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DAISYの活用事例を中心にして(第12回LD学会自主シンポジウム)

DAISY(Digital Accessible Information System)の活用事例を中心にして-
報告文(まとめ)

井上芳郎
埼玉県立毛呂山高等学校

 昨年の大会での検討結果を受け、DAISY(Digital Accessible Information System)の教育支援技術としての可能性を中心にして、議論を深めることができた。

 はじめに河村宏氏(国立身体障害者リハビリテーションセンター)からは、国連の世界情報サミット会議での課題としても取り上げられた「ディジタルディバイド」の解決方策としてのDAISYの有効性、そして開発経緯や背景となる「全ての人が自由に情報にアクセスできる」という設計思想について解説いただいた。

 次に野村美佐子氏(日本障害者リハビリテーション協会)から、国内でのDAISY普及事業の概要説明と、現在開発中のDAISY再生ソフトであるAMISの特長について、いくつかのDAISYコンテンツの実演を交えて解説いただいた。

 制作者とユーザーの立場で堀田広子氏からは、自作DAISYコンテンツの演示をいただき、また読み障害をもつ中学生のお子さんに、実際にマメチメデアDAISY化された教科書を利用し学習活動することで得られた効果について報告いただいた。

 最後に田中由美子氏(国際医療福祉大学)から、読み書き障害のサブタイプの提示と、このタイプ別のDAISY活用の可能性、そして活用のための調査研究の必要性について提案をいただいた。

 フロアからも活発な質疑や意見発表がなされ、ご自身が指導されているお子さんへのDAISY活用の可能性であるとか、LD児等への支援技術としての有望性などについて討論がなされた。

 DAISYが秘めている大きな可能性について、少しずつではあるが着実に認識が広がってきていることを実感できた。可能であれば、次年度以降も さらに検討を続けていきたい。