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図書館等のためのわかりやすい資料提供ガイドライン

7. 図書館でわかりやすい資料を提供する

図書館でわかりやすい資料を提供する場合、自ら作成をして提供する場合とわかりやすい図書を収集したり、ほかの図書館で作成したものを提供する場合がある。ここでは、わかりやすい情報や資料を提供する時に対象の人々が見つけやすくするための工夫や対象者が理解できたかどうかの確認に焦点をあてる。

7.1 わかりやすい資料提供の工夫

図書館では、わかりやすい資料を置く場所を確保し、その場所を対象者が見つけやすいように、入口から近くに設置し、入口からの導線表示や案内マップなどを作成する。また資料の配架についてもジャンル別に分けて、ジャンルごとにシンボルまたは写真などを使うことで探しやすくする。さらにわかりやすい図書の表紙が見えるように配架することで、読んでみようという関心をもたせる。

7.2 わかりやすい資料コーナー

わかりやすい資料の棚を設け、わかりやすい資料や、マルチメディア図書、動画のDVDなどを置き、シンプルなロゴを使って資料を分類することで、利用者が見つけやすくする。また試しに読むことが可能な場所もコーナー近くに設置し、居心地のよいスペースを設ける。そこには、再生するためのソフトがインストールされたコンピュータや再生機器などを置いて、実際に体験をしてもらえるようにする。

また、上記のようなコーナーについて、図書館のホームページにその紹介文を掲載したり、イベントを開催して、利用者に普及する。

オランダの公共図書館の事例

わかりやすい資料コーナー(写真)
わかりやすい資料コーナー

背表紙にシンボルを入れた図書(写真)
背表紙にシンボルを入れた図書

わかりやすい図書の表紙が見えるように配架(写真)
わかりやすい図書の表紙が見えるように配架

7.3 資料と利用者を結びつける対面朗読

わかりやすい図書を紹介するだけでは、その資料を利用者がどこまで理解しているか、どれほど楽しんでいるかということを把握しにくい。そのためには図書や資料を対面で紹介したり読むことで、利用者の理解度や楽しんでいるかどうかを知ることができる。マルチメディアDAISY図書などパソコンを使って読む本の場合などには、パソコンの操作援助と共に、その場で一緒に見ながらその作品が利用者に向いているかどうかを確認できるだろう。

スウェーデンにおいては、1998年よりデイケアセンターや介護施設の職員が研修を受け、「読書指導員(Reading Ambassador/Representative)」として、情報や図書に触れることのない人に図書館と利用者をつなぐ役目を担っている。