音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

スウェーデンにおける印刷字を読むことに障害のある人々への図書館サービス-ディスレクシアとDAISYを中心に-

学校における学習方法

スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行
新聞『読み書き』付録
新聞『聴いて!』p.3

読書体験とは私達が生涯を通して築きあげていくものだ。私達が6歳のスティーナは本を読めるという時、この『読む』という言葉はスマート教授が微分学に関して最新の論文を読んだというのとは、まったく別の意味を持つ。また私達が"朝刊を読んだ"というのは、"ドストエフスキーの『白痴』を読んだというのとは、意味が違う。読書愛好者と読字困難を持つ者の間の、大きな違いはここにある。後者の方には多くの場合、読む方法は1つしかなく、そのため情報を探したり、文書にざっと目を通したりということが困難なのだ。

一部の人々は新聞の『バイキングパーティー』よりも継続的な作りである本を好む。また別の人々は新聞の短い文章よりも本のより長い文章を好むのだ。

ディスレクシアの人々は、物事の順番や方向性を判断する能力に障害があることが一般的である。参考書や電話帳を引くということはほとんど無理な課題なのだ。

読字困難を持つ多くの人々が、昔の『教壇授業』つまり教師が多くの事柄を語った授業を受けていた時の喜びを証言する。生徒達はその時、教師の言葉を聞き、記憶するという能力を発達させることができたのだ。このような授業においては、知識の獲得において、それほど不利になることがなかったのである。

つまり重要なのは物事の内容を理解する能力と、文章を読んでそれを理解する能力とを区別することだ。そうでなければ読字困難を持つ人々は、全ての教科で失敗するという危険にさらされてしまう。

生徒の自発性

生徒が自分で、またはグループの一員として自発的に学び、知識を求めることには、教育における大きな利点がある。なぜならば私達は自分自身の探求方法を自発的に見つけることによって、最も意欲的に学ぶことができるからだ。これは私達が学校外で用いている学習方法でもある。これは読字困難を持つ生徒達にも有効である。

もしこれらの生徒達が自発的な学習を行うことにより、ハンディを負わずに済むのなら、周囲が彼らの読字困難をよく注意することにより補えるということだ。彼らが文章を基とした情報を入手できるように、選択可能な方法を提示しなければならない。

新聞『聴いて!』, 新聞『読み書き』付録, スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行, p.3より