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1. わかりやすい印刷物とは何か?

1.1 さまざまな国際ガイドライン

わかりやすい印刷物に関しては、さまざまな国際ガイドラインが設けられているが、そのほとんどは、もっぱら同じようなデザイン上の原則をあげているだけである。本論文では、おもに王立盲人援護協会(Royal National Institute of Blind People)によるわかりやすい印刷物のガイドラインである『シー・イット・ライト・ガイダンス(See it Right guidance)』と、CNIB(カナダ全国盲人協会)の『わかりやすい印刷物のガイド(Clear Print Guide)』をもとに論じる。

1.2 それは一連の原則である

わかりやすい印刷物は、印刷文書をできるだけ多くの読者にとってアクセシブルにする方法により制作するためのガイダンスを提供する、一連の原則である。それは、視覚の問題を抱える人々のニーズを考慮した、デザイン上のアプローチである。

簡単にいえば、わかりやすい印刷文書はより多くの読者を獲得する。提案される解決策は単純で安価であり、フォントや文字サイズ、コントラストおよびページのナビゲーションなどの基本的なデザイン要素に焦点を当てている。

RNIB独自のわかりやすい印刷物のガイドラインは、長年にわたるこの問題に関する経験と、この分野の専門家からのアドバイス、そしてフォントおよび文字サイズに関する最近の研究等から得られた証拠に基づいている。

1.3 すべての印刷物に適用可能

文書は種類により根本的な違いが見られ、文書の種類が異なれば、異なるフォントやデザインを使用しなければならないことがあるのは明らかである。しかし、わかりやすい印刷物の原則は、ポスターからしおりにいたるまで、さまざまなタイプの文書に適用できる柔軟性を十分備えている。