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2001年GLADNET年次総会

歓迎のご挨拶-開会のあいさつ

開会のあいさつ  Aldred Neufeldt 氏 

 開会の言葉を述べさせていただきます。日本で会議を開催出来ることはすばらしいことです。GLADNETの役員また会員全てが喜んでおります。ここで議題、本日のスケジュールをご紹介したいと思います。特に申し上げたいのは今回の会議では非常に色々な技術が駆使されていて進歩的な体験が出来るという事です。GLADNETは基本的にインターネット技術をベースとしています。インターネットが存在しなければ我々存在しえなかったでしょう。今回は日本障害者リハビリテーション協会の主催で会議が行われますが河村さん、野村さんそしてその他のスタッフの皆様に感謝致します。日本は歴史的にも技術の高い国です。約7年前ILOという国際機関から始まりました。色々な国から研究者を招き会議を開いたわけです。そして、その中での課題、話し合われた内容として異なる関心事項をもつ研究者、雇用主、労働組合、障害者、専門家の間で協力をしていくことができるのであろうかという課題があります。そういった協力をすることによって雇用と知識に対しての研究あるいは協力が出来るのであろうか。その結果障害者がより社会の中での経済活動に完全参加が出来るようになるであろうかという課題が出てきました。その最初の会議から段々色々な考えを煮詰めて国際レベルでのNGOを作ろうという事になりました。GLADNET設立の目的は、障害者の雇用に関して我々が今ある知識、今ない知識は何かという事を見定め、その知識を普及させるという事です。雇用主、政府、労働組合、障害者、その他誰でもそういった知識を求める人たちに対していかに普及し実現するかという事を目的としたのがGLADNETの組織です。
GLADNETはGlobal Applied Disability Research and Information Network を省略したものです。インターネットを使うことによってバーチャルな情報のライブラリーを作ることが出来るようになりました。インターネットを介して研究者を結びつけることが出来、情報を配信する事が出来るようになりました。その結果1998年3つの分野に分けビジネスプランが出来上がりました。一点目は、障害者の雇用について研究を促進すること。2点目は我々がどういった知識を既に持っている、あるいは持っていないという事を明確化しそれを電子化するという事です。3点目は実践者に対して出来上がった情報を普及、提供し活用してもらう事です。電子技術によるコミュニケーション技術の重要性を先ほども述べました。昨年ワシントンDCで開かれた年次総会で次ぎの総会の開催地に日本が立候補し即座にお受けしました。その内容を考えると技術を駆使することの出来る地域という事で最適な開催場所でした。今回のテーマの一つで、技術、ITの障害者がより広範囲の経済活動へ完全参加するために果たす役割は何かという点に焦点を絞って話をしたいです。そして二つ目が目的の情報の普及です。知識がどこかに存在していてもそれを普及させるのはとても難しいです。知識はポケットにたまっています。例えば英語を母国語にしている国では日本やスペイン、オランダあるいは他の言語で行われている研究はなかなか情報を入手する事が出来ません。その他の言語圏でも同じ様な事が言えます。一つの地域は一つの言語で固定しているので言語を越えた橋渡しをしていかなければなりません。もう一つのポケットというのは研究体制の違う所、研究域の違いです。例えば心理学者のやっている事を経済学者などの違う分野の人は知りません。学問分野ごとに知識が偏って存在します。個々に集まっている知識を合わせていく事が必要です。その、情報を普及・配信していくためには障害者の存在しているところに出していく必要があります。その障害者の多くは低所得国にいます。こういった地域は情報へのアクセスがもっとも難しい地域でもあります。したがって我々は南北格差の問題に対する戦略を掲げています。所得の高い国の間では色々な組織が協力をすることによってお互いにつながりをもっています。その考え方や技術、リソースを活用し障害者の雇用をはかっていかなければならないです。ただ、わからない事はたくさんあります。例えば、2週間前バーバラ・マレーさんをはじめ、ここにいる何人かのメンバーがジュネーブで集まりました。WHOの関連の精神衛生の会議だったのですが、その目的は仕事と精神衛生の関係を話し合うことでした。北米、ヨーロッパ、日本を始め、色々な国では精神上の問題を持っている人の雇用の問題があります。それらの多くの国では仕事の欠勤率は上昇しています。燃え尽き症候群やストレスからくるものです。雇用主はそれを心配しています。我々としては精神障害、例えば精神分裂症の人が仕事を維持することはなかなかうまくいっていません。所得の高い国々では費用が捻出できるのになぜ被雇用者に対して対策がとられないか疑問が残ります。その他にも薬剤の研究がされ素晴らしい薬が開発されているのにも関わらず精神分裂症の患者の雇用を維持するのが難しいという問題がまだ解決されていません。GLADNETの目的は障害を持つ人の雇用の促進です。そのためにはあらゆる組織と連携をとってこれらの問題を解決していく必要があります。GLADNETの基本的理念として情報は無料でかつ自由にアクセス出来なければならないと考えます。多くの国で、特に高所得国では情報は有償で入手するという風潮があります。しかし、低所得国では情報に対してお金を払うことが出来ないでしょう。そのような国の、障害者に関わる組織はなかなか資金集めが難しいです。現実は障害者の大部分は低所得国にいて、しかも情報は支払わないと入手出来ないといった時代にいるわけです。例えばオペラの放送があったとします。放送料は支払われるわけですがこの情報は無料で、この情報を入手するためにオペラの歌手にお金を払うわけではないです。新聞でもいろいろな報道があるわけですが新聞代というわずかなお金で多大な情報が入手出来ます。基本的には情報は無料であるべきです。電子メディアは情報を無料化し自由にアクセス出来るようにしようとしています。確かに情報を集める、維持するという作業はコストはかかります。GLADNETとしてはこのような必要経費をいかにして捻出していくかというのが日頃の課題なのです。この領域の中で仕事をするという時にGLADNETだけで全て情報をあつめるのは不可能です。GLADNET自身が全て情報を公開するのは無理です。むしろ、我々としてはGLADNETコラボレーションというコンセプトを構築しつつあります。GLADNETが始まったときにいろいろな国でバーチャルライブラリーを作るというのがいいアイディアだという事がわかってきました。多くの国では電子情報センタが障害者向けに出来てきました。カナダでも米国においてもそうです。非常に良い情報センターが色々なテーマごとに出来つつあります。日本でも河村さんがディンフシステムを作られていまして非常に素晴らしい計画です。ヨーロッパでもスウェーデンのラーセン先生が情報収集をやっていらっしゃいます。スカンジナビア諸国でもインターネットをベースとした電子ライブラリーが出てきています。今後5年後情報センターの数は増えていくでしょう。その中でGLADNETが出来ることはこれらの施設をリンクしてつなげていくという事です。世界中のどこにいようと情報にアクセスできる協力体制を作り上げていきたいと思っています。もう一つの協力体制はGLADNETの設立目的の一つに関わる事柄です。知識は特定の政治に関わっている人たちが流しているばあいなどもあり、必ずしも信頼できる有効な情報だけとは限りません。我々として重要な事はテーマ別に現在持っている知識は何かという事を見極め分析し、報告、出版をしていくことです。もう一つの協力体制は明日報告して検討していただきます。皆様からの意見を集約をさせ特にアジア太平洋地域での考えを反映ささていただきたいと思っています。世界各地域で起こっていることそしてここで起こっていることを相互に情報を統合化していきたいと思っています。最後にGLADNETの年次総会にいらっしゃった皆さんに歓迎の意を表明します。この二日間は素晴らしい講演がすばらしい方々から発表されます。プログラムをご覧ください。GLADNETに出席したことのある方はどれくらいいるのでしょうか手を挙げて下さい。それほどたくさんの方ではないようですね。ここには新規に参加された方が多いことは喜ばしいことです。講演者はそれぞれの発表の時にご紹介します。今日、明日のプログラムに関して信任を問いたいと思います。香港のウィンタンチャンさんより動議が出されました。オランダのマイケルさんより同意がありました。皆さん質問はありますか。信任の場合は挙手をお願いします。この協議事項で良い方は挙手をお願いします。ありがとうございました。この協議事項は信任されました。以上でGLADNETのご紹介を終わります。

 基調講演の方の紹介をいたします。高嶺豊さんです。数年前よりESCAPに関わっていた数年前頃から伺っていました。国連の社会開発部門の専門官で、アジア太平洋経済社会委員です。現在はアジア太平洋障害者の十年の事務局をしています。高嶺さんと私は学んだ時期はずれていますが、二人ともハワイ大学を卒業していることが先程わかりました。高嶺さんはハワイ大学を卒業され、公衆衛生とソーシャルワークの修士を持っています。私はアルバータ大学で博士号を取りました。高嶺さんはハワイの自立生活センターで勤務した後、日本に移りました。ハワイには日系アメリカ人がたくさんいます。私の友人も多くハワイに住んでおりました。個人的に、同じハワイ大学卒業というのは嬉しく思いました。日本に戻ってからは高峯さんは横浜のリハビリテーションセンターの仕事をされ、1990年にバンコクに行き、ESCAPの障害者問題専門官をされています。高嶺さんの基調講演をいただきます。皆さん拍手でお迎え下さい。