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「開発における障害に関する懇談会」 報告

司会: ありがとうございました。では次に、研究機関ということで、日本貿易振興機構アジア経済研究所から、森さん、お願いいたします。

森: アジア経済研究所の森と申します。よろしくお願いします。

 アジア経済研究所といいますのは、1960年の設立で、それ以来開発途上国の政治、経済、社会についての研究をしてきた機関です。名称はアジアとありますが、アジアに限らず、開発途上国の、アフリカ、中南米、東欧も含めて、幅広く後進国すべてを対象地域としてやっております。

 アジア経済研究所では、2006年から、初めての障害者関係の二年研究会を立ち上げました。今年の3月、この最初の研究会の結果が報告書としてまとめられ、本として発行されました。「障害と開発」というタイトルの本です。

 また、アジア経済研究所では一般の方々向けのいろいろな冊子も発行しております。これです。『アジ研ワールド・トレンド』という冊子ですね。1997年に最初の「障害と開発」分野の特集を発行しました。最新号がこの6月に出されたもので、『国際機関における障害と開発』という特集です。今日の講演の長田さんにお願いして原稿も書いていただいています。今日、長田さんのお書きになられた部分をコピーしたものを持ってきておりますのでぜひお持ち帰りいただき、お読みいただければと思います。また、先の本の方もアジア経済研究所に申し込んでいただければお分けできます。また、本日の長田さんのお話の70%くらいは、この本に載っております。ぜひ読んで勉強してください。

 また、今年4月からは、障害の権利条約の中の31条の中が障害者の統計ということでしたが、それに関連した研究ができています。今まで障害者についての研究もいくつか出てきておりますが、開発途上国の場合、障害者の統計というのはなかなかまだできてないという国が多いのですね。そこで、アジア経済研究所として、地域研究の専門家、統計の専門家がたくさんおりますので、そういう人たちが集まってチームを作って、今、開発途上国の障害者の生計の研究を進めています。この冊子は、今年の3月に中間報告という形で出したものです。来年の3月に最終的な報告書をまとめる予定です。今、ちょうど山形さんと頑張っているところです。今年の8月、フィリピンのマニラで盲、ろう、肢体不自由の三つの障害者の生計の調査を行いました。たくさんのデータが集まりました。そのデータを現在、分析中です。また、中国でも2年ほど前に全国の障害者の調査を行ったということで、データをいただいて、今それを分析しております。来年3月、最終報告を出します。ぜひ皆さんに読んで頂き、いろいろな場所で活用していただきたいと思っております。研究所についての資料のコピーも向こうに用意してありますのでお持ち帰りください。以上です、ありがとうございました。

司会: 森さん、ありがとうございました。また、たくさんの出版物についてもご紹介いただきました。