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DAISY活用事例交換セミナー

製作者の立場から
「DAISYについて」
二峰 紀子 かかわり教室

私のところには、読み書き、算数に困難を持った子ども達が集まって来ます。札幌から来ました、「かかわり教室」の二峰です。よろしくお願いいたします。

今日は読み指導の一環としてのDAISY、そして普通学級へ通う子ども達への授業に参加できるための補助教材としてのDAISYを、読み障害の子ども達への環境調整としても役割を果たすのではないかと思うわけで、DAISYソフト作成から使用までのエピソードを加えてお話させていただきたいと思います。この子は小学校5年生。情緒、行動面に問題を抱えていて、学習終了時のパソコンゲームが教科書になって、簡単な計算から学習が始まった子どもです。文字を読むことから逃げていましたが、最近はDAISYの絵本を一つ見てから、学習時間を終了できるようになったところです。文字を読むのは苦手ですが、DAISY絵本は読んでいるところを反転してくれるので、耳から聞いてそれを復唱する箇所が多いのです。自分が読んでいるかのように感じることができるようです。この子は、こういう感じの行動する子で、小学校2年生の二卵性の双生児ちゃんの1人です。2人とも来てるのですけれども、この子をちょっととりあげてみました。VIQが103、PIQが100、それからFull IQが101ということで、ディスレクシアです。読み書き困難をかかえてます。パソコンでの簡単なゲームを好んで、短期記憶訓練もパソコンを使用しています。好奇心が強く、家庭での読み聞かせになんかに慣れているので、読みあげてくれる絵本としてのDAISYには、始めから集中して参加できました。その延長で、教科書の方にも喜んで話題が広がります。最近では、2歳の妹に対して逐次読みですが、好んで絵本の読み聞かせをしてあげられるようになりまた。先程加藤先生のお話の中にもあったように、縦書きに弱く、国語の教科書は縦書きですが、それも弱く、算数の計算50マス計算なんかやっているんですが、それは縦にはなかなか難しいので、横に長くこちらで作り直してます。今は「はなさかじいさん」を読書中のところをとってみました。

DAISY作成のためのパソコン活動というのをやっているんですが、DAISYを作成し、使用するには、製作のためのパソコン操作を含めた技術指導が必要です。および、対象の子ども達の理解と、教材を研究することが必要だと感じてます。ほかに、週末には学生スタッフ、保護者に対して技術向上のための指導を、横におります押切君が同じスタッフなんですけど、協力を得て行っています。あわせて、使用する子ども達へのパソコン操作のための支援には、始めにぶつかる壁がマウス操作です。その上で、飽きやすい、集中力が続かないなどが問題になってきます。そのマウスを使いこなす時にも、楽しい経験を通して獲得させるのが大事だと考えて、釣りのゲームとか、野球ゲームを簡単に操作ができて、楽しいものを使用しています。パソコン操作が慣れてきたころに、パソコンの出来上がったソフトとか計算、プリント教材を教室用にソフトにしたオリジナルのものがあるんですが、それを使ってマウスクリックを十分にマスターさせます。通常、読み聞かせには絵本、物語を使用しますが、DAISYでは教科書をソフトにすることで、子ども達の興味を惹きつけるようです。さらに、パソコンゲームなどに比べて、何例かですが、着席の姿勢にも集中している様子がうかがえます。私達が本を楽しんで読んできた課程を考えた時に、読み困難への支援にもつながると感じてまとめてみました。物語を読んでもらう、文字を追う、読めること、楽しむ、専門の田中先生もいらっしゃるので、なんか恥ずかしいかななんて思いながらだしました。

私達のパソコンソフトを最初にDAISYを作ったときには、本当にミカンをドットに見立てた、これが最初のころDAISYソフトでした。今思うと恥ずかしいんですけど。最近は素晴らしいものができたと思っています。現在「かかわり教室」でのDAISYソフトの作成枚数は10枚になりました。10枚強ですね。今後、教科書を作っている最中ですが、読んでもらったら内容がわかるようなものを今作成しています。小学校、中学校の国語の教材、中学の地理、これはあと録音を落とすだけです。それから歴史の教科書。DAISYで教科書を読めることの利点として、絵本感覚で何度も読むと、それから物語の流れをつかむ。これは自然に言葉が入ってくる。授業の内容の予習になる、授業に参加できるかな、という期待を持っています。今日は、持参してきたDAISYソフトをちょっとお見せしたいと思います。言葉遊びです。「ちびくろさんぼ」、それから「コロンブスの冒険」、「ピエロのハッサン」、それから「とりのなぜなぜ」、「地図絵本」ということで。いろいろそれぞれの特徴を使っています。その中から、今日は手法の違う二つをお見せしたいなあと思っています。「とりのなぜなぜ」はホップアップというのを使って。パソコンの関係でちょっと終わりごろにさせてください。それから「ちびくろさんぼ」は音楽を入れました。一つのテーマが出る度に音楽が出てくる楽しい感じで作っています。最後に作成上の問題点をちょっと挙げてみました。教科書を打ち込む時間と人材不足っていうことで。私達の苦労している問題です。作業内容は、文章を打つ、タグをつける、その辺にはスパンあるんですけど、その辺のところがかなり量が多くなると大変でした。それから画像のスキャナーで読み取って、画像を保存して作っていく。これも私の作業なんですけど、子どもの学習指導もしなきゃならないし、画像もとらなきゃならないし、皆から追われて、追われて本当にパニックになりますが、がんばってます。録音は最近、親にもお手伝いしてもらいながら、少しずつ進めるような予感がしています。というところで、終わります。あとはDAISY見ていただきます。

河村/なにをやっているかご説明します。ドットの表示数が違う画面で、私のパソコンは1400ドットというのになってまして、それでCSSでいろんな設定しているものが来ておりまして、さらにですね、このプロジェクターが、本当にリアルで、その1400ドットを表示してくれないのでうまくフォントがでてこないんです。先程から苦労をしているんです。今度で試してみます。うまくいくといいんですけど。すいません画面のフォントの表示があわないので。ちょっと時間の都合がありますので、皆さん頭で想像してフォントサイズを調整していただきたいと思います。すいません。
パソコン音声/カッコウ、冬を日本で暮らすオオハクチョウ。鳥にはなぜくちばしがあるの。

二峰/これ、かけるとかなりの時間がかかりますので、途中のポップアップという形で子どもに理解を促すための操作をしているんですね。それをちょっと見ていただきます。実際はきれいに文字が表示されます。
パソコン音声/鶯の卵。雛が生まれるまで16日。ムクドリの卵。雛が生まれるまで12日。

二峰/対象が小学校の低学年ということもあったので、ゆっくり読んでもらいます。ちなみに声の出演は彼の奥様です。おだてながら、機嫌をとりながらやってもらったそうです。読み方によって速さは変えられますし、途中ロボット博士が出て来て、声を出すんですけど、それもちょっと変化させた形で出しているんですけれど、それも彼の工夫で。
パソコン音声/我輩はなぜた博士であーる。自然の世界のことで我輩のしらないことはないのであーる。おっほん。諸君、なにかわからないことがあったら、我輩になんでも質問したまえ。

河村/釈明ですが、本当は読んでいるところが、ハイライト表示されるはずです。私のマシンがこの前、変なものを実験的にインストールした後、CSSに対してきちんと反応しなくなったので、急遽これを使ってプレゼンをやっているので、申し訳ないですけれども、本当は読んでいるところがハイライト表示されて、文字は枠の中に入っているはずです。

二峰/またご説明します。私達が2台のパソコンを持ってくればよかったんですが、お借りしたのですいません。時間の関係でもう一つの。次は音楽をつかったものです。「ちびくろさんぼ」です。昔の私達の時代のちびくろさんぼとはだいぶ雰囲気ちがいますけれども、子どもは喜んで見ているようです。この「とりのなぜなぜ」は低学年用に作ったはずなんですけれど、見せてみるとかなりに、中学生レベルの子どもも本当に釘付けになるようにして読んでいるようです。楽しんでくれています。
(パソコンから音楽が流れています)
私の注文を今彼に出しているのは、スタイルシートで作っているらしいんですが、上の吹き出しですね。あそこの文字が小さいので、「これ大きくならないの」って言ったら「ならない」って言われてるんです。今回、私が老眼になってきているから特に思うんですけど、河村先生から、帰りにこれをどういうふうにしたらいいか、というのをお土産に持って帰りたいなと思ってきています。
パソコン音声/お父さんの名前はパパトロでした。

二峰/小学校1年生の教科書、国語の教科書も持ってきたんですけれど、次にしてくださる「ひなぎく」の中村さんが教科書を見せてくださるって言いましたので、かえってお見せしないほうが恥ずかしいからいいかなあ。こんなところで終わらせていただきます。