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障害者サービスの充実 ―サービス対象者の利用拡大を目ざして―

2011年5月

都立中央図書館 情報サービス課

1 サービス対象者の利用拡大広報強化

 平成22年1月著作権法の一部改正に伴い、都立図書館では「視覚障害者等サービス要綱」を改正してサービス対象者の利用拡大を目指した。

(1)障害者保健福祉研究情報システム(DINF)のHP掲載

 DINFは障害のある人、特に「印刷文字を読めない障害のある人」が必要な情報を読める形・理解できる形で得られるようにするには、どのような支援や政策が必要かという視点で世界中から情報を収集し、提供している団体である。

 この団体のHPに都立図書館の紹介を行うと共に都立図書館の視覚障害者等サービスのHPにリンクできるようにした。

(2)一般利用者向け広報用リーフレットの作成(都立中央図書館及び都立多摩図書館)

 都立図書館に来館する一般利用者に「通常の方法での読書が困難な人達」へサービスを拡大したことを知らせるために広報用リーフレットを作成した。都立図書館のイベント会場(都庁や多摩図書館、大規模企画展等)でも500部配布した。

(3)特別支援学校校長会へパンフレット配布

 都立図書館が「通常の方法での読書が困難な人達」へサービスを拡大したことを特別支援学校の教職員・生徒に周知するため、パンフレットを作成し校長会で配布した。

2 視覚障害者等サービスの充実

 音声媒体の種類を増やすことや、迅速な資料提供で視覚障害者等サービスを充実した。

(1)テキストデータをSDカードに保存

 利用者の求めに応じて2回送付した。

(2)サピエ図書館の音声データをダウンロード

 雑誌は5タイトル(週刊誌3・月刊誌2)を定期的に、図書は利用者の要望に応じ、ダウンロードして、迅速に貸出している。

(3)サピエ図書館への利用登録支援

 サピエ図書館に個人が登録する場合は、公立図書館の紹介を要する。今年度は、都立図書館を通じて、6名が個人登録した。登録により、サピエ図書館から直接ダウンロードできるので、積極的に奨励している。

(4)「テキストDAISY」及び「マルチメディアDAISY」の周知

 「テキストDAISY」の試作品5タイトルをダウンロードして、特別支援学校の生徒に視聴してもらい、感想を得た。
 平成22年度障害者サービス研修で「テキストDAISY」及び「マルチメディアDAISY」の作成方法を学ぶ研修を実施した。本研修は初めて実施するものであり、公立図書館員のほか、特別支援学校の教職員にも案内を送り、11名の参加者があった。

3 都立図書館視覚障害者等サービスの今後の展開

(1)「テキストDAISY」

 「テキストDAISY」は現在試作品の段階であり、合成音声エンジンの改良を待ってから貸出を実施する。

(2)「マルチメディアDAISY」

 「マルチメディアDAISY」作成のためには、音訳者の研修用にPCやソフトのインストール等研修環境の整備が必要である。また、公立図書館職員以上に特別支援学校教職員教員からの需要が高いが、実施するには教職員研修センターとの調整を要する。

(3)資料費の確保

 「マルチメディアDAISY」の購入予算を取得することから始める必要がある。そして、その資料を使って特別支援学校の生徒に体験学習を実施する。

4 最後に

 これまで都立図書館の視覚障害者サービスを受けるには、障害者手帳の取得が絶対条件だったが、著作権法改正により、その条件をなくしたことの意義は大きい。上肢障害者(頁がめくれない)や障害者手帳の取得に至らない方等、読書が困難なあらゆる方々に都立図書館の視覚障害者等サービスが提供できるよう努力していきたい。

(文責 津野)


都立図書館HPアドレス
http://www.library.metro.tokyo.jp

東京都立図書館視覚障害者等サービス要綱(PDF版:116.0KB)
http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/12/pdf/shisho01.pdf

東京都立図書館視覚障害者等サービス要綱(テキスト版)
http://www.library.metro.tokyo.jp/search/braille/tabid/60/Default.aspx

パンフレット
視覚障害者等サービスのご案内(HTML版)
視覚障害者等サービスのご案内(PDF版:786KB)