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障害をもつひとと災害対策シンポジウム

パネルディスカッション(1)
-災害時の情報保証におけるITとヒューマン・ネットワークの連携を探る-

では、これからパネルディスカッションをはじめたいと思います。 私は、進行をつとめます河村です。よろしくお願いします。 最初に全体の進行の手順を申し上げます。 この後、パネリストのみなさんに一人ずつ3分間をめどに、これまでのプレゼンテーション、全体を通じてのコメント、およびプレゼンターに対するご質問などを話していただきます。 それが1順しましたあと、論点を絞りまして、順次討論に入ります。 そして、3時ころ休憩を1度いれます。 休憩時間は10分間ですから、トイレにいく時間くらいしかありませんが、その休憩の直後に、広告を二ついただきます。プログラムにあるように、ふたつの非常に興味深い報告を、3時の休憩の直後に行います。 三浦さんと大嶋さんにお願いします。 3時30分ごろから、最後の30分間でまとめの討論に入ります。 それから今日の参加者には、昼休みの時間だけでは、並行して展示をしていただいています黒石市における情報処理システムをすべてみることができなかったという方がいると思います。その方は、本当に時間がたりないので、パネルディスカッションの途中で退席してご覧になりたい方はご遠慮なく、パネル展示も含めてご参加いただくということで、途中で退席して展示をご覧いただくことも、ご遠慮なくやっていただきたいと思います。 それと休憩時間が10分間ですので、その時間の前後も活用いただければと思います。 それで本日のシンポジウム全体のまとめは、今日、この直後に開かれる障害者災害対策ワーキンググループに報告をいたします。 そこで具体的にワーキンググループとして次に何を進めて行くかについて、今日のシンポジウムの内容が反映される予定になっています。 発言の機会ですけども、適宜、会場の方からも発言をお願いすることがあります。 すべての発言は1回5分以内。あまり長く発言いたしますと、大勢の方が発言できませんので、5分以内にまとめていただくようにお願いします。 では、パネリストの皆さんから、補足のコメントを求めたいと思います。 藤澤さんから、本日の発表順に、お願いします。 マイクを手渡しますので、よろしくお願いします。

藤澤氏

藤澤/報告します。午前中では、私特に知的障害者外出時の災害対策ということで、お話させていただきました。それについては、本人にどのような形で知らせるのかということと、知らせた情報を効果的に使う市民ネットワークが必要なんだと。その知らしめる機器の開発が不可欠だという話をさせていただきました。

その知的障害者が外出時にどのような災害にあったのか、情報は適切に伝わったのか、あるいは正しくつたわらないため、どのような被害にあったのかなどについては、データとして蓄積されておりません。り資料もみたことがありません。 知的障害者にとっての情報はほとんどあまり、私たち、知的障害者の仕事をしている当事者ですが、そういう意味での関心というのはあまりなかったと思っております。 社会一般でも、例えば、いじめによる殺人事件があったとか、あるいは数千万円の、いじめによって、おどしとられた事件は、一般社会に通常ある得る事件として報道されているために、知的障害者がかかわったものが埋没していまい、実態はほとんどわからない。そういうものが知的障害者に対する情報というものが、あまり整理されない一因ではないかと思います。

それで、私が特に、今回新システムということで、午前の報告では簡単にとおりすぎてしまいましたが、私の住んでいる、群馬県の町で、75才の独り暮らしのおばあちゃんが焼死した事件が続けて2件ほどありました。それを機会に自治会単位で、独り暮らしのお年寄りの災害対策支援としての動きがみられた。そしてそれを見て、高齢者の独り暮らしの方だけでなく、そういうシステムのなかに、すべての災害弱者を盛り込んだ計画にという動きにもなっています。それが実質的にどう示すかわかりませんが、知的障害者に対する市民ネットワークというものを、ここで補足させてもらいます。 やはり、市民のグループをどういうものでつくりだすかということで、特に市民であるとか、施設、公的機関、消防署、警察、行政、あるいは企業。特にNTTの方が、NTTとして3ついいましたね。

危機の面ではお手伝いできるが、その他はといっていましたが、市民の支援システムの中には不可欠ではないかと思います。そのなかで、いろんな業種の人か関わりをもつ。情報の通訳、これは単に先ほどの午前中の臨界はこうですよ、というのではなく、時には、災害は自然災害だけではないので、人的な災害もあるわけです。これをしゃべると警察にえん罪で逮捕されますよ、という意味も含めて、いろいろな通訳をする必要もあるし、あるいは、そういうネットワークができたら、支援スタッフの人たちにきちんと支援を果たす役割を、日頃、知的障害者はこような人たちですということを学習する。そして、正しく支援する。そういうものを市民のネットワークとしてつくってもらえれば、より効果的な支援ができると思います。 短い時間ですが、とりあえず、以上です。

大蔵氏

大蔵/午前中みなさん、東海村の臨界事件の話を考えてもう1度みたいと思います。 まだまだ私たち聴覚障害者としては、取り残されているというイメージを今ももっております。特に淡路大震災の時には、電話とかいろいろありましたとおっしゃいましたが、実際には、淡路大震災の時には、障害者の人たちの、10円玉で何ができるのかというふうに言われました。 例えば、FAXなどの準備がなくて、そういうことをあらためて言いたいと思います。 2つめとして、NHkでも色々と努力をしていただいたことは感謝しております。 ただ現在、L字スーパーのお話をしていただきましたが、そのお話を聞くと24時間、継続的に、ずっとそれをつけたままにしてほしい。努力も見せてほしいと思っております。 NTTの山森和彦さんのお話の中で放送と通信の2つの話が出ておりました。 11ページ。 放送と通信ということばは、私たちが使う言葉では、情報連絡という意味の2通り、似ていると感じました。まだまだズレがあると思いますが、これからも連絡を密にして話し合う時間を作っていきたいと思います。やはり日常の生活の範囲でできることをはじめないと、実際にはおこってからでは手遅れになるのではないかということを 皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

河村/大蔵さん、ありがとうございました。続きまして川越さん、お願いいたします。

川越氏

川越/資料の紹介をさせていただきます。視覚障害者に関する資料ですが、ここから2冊出ています。視覚障害者とボランティア、ということで、主に視覚障害被災者の、経験された方からの原稿等をまとめたもので、今後の参考になるのではないかと思います。それから、支援をする側の資料をまとめたもので、視覚障害被災者とボランティア、ハビー活動と報告、これも同じ会社から出ております資料編です。これは当初活動するときに、身分証明書をつくったりしなければなりませんでした。いろいろな取り込み詐欺など、どさくさにまぎれて悪いことをする人がいますから、私たちは確かな団体です、という意味で、身分証明書を作らなければなりませんでした。そういう意味からいろんなフォーマットまで残っておりますので、記録をとるということがなかったのです。

ですからこんな数字だったかなということになっております。それから、日本盲人福祉委員会というのがありますが、ここが、日本盲人会連合、ならびに国立リハビリテーションセンター大阪に長い間入り込んでいただいて、さらにそのあとハビの活動のデータなどを見ながら、さらに客観的に、眼科医の視点等からまとめておられる資料がございます。

これは全しゃ協から出ている資料がございますが、ちょっときょうはもってきていませんが、全しゃ協から出ているのも、これもおおむね全体の障害者にわたっております。それから放送に興味のある方、ラジオ関西が、テレビは全国向け、世界向けの報告が多くて、地元被災者向けに非常に活躍したのですが、そのラジオ関西のまとめたもので、被災放送局が伝えたもの、という震災後の記録、こういったものもあります。やはり認識していただくために、視覚障害者には申し訳ないのですが、写真で見ていただくのが大変すごいなということを感じていただけると思いますが、神戸新聞社が阪神淡路大震災全記録という写真集を出しております。これなど参考にしていただけたらと思います。神戸大学が、ここが全部記録を集めております。一応ここで終わらせていただきます。

河村/ありがとうございました。では、滝沢さんお願いします。

滝沢氏

滝沢/一点、知的障害者の問題も精神の障害の問題もにた性格をもっています。一点目はそれについては同感で、平時から、目に見えにくい障害者の人的支援ネットワークをつくっていく以外ないのではないかという思いがあります。変な言い方ですが、災害対策時に、日頃、目立たない障害に対してどうするかというマニュアルづくりをしていただきたいと思います。

二点目について、先ほど、当面携帯電話でメールができるように、その方たちが災害的に救助できるのではないかと申しましたが、精神障害の人の場合は、当事者同士のコミュニケーションをすることが、より本人の精神的パニック状態を解決する手段であることも、つけくわえておきたいわけです。

そういうことが、精神障害者にむけての、福祉対策の一部で可能であればいいと思います。例がよくないのですが、障害者の交通運賃の割引の話が、足の不自由なかたの、交通に不自由な方の割引だという議論になっていますが、もう少し知的障害者の方など、JRと議論したときに、「動けるじゃないか」ということだけで議論するので、そうではなくて、そのことにからめた副次的議論が必要なわけで、その上で議論をするわけですが、携帯電話等の問題を障害者がもつときに、広げた形でやっていかなければ、災害時には役立たないと思います。 それからピントをはずした意見をいいますが、実は、私、日頃、八代えいた衆議院議員の政策担当の仕事をしています。 吃音の方がご相談にみえまして、体の機能的問題ではなくて、かなりデリケートな形で相談を受けています。これは、みなさんにお願いなのですが、吃音の問題の運動、およびそういう方が抱えている問題になにかいい情報がありましたら、へんなお願いですが、教えていただけたらということで、発言を終わらせていただきます。 ありがとうございました。

山森氏

山森/午前中のみなさまとの関係でお話させていただきますが、今日のテーマだけに限りませんが、科学技術、情報通信というのは、機械と人と運用だと思っています。運用というのは、言い換えれば社会の仕組みともいえます。それを運用といわせていただきます。 その3つがそろわなければ、完全な形での実現はできない。これは午前中も申し上げました。 NTTは機械のことだけでといわれましたが、まさにそのとおりでて、その後の課題でかかわりまして、私どももそうおもっております。全国的な広がりをもつ企業の責任かどうかとおもってます。そこが、私ども社内でも課題としています。

それから、大蔵様から先ほど2500台云々ということでお話がありましたが、確かにファミシミリというお話もありました。神戸の支店には貯蔵倉庫にFAXがありました。3つあって実はつかえなかった。電話は動きますが、二つ目、FAXというのは紙切れをおこすとどうしようもない。紙を我々を買っている業者が、大阪から運ぶ場合の道路の問題。三つ目は、私ども技術屋の責任もあります。FAXは屋根のないところでは使えません。これは反省すべき点です。この点申し訳ありませんがつかえませんでした。避難所ができてから提供したということで後手にまわりました。これは解決しなければいけない点だと思っています。

それから、もうひとつ通信と放送という私のレジュメをご参照されて、ずれがあるということですが、これは、今後通信はどういう形で、貢献できるか。放送という形の中でもう一度ふれざるをえないテーマだと思っています。発言の主旨をもう一度うかがった私どもでできることはやりたいと思います。少し弁解的になりましたが。

河村/ありがとうございました。最後にNHKの滝沢さんからお願いします。

滝沢孝司氏

滝沢(孝)/先ほど私がいいましたように、ツールの話ばかりでした。NHKは常に、日本全国どこでも、どなたにでも情報が伝わるように、中身を、ニュース、番組ということで流していますが、そのいつでもどこでも誰にでもということが、逆に、本当にそれぞれの方に届く情報になっているのかどうかが、特に災害時にはとわれてくることではあるのではないかと思います。

非常にそれを実現するのは、一丁一石にはいかないと思いますが、この機会に、どんな情報があると役立つのか。放送というツールのなかで、それができるのかどうか。あるいは、先ほどの話ですが、放送という全国一律に流せる強味はありますが、個々に、そういう情報を流すときに、もっと何かできないかどうか。もう一つは、双方公的な機能が放送でどこまでできるのか。

これは、非常に言葉としては双方向機能というのがデジタル放送の一つの、ある種の特長だといわれていますが、実際に、そこが、どこまでできるのか。大変、双方向というのと、日本全国に情報をできるだけ早く正確におくることが、うまく両立できるのか。このへんが、我々が考えなければいけないことだと思っています。 もうひとつは先ほどからいろんな形で市民のネットワークを作るとか、今回私が出席させていただいた趣旨とは違うかもしれませんが、NHKの番組では、先ほどのボランティアネットというのもひとつですが、福祉番組とか、そのほかさまざまなテーマをこれまでも取り上げてきたとは思いますが、色々な形で取り上げていくことができるのではないかとお話を伺って思いました。以上です。

河村/どうもありがとうございました。それでは私なりに論点をおおざっぱに整理させていただきまして、議論の進め方を提案させていただきます。まず大きく分かれるのは情報がすでに発信されたものが対象となるべき一人一人の障害をもつ方,高齢者が、受け止める状況にまだ今完全にはなっていなない、その部分をどのように今後改善すべきなのか。

これは、かなり具体的な話になるかと思います。その中で、特に藤澤さんの方からもいわれましたが、滝沢さんのほうからもいわれましたのは、外からは見えない。一見、機能上の障害ということが精神障害、知的障害の方たちがわかりやすい情報を受け取るのか、そのためそのための情報コンテンツがどうあるべきなのか。というあたりを、会場を含めてご意見いただければと思います。それが第一点だと思います。

第2点はこれまでの教訓から得られた問題点がいくつか出ましたし、現在いくつかのところで取り組まれておりますマニュアルのご紹介いただきました重点的に議論すべきは、被災地における当事者を含めた現地からの発信をどのように確保していくのか。

これはある地域が全体として壊滅的な打撃を受ける、という地震災害の特徴ですので、そういう地震、あるいは東海村の時のような、さまざまな、せっかく地域づくりをやってもその地域自体が壊滅的な打撃を受けたとき、そこから発信して全国からも効率的な 救援を保証する、そのための情報発信はどうしたらいいのか。電気等の問題もでましたが。その点は2番目だと思います。 制度的な問題を含む、人間のネットワークの機能の仕方という問題が 撃を受けたとき、そこから発信 して全国からも効率的な 救援を保証する、そのための 情報発信はどうしたらいいの か。電気等の問題もでました が。その点は2番目だと思い ます。 制度的な問題を含む、人間の ネットワークの機能の仕方と いう問題が平常時を含めて、どのようにあるべきか問われるかと思います。 この3点にわけてこのあとご意見をもとめ、途中休憩を含めまして、休憩以前が1番、2番、どうあるべきか、を休憩後にもっていきたいと思います。

まず、パネリストの方で、どなたでもけっこうですから、フリーですので、挙手いただいて、情報が1回発信されたものがうまく届く、そのプロセスでのご意見をいただければと思います。まずパネリストの方、いかがでしょうか。

河村/山森さんお願いします。

パネルディスカッション風景

山森/午前中、ご報告したなかで もつか、あるかというキーワードを出しました。正直、こういう形で皆様のご報告を聞かせていただく前は、比較的、そこのところのもつというところを簡単に考えていたというといいすぎかもしれませんが、単純に考えていたと反省しております。と申しますのは、いま第一のテーマである、正しくかな単に咄嗟に情報が取れるという仕組みを3大議論の機械というところですが、多様な障害をお持ちの方に対して、完璧な形である、どこでもそういうものが存在している状況を作ることが相当難しいというのが直感です。 しからばそこであきらめるのではないと思います。ひとつの試みが私どもすでに、公衆電話機、最近電話ぼっくすにISDN茶色っぽいものですが、 あれはダイヤルのすぐ横に、外の機械をつなぎこむ口があります。その口は世界標準の形ですから、小型の携帯端末など、いろいろな方がそこにつなぎこむことが可能な口として設けました。これは、先ほどのもつとあるといういい方をすると、それぞれの方が必要とするときには、その方の必要なものを持ち込めるけれども、どういう種類のものを持ち込まれてもだいじょうぶなようにそれの受け口というのを日本中に作ろうというものです。

現実的なコストを含めての発言と思っていただいてけっこうです。共通的な切り口、しかもそれがいろんな障害をもつ方のための切り口をを考えていく、それが一つの手段になるのかなと考えております。

河村/ありがとうございました。他にご意見は?

藤澤/今、携帯電話が便利だということは意義のないところでしょうが、しかしながら携帯電話は多機能で、非常に便利になりすぎてきて、われわれ年配の者にはなかなか使いこなせない。単純に掛ける・受けるしか使わないとなっています。知的障害におかれましては、特にそういうものが、単純に受ける・掛ける、三つのボタン、あれだけでも、かなり役に立つこともあるんですね。 それともうひとつは非常に各メーカーがあまりにも多くの機種を出しすぎていて、それを 知的障害者障害者に教える側の職員でさえも使いこなせないということがおきています。よりもう一つは、簡素化してもらうとか。たまたままず入り口の部分でそういう工夫があれば、かなり改善できる部分もあると思います。

そういうものを使う人たちの人口が少ないから、商業化でもあとまわしされますが、それは企業の責任というところで、利用者と相談しながらということもありますから、そのへんのところをくみこんで、ぜひ知的障害者にもわかりやすく、簡単に使える危機の開発に力をいれていただければ、かなり改善できると思います。 はい。川越さん。どうぞ。

川越氏

川越/すごいですね。震災時は携帯電話がではじめたころで、もっている人が少なくて、急にひろがったんですけど、二つ忘れられないのは、NTTの商品にFネットというのがあります。これは非常に便利でしたね。一発で100件でも200件でもFAXがどっといっしまう。登録さえすれば。それで、私どもの関係施設が、所属組織が220ぐらいあります。他の団体をいれると約400。Fネットで発信しました。それから、もう一つ、新聞でとりあげられましたが、パソコン通信がこのときに意外と話題になりました。パソコンは、当時はニフティサーブといっていましたが、これは初期の段階で役に立ちました。これで情報のやりとりをさせていただきました。 それから、今後はどうなるかわかりませんが、アマチュア無線、そのときはけっこう。視覚障害者でやっている人がいましてね。それで助かった人もいます。 そういう今だと、インターネットが主役になりますが、インターネットに興味がない人のオールドシステムも残して、それと、システムの問題ですが、よりよいシステムをつくつていただくために、少しだけ内容のことについてふれたいと思います。

行政、災害のときに行政は意外に役に立たないですね。 これはいやというほど経験しました。それは当然ですねね。行政は基本的なことに手をつけなければいけない。つまり、長期化するんですね。その瞬間の緊急の対策というのは、行政はあてにならない。これをしっかり頭にいれておかないと、不満だけがつのって、神戸のときもたいへんでした。 水をバケツでリレーするなどということがありましたが。 行政というのは、政治的に役にたたないということですね。意外に苦労したのはボランティアですね。1200人きてくれました。全国から。このボランティアのお世話は、苦労します。99%が障害者の障害の概念がわかっていない。さきほど、目でみて障害者とわかる、わからないという話がありましたが、おそらく、てんかんなんかで、それも重度のてんかんの方がはやく薬をもらわなければいけないときに、全盲とならんでいたら、視覚障害者に目をむけると思います。 この障害とは何かということを、どう知らしめるかというのは、日常の活動と並んで非常に重要で、ボランティアの方に動いていただくと、ものすごいエネルギーをつかうということを報告したいと思います。 それから、避難所。例えば精神障害者の方でみんなに恐れられた人がいます。 その人は、包丁をもっていると安心する。関係者はしっています。避難所で包丁をもっておられて騒ぎになった事件があります。 ところが、これはなんでもない、その人の安心材料であったということ。 知的障害のお子さんの場合、お祭りだと思って騒ぐ人と、極端におびえるのと、二つにわかれたそうです。いずれにしても、みんな助け合って動きますが、そういったときに、極端におびえられても、お祭りのように騒がれても困るわけです。 視覚障害者の場合にはトイレにいきにくい。トイレにいくのはおそろしい。てんこもりになっている。トイレにいったら、トイレをするのは命がけ。これはいろいろな議論があると思いますが、避難所は障害者種別にわけておいたほうがいい。そして、連絡網を、話題に出ているような連絡網で、全体の対策本部、神戸市役所の上にありましたが、 障害者ははいっていないんですね。 そういったことも踏まえてシステムを考えていただきたいと思います。

司会/ありがとうございました。総括的なお話で興味ある内容でした。 それでは、情報の発信のことで、本日配布している資料について説明させていただきます。読みやすい図書のための。。という薄紫色の資料を同封しております。これは後日、コンテンツをどういうふうに、読みやすく提供するかについて参考になればと思いまして、国際的に出版物を作る際のガイドラインとして提案されているものですので、ご案内申し上げます。資料として同封していることを。先ほど山森和彦さんからご提案ありましたので。 (1)についてコメントさせていただきます。さきほど、報告の中でもスライドに入れましたが、ボタンの数が少ない携帯電話機ということで、事実、大変好評を非常に多数お買い求めいただいております。そういう機械の面からいいますと、企業は売れないから作れないというのは、最近はまったく逆だと思っていただいてよいと思います。もう数年前になりますが、業界で有名なのですが、日立電気さんが、簡単家電というものを出されました。みなさんご承知のように、電子レンジなども使い勝手が難しいです。業界の統計では、ビデオレコーダーをまともにお使いになれる方は何%しかいないとか、いうように、大変機械自体がむずかしくなってくるなかで、日立の社員の中で高齢の方をっ中心にして、ご自分たちが使ってみて使いやすい等、工夫をした家電製品、炊飯器、冷蔵庫、もろもろのものをセットで出しました。爆発的に売れました。現在でも売れ続けております。これは、報道で言えば、急速な高齢化社会を迎える日本というところで、まさにそこのところでして、必要とする機能・性能・操作性というのと、障害をお持ちの方が必要とされる機能・性能というのは、非常に近いものがあります。 高齢化を迎えるにあたって業界はお客さまとしてそこを考えております。企業が高齢者に向けて動きをはじめたところ、 それに若干のプラスをすることで、身障者の方を含めて、今のものに比べて、使い勝手のいいものが出てくる。そういう社会になりつつあるというのが判断です。通信業者だけではなく、家電業界もいっしょです。決してマイナーな商品だとは考えておりません。自分自身のためにも必要だというのが われわれの認識です。だからこそというとあれですが、真剣に良いものを作っていきたい。そのために皆さんともネットワークを作りたいと考えているところです。

河村/ありがとうございました。情報が発信されて届くまでということで補足させていただきますと、これはNHKの滝沢さんへの質問を含めてなのですが、ラジオというお話がありましたが、最近のラジオのなかには、いくつかの方式でデータをおくれるほうしきがあります。ラジオの場合には、ほとんど電源がなくても受信できるものもあると思います。非常に微弱な電波でも届く聴覚障害の方、あるいはもうろう者の方も展示ディスプレイで、リアルタイムに情報を得ることができる。肢体不自由な方、自分ではモビリティが不充分でも車を運転する例が多いです。当然、テレビを見られませんので、そのときに便りになるのはテレビよりはラジオです。1日車の中ですごす方のために、ラジオがあります。 その部分の今後の展開、デジタルテレビは比較的よく語られているのですが、ラジオのデータ放送を含むようなものがシナリオにあるのかどうか、そのあたりが緊急放送とどう結びつくのか少しご説明いただければありがたいと思います。

滝沢(孝)/あまり用意してきていませんが。 今のデジタルのラジオについては、NHKも含めて、かなり民放も含めてですが、検討をはじめています。 かなり近いところで、具体的になるだろうと思っています。河村さんおっしゃるように、音だけではなく映像も遅れる、狭い帯域でも遅れる、そういうものが実現すれば、今、ラジオ第一でやっているようなもの、あるいは、インターネットでやっているニュース、データ放送等、今はまったくそれが使えるとは断言できませんが、考え方としては、そういうものにも、転換が可能ではないかということもありますので、移動体で、受信がしやすいのは、やはりラジオですから、そういうサービスも今後当然考えられると思います。 それと同時に、地上デジタルも、これはまだ先ですから、まさにNTTさんなどを含めて、放送の1波を送るということも検討しています。 ですから、先ほどの放送と通信のことですが、発信するときには、非常に携帯といえでも、一度に100万回線となるとつまることもありますが、放送ですと、送るほうは、あまねく遅れると。受けて側に放送を受ける機能がこれからできるとすれば、先ほどのラジオもそうですが、携帯電話でもそれが可能かなと。それに振動するような機能も当然ついていますから、そこで、そういった情報を気がつくところですとか、これは私が勝手に考えているだけですが、そういったようなことが将来できるのではないかと期待しています。

河村/では、休憩前の討論を終えるにあたりまして、会場の皆さんから。 情報を流して、それを受けるときの問題点。それに関するご提言等ありましたら、お願いいたします。

会場/渡辺と申します。今日のお話は、興味深くお話いただきましたが、日本障害者放送協議会という団体構成をみると、今日の、一面の部分の情報の受けてですね、盲人の方、ならびに聴覚障害者の方は、当事者が参加されていますが、知的障害者や精神障害者の方は家族の会が参加されている。そういう意味では、情報の部分のたりない分をどう補っていくのか。やはり、当事者が、関与しないで、支援している人だけでこういうものがみえてくるのかというのが、私の疑問です。

さきほどのなかでも、知的障害者には蓄積された情報がない。となると、河合さんは非常に、そのあたりの、ご自分のお話にもありましたが、やはり、その点を加味していかないと、せっかくの話も先に進まないのではないか。そのあたりが心配する面があると思います。

河村/もう一方。

会場/統一機構の大嶋です。この構成団体でもあり、今、大蔵さんがすわっておられますが、聴覚障害者の立場から見て、いまの議論ですね、これが前進的な要素をもったか、私は、非常に疑問におもっています。特にNTTの山森さんのお話では、これは、数年来何もかわったものはない。 私は、機器の開発やコンテンツというのは、NTTの範ちゅうではないのではないか。と感じております。例えば、端末機の開発は、メーカーがやっています。このメーカーが、コンテンツのどういうものを取り上げるのか。その連携の問題はありますが、開発されるのか。そういう意味では、こういう場面で情報という場合に、NTTやドコモが参加されることについては、疑問をもっています。

それは、実際使われるかたもそうではないかと。山森さんの話では、携帯電話では、緊急非常時に、つかないという問題があります。そういう意味では、実際に、障害をもっておられる方がこういうものをつくって作業していくという意味では、議論の方向が検討されればと思います。

河村/大嶋さんは後で事例報告をしてくれますので、ここでの意見交換は、留保して、ちょうど今会場から二ついただきましたご意見は、これからどう進めて行くかにかかわりますので、休憩の後、それも含めて全体のディスカッションの中で取り扱いたいと思います。

それでは、これをもちまして、いったん休憩をしたいと思います。10分間ですので、3時20分まで。短い休憩で恐縮ですが。3時20分になりましたら再開しますので、ご参集ください。よろしくお願いします。