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世界銀行とシビルソサエティの効果的な連携のために

世界銀行東京事務所 広報担当官 大森功一

 2007年9月15日の国際障害者支援シンポジウムのパネル討論では、グローバルな開発課題を人口増加の観点から再考し、そうした課題に対処する世界銀行の概要をご説明した上で、脆弱な人々に対して直接サービスを提供する社会開発案件のためのグラント「日本社会開発基金(JSDF)」をご紹介した。また、同シンポジウムのパキスタン・マイルストーン障害者協会のよる自立生活センター設立プロジェクトへの世界銀行の支援がどうやって実現したかについても触れた。詳細は討論録をご覧いただきたい。ここでは若干繰り返しの部分も含むが、タスク・チーム・リーダー(TTL)と呼ばれる世界銀行の融資・グラント案件の準備・実施を担当するスタッフとの「出会い」の大切さについて述べたい。

 民間の銀行から融資を受けようとする場合、その銀行の支店の職員が「担当者」として、事業計画書などを精査したうえで融資できるかどうかを見定め、行内でしかるべく手続きを経るための内部書類で稟議をとって融資を行う。融資を受けた事業が借り手によって進行するプロセスも、この担当者は時々チェックし(モニタリング)、予定された効果を達成できるよう努める。

 これと同じで、JSDFによるグラント支援をはじめ世界銀行の融資・グラントにおいても、タスク・チーム・リーダーを中心とした各専門分野の世銀職員で構成されるタスクチーム(担当チーム)がこれと同じ役割を担う。逆に言えば、たとえばJSDFグラントを獲得したいと考えるNGOのスタッフが必要な書類を作成するのではなく、世銀のタスクチームが作成する。したがって、こうした担当スタッフと密接な協力関係を図っていくことが極めて重要であり、世銀の融資・グラントを通じた連携を図る第1歩であると言える。

 パキスタンのマイルストーン障害者協会の場合、ダスキン広げよう愛の輪基金の関係者がパキスタンを訪問した際に、一緒に世界銀行パキスタン事務所を訪問し、ジョン・ウォール事務所長(パキスタン担当局長)に面談した。この出会いがその後、地震後の緊急支援を世界銀行がJSDFグラントを活用して提供しようとした際に生かされたのであった。

 具体的にはどうすればよいか。世界銀行は世界各地の100ヶ所に事務所を擁しており、各国におけるシビルソサエティとの連携を深めるために、現在約70名のシビルソサエティ担当官を設置している。このシビルソサエティ担当官は、社会開発専門官あるいは広報担当官が兼任している場合がほとんどである。シビルソサエティ担当官の氏名、連絡先(電話番号やメールアドレス)はすべてウェブサイトで公開しているので、いつでも連絡可能であるので、ぜひ直接連絡をとることを強くお勧めしたい。

 その際、日本の団体におかれては、先進国である日本から何ができるか、つまり先進国である日本のNGO団体や専門家として、途上国の団体や現場の人々に対して何が貢献できるのかをあらかじめ明確にしておくことがきわめて重要である。世界銀行は途上国の政府に対して融資、政策助言、技術協力を提供する国際機関であり、シビルソサエティや大学も含め、日本の関係機関はあくまでも支援のパートナーであり、そのパートナーは一体何を提供できるのか、どのような貢献が可能なのかに着目している。日本の団体だからこそ提供できる知識や経験、ノウハウを求めている。この点をぜひ、留意していただくようお願いしたい。

世界銀行のシビルソサエティ担当官の連絡先一覧
http://go.worldbank.org/OF9ITL2VJ0