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スウェーデンにおける印刷字を読むことに障害のある人々への図書館サービス-ディスレクシアとDAISYを中心に-

秩序性とはこういうことである

スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行
新聞『読み書き』2007年5月号, p.18
文:トール・ビョーン

近年、学校のクラスの秩序と、より多くの詳細な成績表を求める声が学校に関する討論会で聞かれるようになった。それと同時に生徒達にも焦点が当てられた。そこには問題はあるのだろうか?

1941年には既にAIゲイツが、読み書き困難を持つ生徒の75%が社会的問題をも抱えていることを確認している。その事例のうちの25%は、社会的問題が読み書き困難の原因となっていたが、75%の事例ではその逆に読み書き困難が原因となって感情面での問題が引き起こされていた。

1980年、ブリッタ・エリクソンは博士課程において、読み書き困難と社会的問題の関係について研究をした。彼女の調査によると、幼稚園時代または小学校の一年時の感情的な混乱によって、6年生または7年生の読み書き困難が引き起こされるという証拠は何もない。彼女は、もし早期に読むことに対する困難に正しく対応したならば感情的な混乱をさけられる、またはある程度でくい止められるはずだと結論付けた。

それから25年後‐2005年‐教育改革の為の行政機関は『生徒達は支援を受けることができる。しかしその支援はあまりにもわずかである』という文書を発行した。彼らが理由として挙げているのは、低学年の生徒達が受けることのできる対応プログラムは通常、読み書き困難に対するものだが、11歳~12歳の生徒達になるとそのパターンが変わり、集中力の問題や学習態度の問題がより一般的になっていくことである。

よく取り上げられるのは、生徒達の読み書き困難にうまく対応していない対処法と学校の組織に焦点をあてるべきだという論理だ。それはそうだが、問題はもっと深いのである。なぜならば学校は多くの場合、目に見えない機能障害に対応する能力を備えていない。そのためになんらかの社会的問題が発生する。これが該当する生徒ばかりでなく、全生徒及び授業の遂行に困難を覚える教師達に影響を及ぼしているのである。

つまり教師協会や教師の為の全国団体には、読み書き困難/ディスレクシアに正しく対応できる、より効果的な方法の必要性を強調するだけの理由があるのだ。全ての教師はこの問題に関する一般的な能力を持たなくてはならない。幼稚園から小学校4年生までを教える教師は、読書能力がどのように育っていくのか知識を持っていなければならない。また読み書き困難/ディスレクシアを持つ生徒達は早期段階から正しい機器、特にCD付き図書を与えられなければならないと知っているべきである。

この66年間、学校組織が読み書き困難を持つ我々の為に機能していないことは、周知の事実だった。それでは秩序やより多くの成績表を求めて声を挙げるだけでは足りないのだ。当然受けるべき支援を受けていない我々は、もう2度と我々が充分に努力をしていないという叱責は聞きたくないのだから。

新聞『読み書き』, スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行, 2007年5月号, p.23より翻訳