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DAISY活用事例交換セミナー

資料 中学2年生のユーザーの場合

  1. (ユーザーへの質問)DAISYを使って何の勉強をしていますか。
  2. (ユーザーへの質問)DAISYを使う前と使う後とではどんな違いがありますか?
  3. (ユーザーへの質問)DAISYのどんなところが良いと思いましたか?
  4. (ユーザーへの質問)こんな使い方ができればというところはありますか?
  1. (お母様への質問)お子さんは中学2年生の男のお子さんとおしゃっていましたがどのようなお子さんなのでしょうか?
  2. (お母様への質問)読みの障害があると思うようになったのはいつの頃からでしょうか?
  3. (お母様への質問)専門家の診断はお受けになったのでしょうか?
  4. (お母様への質問)DAISYセミナーの参加がDAISYでの教科書作りの依頼のきっかけになったかと思いますがDAISYについてどのように思っていらっしゃいますか?
  5. (お母様への質問)DAISYを使うようになってお子さんはどのような変化がありましたでしょうか?

1.(ユーザーへの質問)DAISYを使って何の勉強をしていますか。

国語と社会です。
中学2年の3学期の分のみを録音していただきました。
社会の年表も録音していただきました。

2.(ユーザーへの質問)DAISYを使う前と使う後とではどんな違いがありますか?

◎ DAISYを使う前

中学は、小学校と違い、授業中に1つ1つ読んで、 確認していくということはしないので、 自分で予習していかないといけません。
自分では、読むことは、大変辛く読むことで、全神経を使い果たし、内容までの理解は、 出来ませんので、今までは、私が、読み聞かすということをしたり 学校の先生に読んでもらう事をしていました。

注:お母様から
【例】 『今日は、いい天気ですね。いっしょに遊びましょう。』
と言う文章が、あるとしましょう。

子供の読み方は、
『いま・いまひわい・わいい・りてん・きで・すめ。いしよ・いしょにいましよ』
今日・・・「いま」「ひ」と読んでいました。
い・・・・「い・り」の区別が、わからなかった。
め・ね・わ・れ・あ・む・ぬ・お・・・・区別が、わからないです。
句読点は、見ていなかったです。
いっしょ・・詰まる音・のばす音ということが、わかっていませんでした。
遊びましょう・・「遊」は、読めません。「しょう」は、勝手に読んでいました。
こんな感じでしたので、読んでいると言うことにはならないでしょう。
読んでもらうと、理解は、出来ますので内容そのものは把握し質問にも答えることは、出来ます。

しかし、答えを、書くことは、出来ませんが、・・・。
これは、これからのこの子の課題です。
中学の年齢は、難しい年頃なので、学校の中で、 先生に読んでもらうということは、みんなの手前くやしいのです。
文章を、音と映像で、映し出してくれることによって、 耳から入れると理解出来ます。

◎ DAISYを使った後

学校で、国語の小テストがあり、枕草子の全文(春夏秋冬)の暗記のテストでしたが、同じクラスの生徒と一緒にテストを受け、クリアしてしまいました。

注:お母様から
学校から帰って来るなり、ただいまの言葉より先に「チャンとできたで・・。」「言えたで!!!」と
「全部できたで・・・・!!」
うれしそうに、目が、輝いていました。少女漫画に出てくるキラキラした目でした。
心なしか体も弾んでいたような感じでした。
そんな顔は、見たことがないくらいうれしそうで、前向きに進んでいけると確信しました。
中学校では、授業中に1つ1つ読んで、確認していくと言うことは、しないので、 自分で、予習していかないといけません。
自分で本を読んで、覚えると言うことは、大変難しいことなのですが、DAISYは、聞くだけではなく目でも確認でき音の出ている部分が、わかるので、場所の確認もできます。
わからないときは、何回も繰り返し音が、出るので、何回も聞いたりしています。

3.(ユーザーへの質問)DAISYのどんなところが良いと思いましたか?

  1. パソコンで、使えると言うこと。 (子供にとって身近な存在なので、)
  2. いつでも聞ける。(一人で出来るからええねん)子供の言葉です。
  3. 自分の好きなときに、人の手を借りないで、人に見られることなく出来る。
  4. 字が、大きい。
  5. 挿入画が、きれい。
  6. 漢字を、正しく読んでくれる。 (熟語の場合、音読みと訓読みの使い方が、出来ないため)
  7. 読んでいる部分が、色が変わるので、何処を読んでいるかがわかる。
  8. 同じ所を、何回も聞けることが出来る。

4.(ユーザーへの質問)こんな使い方ができればというところはありますか?

作成していただいたのは、国語と社会です。
たとえば、国語辞書とリンクしていて熟語の場合意味が分からなかったら辞書で、調べないといけないのですが、そこの部分をクリックすると意味の解説が出てきたら良いなあと思います。(それも音で、出たらいいのですが・・、)

注:お母様から
これは、なおしていただいたのですが、うちの子は、画面の上の部分がよく見えていないらしく、上の部分で、反転していると、わからなかったのですが、二、三行下に反転部分を、してくださったので、見やすくなったといっています。

1.(お母様への質問)お子さんは中学2年生の男のお子さんとおしゃっていましたがどのようなお子さんなのでしょうか?

優しくて面白い子供です。ちょっと、神経質なところもありますが、人なつっこい性格です。
運動も大好きで、スキーが、とてもじょうずです。一輪車も上手に乗りこなします。(最近は、ちょっと乗っていませんが・・。)
自転車の修理、三輪車の修理などロープワークも得意です。

2.(お母様への質問)読みの障害があると思うようになったのはいつの頃からでしょうか?

読みは、小学校2年くらいからです。気づかなかったのです。
幼稚園までに行く保健所での検診などでは、別に引っかかる事は、ありませんでしたが、言葉の出るのが、遅かった(喃語も出なかった)ので、心配で、保健婦さんに相談に行ったりして検査などしてもらいましたが、異常はなしで、「そのうちに出る大丈夫」と言われていました。
心配ならと週に2回福祉センターに幼稚園に入る間での障碍を持ったお子さんを遊ばせてくれる施設を紹介していただいたのでそこで、訓練士の先生を中心に親も一緒に訓練(遊んだり、お遊戯したり、)して、2年くらい通いました。

幼稚園に入る頃より、対話が出来るように(同じ年齢のお子さんと変わらないくらい)言葉が、出ましたので、問題なく過ごせると思っていました。
小学校の1年生の段階では、字が大きく文章自体が、長くないですし、先生が、授業の中でみんなに読んでくれるので、全部暗記していたのです。
内容を理解して、読んでいると思っていましたので、問題なく過ごしているように見えていました。
段々と読み書きは、辛くなって1年の終わり頃に、担任の先生から、学校に来なくて良いと言われ授業の途中で、家に帰されたこともありました。
先生の理由は、こんなバカな子は、教師20数年の中で 今まで見たことがない!!
子供が、バカなのは、親がバカだから・・・。 ストレスが、たまる!! と言う理由でした。
それから後、その先生よりのイジメに加え、先生の一言で同じクラスの子供からもイジメに遭い、 最終的には、親から私へ学校から出ていけと言う電話もあったりしました。
辛かったです。
読むことと書くこと以外問題ないので、どうしていいのかわからない状態で、病気とは、結びつけることは出来ないかったですし、また、何処に相談したらいいかわからなかったので、担任の先生には、何を言われようと罵声を浴びせられようと子供のためと思い頭を、床に付くぐらい何回も何回もお願いし授業に出させてもらうという感じでした。
家で、どうにか読めるようにと子供が、泣いて叫んでも押さえつけてでも勉強を、させました。
この子と死んでしまおうと思ったこともありました。その方が、この子のためになると思うくらいでした。今思うと悪循環の極みです。
これが、2年生から4年生まででした。
(1、2年は、同じ先生 3.4年は、変わりましたが、引継をしていたらしく変化無しでした。)
5年生になって違う先生に、なりましたが、もう子供も私もクタクタ状態で、もうどうでも良いという感じで、いました。
たまたま、NHKの番組で、LDと言う言葉を、初めて聞き、我が子とよく似てるなあと思い、新しい担任の先生に話すと「違うと思いますよ」と言われましたが、どこか、診断してくれる所はないかと探してもらいました。
担任の先生と校長先生に、探していただいて身体障碍児の療育の病院と公共の施設で教育研究所を紹介していただきましたが、教育研究所は、予約が何ヶ月も先だったので、病院の方にいきました。

3.(お母様への質問)専門家の診断はお受けになったのでしょうか?

受けました。しかし、診断は出ますがその後は、何も無いというこことが、多いです。
訓練をするには、年齢が、大きいと言うことでした。(小学校低学年までの訓練施設)
私自身親として子供とどう接したらいいか全くわからなくなっていたので子供の訓練というより
どうこの子と接したらよいかどんな言葉掛けをしたらいいか。訓練士の先生と子供のやりとりを勉強させていただきました。
このころは、読み書きという問題よりも子供も私もぼろぼろ状態で、共倒れ寸前精神的にまいっていました。
初めの約束で、長くは見られないと言うこと、読み書きは、ここでは、教えられないと言うこと、しかし、ここでの訓練の中で、私も子供も何か変わってきたように思います。
また、ここの施設からも教育研究所を推薦していただいていきましたが、話にならないくらいで、ガッカリして帰りました。(時間の無駄でした。)
答えは、段々出来るようになりますよ。様子を見ていきましょう。そのうち出来るようになります。 日本の子供は、読み書きは、出来ます。やるきがあれば・・・・。と言う答えでした。
私なりに調べていくうちに、ある病院のことをしり、今そこの病院に通って、訓練をしています。

4.(お母様への質問) DAISYセミナーの参加がDAISYでの教科書作りの依頼のきっかけになったかと思いますが
DAISYについてどのように思っていらっしゃいますか?

DAISYの名前は、知っていたのですが、そのころは、障碍と認定された方のみと思っていました。
それは、著作権の問題かなにかで、出来ないと聞いていましたので。
セミナーに参加させていただいたのは、うちの子に何かヒントを頂きたいと思い参加したのと、
ディスレクシア専門の先生のお話を聞きたかったからです。
参加して、周りとのギャップで、ちょっと無理かなという感じに思っていたのですが、・・・。
しかし、デモンストレーションを拝見させていただくうちに、これは、うちの子にピッタリと思いました。
子供が、小さいときは、読み聞かせは、とても大事です。
(読みという行為とは別に、親子のコミュニケーションで、とても大事と言うことは、身にしみてわかっているつもりです。)

いままでは、私が、読んで聞かせ、一緒に読んだり、復唱させたりとしてきました、アルバイトの人にその時間、本を読んでもらったりテープに録音したりしていましたが、字と音がわからないときでもその場で聞くことができない子供の性格もありました。
テープで取っても巻き戻した時に、何処から始まるか本と音を、探すことができなかった。
ダメもとで、お声をかけさせていただき、お話を伺って、うちの子にも作って頂けるという可能性があると伺い早速連絡させていただきました。うれしかったです。
中学というとても中途半端な時期でとてもやりにくいです。うちの子供だけではなく中学生全員だと思いますが、年齢と共に子供が、自立している中で、自分で出来る事の喜び、出来たという感動を感じさせてやりたい。 親が、子供の自立を妨げないように見守りたいです。
段々と大人になっていく我が子を見て、これからの辛いことが、あります。親としては、この子の目の前に来ていることはわかっていますし、見えていますが、どう立ち向かうかは、一緒に考えていってやりたいと思っています。
その為にもこのDAISYが、苦手な部分をカバーしてくれる味方と思っています。

5.(お母様への質問)DAISYを使うようになってお子さんはどのような変化がありましたでしょうか?

まだ、変化というのかどうかわかりませんが、子供が、「先生が、ここのところ言ってたで・・。」
今まで、全く本を、開いたこともないですし、「聞いてもわかれへん」といっていたのですが、漢字の読みも出来るように、なってきました
小学校は、不登校気味で、私が、学校にいっしょに連れていく状態でした。それでもダメなときは、校長先生が、迎えに来てくれたりしながら行っていました。中学も同じような感じが、続いていましたが、今も、学校に行くのは、連れていきますが、学校で、遊んで帰ってくることが、多くなりましたし、すぐに迎えに来てコールが、あったのが、最近では、自分でちゃんと帰ってくるようになりました。
当たり前の事と思いますが、読み書きが出来ないことで、どれだけ前向きに行けないかと言うことです。
日本の教育の中で、読み書きは、出来て当たり前の中で、読むと言うことは、ただ字を追って読むだけではなく、その内容を理解しそれを、人にどう伝えられるかまでが、【読む】と言うことだと思います