしたいと準備しています。そうするとろうの方は手話の語りで震災のことを知ることができるようになります。

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スライド7 (スライド7の内容)

他にもさまざまな障害、肢体不自由の方、内部障害の方、それから知的障害のお子さん、それぞれ震災にどう備えたらいいかということがあります。そうしたマニュアルをすべて日本各地から収集して保存するということを行っています。お越しいただければ、資料室にありますのでご覧いただける状態になっています。

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こうした資料の収集・展示の他にシンポジウムを行っています。これは3年前に地域の聞こえない方、見えない方、知的障害のお子さんに集まってもらって防災について話し合ったシンポジウムです。このときに今日お越しの河村先生にファシリテーターをお願いしまして、そのご縁で今日は私がお邪魔した次第です。

スライド9 (スライド9の内容)

スライド10 (スライド10の内容)

スライド11 (スライド11の内容)

スライド12 (スライド12の内容)

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我々は神戸の人間ですから、知識のベースは17年前におこった阪神・淡路大震災になります。その教訓としてさまざまありましたが、まとめられた考え方としては、震災に備えるには三つの要素があるとまとめられています。

一つが、自分たちで頑張るという自助というもの。二つが、自分だけじゃなくて地域のみんなでともに頑張る共助というもの。三番目が、それを支える行政機関の公助というもの。この三つをバランスよくやっていこうという考え方があります。この三つは、どれかがどれかに責任を押しつけ合うというものではなくて、三つがちゃんと仲よく協調し合ってやっていきましょうというものです。

これが、阪神・淡路大震災の教訓でした。

スライド14 (スライド14の内容)

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事務局からいただいた東日本大震災の教訓というものがあります。東日本大震災の場合には津波が特徴的な災害でした。

東北地方は昔から津波が何度も来ている地域ですので、地域の方はある程度、津波については心構えができていました。けれども今回の津波はそれ以上に高い津波が来てしまったことに特徴があります。

画面上に東北の地図とそれに沿った2本のラインが出ています。縦軸が津波の高さを表現していまして、下に見えているラインが事前に想定していた津波の高さです。こんな津波が来るのではないかと予想していた高さになります。それに対して実際来てしまった高さが上のラインです。つまり備えてはいたのですが、予想以上に来てしまったという状態になっています。その結果、津波がどこまで陸に上がってきたかというのが、これも予想より奥まで来てしまったわけです。これはある町の、事前にここまで津波が来るだろうと備えていたラインと、実際に来てしまったラインの比較です。備えていたよりも非常に奥まで来てしまったという状態になっています。

スライド16 (スライド16の内容)

スライド17 (スライド17の内容)

スライド18 (スライド18の内容)

こんな東北地方で、住民の方に津波が来たときにどのように行動しましたかという調査を国が行っています。

そうすると、東北地方の方は、地震の揺れがあった後に多くの方が津波は来ると予想していらっしゃいました。その理由を聞くと、多くの方が答えた理由としては、地震の揺れが大きかったから、そして自分の今までの経験や知識から津波が来ると思った。それから、昔からの言い伝えなどを思い出して津波が来ると考えた。つまり、揺れを感じて、揺れがあったら津波が来るということを事前に知識として知っていた。だから津波が来ると思ったと言う方が非常に多くなっています。この次に多いのが、二番目の津波警報を聞いたからというものになります。

これは気象庁が、津波が来そうな時に出す情報になります。グラフは岩手県、宮城県、福島県です。福島県の場合、東北の中では最近津波がなかったものですから、アンケートを見ると知識から津波が来ると思った人はあまり多くなく、むしろ警報に頼っている方が多いという状況です。

スライド19 (スライド19の内容)

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教訓を言いますと、今日のテーマでもある知識の習得ということに関しますと、事前に揺れがあったら津波が来るということをちゃんと知っておくのが非常に大事だということになります。しかし、過去の体験だけにとらわれてしまいますと、かえって危険な場合があるのです。先ほど、東北の皆さんは津波が来るとは思ってはいましたが、ここまで来るとは思っていなかったという状況があります。そうすると事前の知識、揺れたら津波が来るという知識は大丈夫ですけれども、それに加えて、緊急時の情報をちゃんととるということが大切になってきます。あるいは自分の知っている体験だけでなく、もっと大昔のことまでちゃんと勉強し、知識を取得する。この二つが大事だということが教訓と言えると思います。

今日のテーマである知識の習得ですが、災害の情報というのは三段階に分かれます。

一つが今日の主たるテーマである事前の知識の習得という段階です。

二番目は災害が発生した段階の緊急的な情報です。

三番目は災害が起こった後の生活の情報、避難所での生活であるとか、これからどんな町に作り直していこうかということを健常者の方と同じように、住んでいる町の情報を当然知るということです。またその保障の問題。このように三段階に分かれています。

この三つの種別についてご紹介していきたいと思います。

まず最初に、災害が発生した段階での情報についてお話したいと思います。

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日本では津波が来そうなとき、大雨で川があふれそうなとき、役所の方から市民の皆さんに警報が出ますが、多くの場合、サイレンであったり、防災無線のような音声であることが多いです。ですが、これでは聞こえない方にはわからないという問題があります。そこで例えば淡路の聴覚者の方々は津波が来るとき、津波がやってくるということをその場で大急ぎで手書きでファクスするということをやっています。けれでもこれではその場所で、手で書いていますので、時間がかかります。これでは遅いので、現在、もっと早くできるようにあらかじめテンプレートを作ろうという取り組みを進めています。やさしい日本語と絵で、津波が来る、家が流される、だから高いところに行ってくださいということがわかるような絵を作っています。今は聞こえない方を対象にしていますが、例えば日本語にあまり詳しくない様々な方に対しても有効ではないかと考えております。

スライド22 (スライド22の内容)

また、このような作業は決して発信する人たちだけでは作りません。情報を受ける当事者の方々と情報を発表する方々、あるいは絵を描く方々、みんなが集まって話し合いをしながら作っています。

スライド23 (スライド23の内容)

スライド24 (スライド24の内容)

実は既に洪水の場合の絵と文字については完成しています。去年の台風のときには、ある市役所が実際に市内のろうの方に公式情報としてこのファクスで情報発信をしてくださっています。

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この活動で大事なことは、災害危険時の情報保障でもありますが、それと同じくらい、あるいはそれ以上大事なことは、あらかじめ、地域の当事者の方と情報を発表する方が集って話し合いをするということなのです。すると、当事者の方は災害時にはこんな情報が来るんだ、こうしなくてはいけないんだと知ることができているのです。

現在私たちは、一番情報が届きにくいお年を召したろうの方にちゃんと届けることを主目的にしているので、ファクスや絵を使っていますが、恐らく時代が進めばDAISYのような、それがオンラインで出るとか、そういったことにつながっていくのではと期待しています。今、ここに人の絵が描いてありまして、ちゃんと気象情報を見ましょうということを伝えていますが、この手の操作は手話で見るということを表現しようとしています。こういったことも動画で伝えられたらよりわかりやすくなるはずです。ですからDAISYが平常時の啓発情報のメディアから発展して、よりリアルタイム性が高くなったらこういったものがリアルタイムに届けられる時代が来るのではないかと期待しています。そのときにはこのイラストは手話や動画になるかもしれません。

こうした取り組みをしていますと、ある聴覚障害の方たちの集いのことですが、そのときも難聴の方がおられたので要約筆記が入っておられました。そのときの彼らが主張していたのは、「聴覚障害の方々は災害危険時に情報が取りにくいので、危険にさらされることがあります。」しかし、一方で、「しかし情報を早くもらえれば、私たちは体が動くので周りの人たちを助けることができます。」とのことです。情報さえもらえれば、私たちは誰かを助けることができるのですと、難聴の方がおっしゃっています。自分たちが情報を欲しいのは、もちろん自分たちが助かりたいこともありますが、同時に誰かを助けるという権利も保障してほしいから情報保障を求めているんですということをおっしゃっていました。これが災害発生時の情報保障の話です。

次に、事前の情報の取得の話をしたいと思います。

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これから日本で非常に問題になる見通しのことがあります。それは、今回の東北の地震を受けまして、今後、東海・東南海地方で同じような地震が起こるのは確実と言われていますので、国で、その地震が起きたらどんな津波が来るかを、今、一生懸命計算しています。8月下旬に公表される予定で、和歌山や静岡や愛知など、どれくらいの津波がやってくるかということが公表されます。そうすると今度は愛知、静岡の市町村ではうちの町はここまで津波が入ってきますといった詳細な地図を作って町の皆さんに配っていきます。

しかし、問題がいくつかあります。一つは地図というものは見えない方には全くわかりません。見えない方は、どの場所がどこまで来るかわかっていないのです。しかし、いつも自分が行く何とか福祉センターは大きな揺れがあったら津波が1mまで来てしまうということがわかっていれば、全くわからない場合とでは対応が違うわけです。あるいは仮に新しい町に引っ越そうとした場合、見えない方は聞こえない方と同じように情報取得の問題ですが、移動が非常に困難です。そうするとどこに住むかというのは重要な問題です。けれども地図というものが全く読めないという問題もあるのです。

スライド32 (スライド32の内容)

一つの手法として、触る地図というのを作っている取り組みがあります。これは川が溢れた場合にどこまで水が浸水してしまうかということを布とかテープを貼って町を表現している取り組みです。色合いを赤や緑で表現して非常にどぎつくしていて、弱視の方でも見やすいように工夫した地図です。こういった地図の取り組みが一つ。

スライド33 (スライド33の内容)

最近、さまざまな問題があり、僕や何人かが有効だと考えているのがDAISYを使う方法です。音声DAISYになりますが、音声DAISYで視覚障害者に地理情報を伝えるという取り組みになります。視覚障害者の方に話を聞きますと、とりあえず一番知りたいのは自分たちが住んでいるところはどうなるか、あるいはよく使う駅や施設がどうなるかということになります。何丁目ならどうなるか、交通機関で何とか駅なら何メートルになるかといった電話帳のようなものがあれば便利じゃないかという話になりました。それを普通の録音テープや点字で表現しようとすると、非常に検索性が悪いわけです。そこでDAISYです。構造がありますので、電話帳のように、公共施設で探す、よくいくショッピングセンターで探すということも出来るのです。1章、2章、3章と下っていって、ダイエーか、イトーヨーカドーか調べようとするには、DAISYは構造がありますので非常に便利になります。

【DAISYの音声】

スライド34 (スライド34の内容)

震度応じた揺れの状況。高知市内の各地域に置ける震度は……

3-1、カミマチ、3-2、コウチマチ、3-3ミナミマチ、ナカノシマ、震度6強以上……

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このDAISY音声は、住所ごとに、そこが震度いくつになるかというものをDAISYで表現したものです。他にも、事前の啓発にDAISYを使うものについては、河村先生がLLブック、本の形であるとか、浦河での防災マニュアルの話をされたと思います。このようにDAISYを使って事前の啓発については大変有効だと考えられています。

スライド36 (スライド36の内容)

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このDAISYによる効果ですが、一つは当然、当事者の方々、浦河では精神障害の方々が知識を持つということもあります。それに加えて大事なこととして、今画面でご覧いただいている写真は防災訓練の様子です。ここに写ってらっしゃる方が当事者の方々ですが、このときはもう一つ、地域の住民の方々も一緒に防災訓練に参加しています。さらにここでしゃべってらっしゃる方、これは行政の方です。つまりDAISYというもので知識を得た当事者の方々が活動していく。最初は自助の活動だったのが、やがて地域を巻き込んで共助になっていき、役所を巻き込んで公助になりました。

知識を得るということは自分の力にもなりますが、それによって地域を変えていく。その力が障害者にもあるという、まさにそうした事例になっています。

スライド39 (スライド39の内容)

最後、災害後の生活情報の話をしたいと思います。これはまさに今なお東北地方では問題になっている部分になります。

災害が起きた後、避難所の生活、障害のある方には非常に過酷です。見えない方にとっては慣れない中で動きます。東北でも見えない方の避難所暮らしは大変で、そこを離脱する方が少なくありません。他の障害でもそうです。透析の方、とりあえず津波は逃れましたが、透析が受けられずに、避難所に数日いたら亡くなってしまったということがありました。非常に過酷な状態になります。

また東北では今、これから町をどう復興していこうかというのがテーマになっています。そうした話し合いや、あるいは行政からの説明などが、多く行われています。こういった情報に当然、地域に住んでいる見えない方、聞こえない方、あるいは移動しにくい方も知る権利もありますし、意見を言う権利がありますが、なかなかそれが難しい問題があります。

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スライド41 (スライド41の内容)

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こうした災害後の地域で何が有効なメディアかと言いますと、昔ながらのラジオがやはり有効なんです。今ご覧いただいているのはアンケートの結果ですが、震災の瞬間、津波警報を何で聞きましたかとアンケートをとりますと、全国的には、多分東京の皆さんとか僕のような関西の人間はテレビが多いです。ところが被災地は全然違います。一番多いのはラジオになります。さらには、災害が起きてその後の東北の状況を何で知っていましたかというと、僕らは普通、テレビで知りますが、現地の方は全く違います。一番がラジオになります。

スライド43 (スライド43の内容)

今日のテーマのICTで言うと昔ながらのメディアではありますが、非常に単純な分だけ災害には強いのです。それだけでなく、もう一つすごくよいことがあります。ラジオはシンプルなので、新しいラジオ局をつくることができるのです。テレビ局をつくるのは非常に大変ですが、新しいラジオ局をつくるのは結構できます。実際、今回東北地方では、ほぼすべての沿岸市町村で災害後にラジオ局が新しくできています。しかもその単位が市町村ごとに1局ずつ作られているのです。テレビでは無理な話です。

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大事なことは、まず市町村ごとにできるので、非常に細かい地域のローカルな情報を出せます。さらに大事なのは、この運営に市民自らが参加できます。手づくりのラジオ局です。この長机が二つくらいあれば、施設は立ち上がります。東京のメディアでは伝え切れないような地域の視点に立って、市民の目線から自分たちの情報を出すことができる、そういうメリットがあります。その中には、生活情報として今日はどこの避難所で炊き出しがあります、罹災証明の発行はあさってから南三陸で始まりますといった、非常にローカルな情報を出すことができます。

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このラジオ局は市民が参加して行います。実際に調査をしますと、多くの地域ではNPOなどの地域の団体、あるいは個人の集まりが運営をしています。

スライド48 (スライド48の内容)

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他の地域との連携も進んでいまして、関西に視覚障害者向けの専用ラジオ局があります。日本福祉放送と言いますが、そこでは被災地のラジオ局と提携して被災地で行っているラジオ放送の中身を全国の視覚障害の方に発信しています。

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あるいは神戸の長田区に「FMわいわい」という局があります。この方々は被災地のマイノリティの方々に情報発信を支援しています。東北ではフィリピンなどからお嫁さんがいらっしゃっています。そういう方々は障害のある方と同じマイノリティです。こういう方の声はなかなか発信できません。大きいメディアではとても無理ですが、こういう方々が地域のラジオであれば自分たちの声で発信できます。この様子はYouTubeでも見られます。

その中に書いていますが、「日本に住んで日本人のようになることではなく、フィリピン人として自分たちの言葉や文化、習慣に誇りを持ちながら、この気仙沼という町で日本人の家族とその文化や習慣を引き継ぎながら生きていく」ということが書いてあります。そういった地域のマイノリティの声をしっかりと発信できるということがラジオの一つの魅力になるかと思います。

スライド52 (スライド52の内容)

スライド53 (スライド53の内容)

これを支援した「FMわいわい」ですが、私も一緒に何度も活動しています。もともとは17年前の阪神・淡路大震災を契機にできたラジオ局です。ここに「ふつうのラジオ局と違います」と書いてありますが、プログラムが変わっています。例えば視覚障害者が毎週出ます。視覚障害の方の番組があります。あるいは韓国語、在日朝鮮人の方が番組を持っています。その番組が毎週あります。つまり平常時からしっかり地域の障害のある方、マイノリティの方が声を出すことができる空間・時間が確保されています。公共電波の中で行っているのです。こうしたことが平常時にできているところが、災害が起きても恐らく強いと思います。

FMわいわいも17年前、災害後の生活情報の話から始まりました。災害後の支援の情報です。それが今は平常時にしっかり組み込まれています。そこまでいったなら、次の災害のときはこの地域は強いでしょうし、今回話したように東北の支援活動も行っています。

このように、どれかバラバラになっているわけではなく、長い年月をかけてしっかりと地域のマイノリティの方々の声を出す機会をとらえていって、それを確保し、出していく、これが非常に大事だという話でございます。

以上で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

宇田川真之氏の写真