プリントディスアビリティのある児童及び十代の若者にかかわる教師と公共図書館の連携
IFLA(国際図書館連盟)年次大会2012
印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会(LPD)
プレカンファレンス"Let's Read! Reading and Print Disabilities in Young People"
2012年8月8~9日 タリン(エストニア)
タリン 2012年8月9日
リンショーピン図書館
アンナ・ファールベック
発表者の紹介と抄録
アンナ・ファールベック(Anna Fahlbeck)
青少年図書館司書
スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)
Box 5113, SE121 17 Johanneshov
電話番号:+46 8 580 02 719
携帯電話:+46 765 402 719
プリントディスアビリティのある児童及び十代の若者にかかわる教師と公共図書館の連携
リンショーピン公共図書館内に、教師と心理学者から成る独自の特殊教育支援機関が誕生した。これはディスレクシアセンターと呼ばれ、学校で働くすべての人に、ディスレクシア/プリントディスアビリティとその影響について知ってもらうことを目標としている。ディスレクシアセンターは、学校職員を監督し、研修を実施するが、これ以外に、生徒と親への情報及びアドバイスの提供も行う。
図書館職員の一人が勤務時間の10%をディスレクシアセンターでの活動に充て、おもに録音図書、支援技術及びTPBオンライン目録の利用などに関する情報を提供している。
また、生徒が録音図書を使用した場合の多数のメリット(語彙の拡充、読解力の向上、そして当然のことながら、文学研究の授業への参加と他の者との議論への参加)を指摘し、録音図書の利用促進に多くの時間を費やしている。
すべての特殊教育教員を、読むことに障害のある生徒とともにTPBに招き、特別な図書を紹介するという広報キャンペーンの結果、児童向け録音図書の貸し出し数が30%増加した。さらに、特殊教育教員と普通教員の両方が、特別な図書のプレゼンテーションに対し、全般的に強い関心を示し、プレゼンテーションを継続してほしいという要望が図書館に多数寄せられた。
TPBは新たな個人向けダウンロードサービスの開始に当たり、再びディスレクシアセンターに協力を求め、さまざまな教員と学校職員を対象とした研修を企画した。
これらすべての活動の結果、リンショーピン公共図書館は、プリントディスアビリティのある生徒を支援する資料と情報だけでなく、教師の意欲を高める資料と情報も扱う、教師のための強力な支援機関として知られるようになった。
図書館司書として、またディスレクシアの子供達の母親としての活動を通じて、私は録音図書を利用するメリットと喜びの両方を理解している。印刷図書しかないことが、文学の素晴らしい世界への障壁となっているとき、すべての子供と教師が、録音図書の可能性を思い出してくれることを願っている。