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未来の学習教材 読み書きの障害/ ディスレクシアがある人々のために
要求事項及び潜在的なニーズに関する調査報告

著者によるはしがき

私が知る限り、これまでに読み書きの障害がある人々を対象にした文章に関して、まとまった要求が出されたことはなかった。ということは、今回のこのような要求事項を詳しくあげ、更に読み書きの障害がある人々のニーズをまとめたのは、初めての試みであるといえる。本書は、私、トールビョーン・リンドグレンが自ら著したものだが、これはスウェーデン・ディスレクシア協会(FMLS)の命を受け、スウェーデン相続基金財団からの資金によって運営された“Young People in Focus(若者達のために)"というスウェーデン・ハンディキャップ・インスティチュートのプロジェクトを通じて実現することができた次第である。

この本の執筆にあたっては、スウェーデン・ハンディキャップ・インスティチュート(HI)のハンス・ハンマルンド氏、スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)のアンネ・スティーゲル氏とトーマス・ヨハンソン氏、そしてスウェーデン特殊教育学会(SIT)のビョーン・ニィグヴィスト氏とラーシュ・カールソン氏らが構成する小さな作業グループの協力を得た。また、ラビリンテン株式会社のアンダーシュ・フランケンベリィ氏、ヤン・リンドホルム氏、そしてディアーナ・ヨート氏は、目的にかなったスクリーンリーダーの製作方法や、そのような機器の製作を実現するために利用できる技術の可能性に関する建設的な議論に参加してくれた。朗読・録音を行っている録音サービス株式会社のトーマス・レンダール氏は、録音教材の現状についての更に詳しい情報を提供してくれた。そして、「コンピューターを基礎とした指導」という研究を行ったエーヴァ・スヴェルデーモ氏同様、PISA調査に参加した研究者の一人であるカーリン・タウベ氏は、関連箇所へのコメントを快く引き受けてくれた。本文中の、要求事項とニーズの調査報告については、最初の原稿の段階で、メンバーの大部分が自ら読み書きの障害を持つFMLSの委員会に提出され、話し合いがもたれた。自身が深刻な障害を抱えているソーシャル・ワーカーのインゲル・ローレニウス氏と、特別なニーズがある生徒の教師であるエヴァ・ヴィークランデル氏は、どちらもFMLSの諮問委員会で活動しているが、この二人と、FMLSの事務局員で、自分自身もディスレクシアの障害があるマーリン・スコーグルンド氏が、その後私とともに一つ一つ原稿を見直しする時間をとってくれた。LL財団の読みやすい図書センター(Centre for Easy-to-Read)からは理事長ブロール・トロンバッケ氏と編集者のリスベス・ローゼンシュルド氏が意見を出してくれて、最終原稿を検討する際に参考になった。The Knowledge Foundationの特別なニーズがある生徒の教師であるカーリン・オーリス氏、ストックホルム大学スカンジナビア言語学部の講師ラーシュ・メリーン氏、ストックホルム教育大学のマッツ・ミィベリィ教授、ヴェクシェーのクロノヴェリィ読書発達研究所のクリストファー・ヤコブソン心理学博士、言語療法士のウッラ・フォーレル氏、著述家のスヴェン・レーヴェベリィ氏、そしてFMLSの事務局長であるスヴェン・エークレーフ氏が、コメント作成に関して協力してくれ、エリザベス・オッテルスタッド氏が校正を担当してくれた。

最後のセクションには、スプロ‐カロス(印刷された言葉へのアクセス)プロジェクトにおける私の最も親しい同僚で、言語療法士のボーディル・アンダション氏による、ディスレクシアの分野に関する専門用語と法制度の解説と、読み書きの障害に対するアプローチの提案を付録としてつけた。 アンダション氏は、未就学児への言語指導、保健医療、作業療法、児童コンピューター・センター、FMLS及びその他のディスレクシア関係団体など、様々な分野において読み書きの障害にまつわる仕事をしている。更にこの最後のセクションでは、以下にあげるその他多くの人々が知識や意見を提供してくれた。マルメー大学の特殊教育を専門とする教育学者、メレーテ・ヘルストレーム氏、イェーブレーサンドヴィーケン県立病院の言語療法士ブリジッタ・ヨーセン氏、イェーテボリィ大学のイングヴァール・ルンドベリィ教授、イギリスのイアン・スミス博士、言語療法士EA・ドラファン氏、イェーテボリィ大学の特殊教育を専門とする教育学者で博士号取得予定のウルリーカ・ウォルフ博士、ルンド大学障害者コーディネーターのクリステル・ベリィ氏、ノルウェーのスタヴァンゲル大学読みの研究に関するセンターのステファン・サミュエルソン教授、ルンドにあるSKED(ディスレクシアの生徒のためのスコーネ情報センター)の公認心理学者グンネル・インゲソン氏、ストックホルムのスタッドハーゲン失語症リハビリテーションホームのクリステル・オースリン氏、その他厚生省から様々な人々の協力があった。

私達はここに挙げたすべての人々に対し、感謝の意を表したい。そして今後も更にその他の人々からの要求事項に関するコメントや修正の提案を歓迎したい。なぜなら本書は内容を定期的に更新していく必要のある文書だからである。

トールビョーン・ルンドグレン