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「開発における障害に関する懇談会」 報告

司会: それでは、白幡さん、お願いします。

白幡: こんばんは。特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会の白幡といいます。簡単にご紹介させていただきます。

 シャプラニールは1972年に設立されて以降、バングラデシュを中心に最近ではネパール、インドも加えた南アジアを専門として活動している開発協力団体です。我々はずっと、特に農村部の貧困層の住民の方々の組織化を通じて、そうした貧困層の方々が自ら生活をよくしていけるような力を身につけてもらうような活動に注力してきました。マイクロクレジットの提供などもそのうちの一つとして含まれます。ただ、バングラデシュは特に1990年代以降の経済的な発展もけっこうありまして、農村部では我々が当初考えていたような活動の状況はかなりクリアされた、達成できたと考えまして、2000年代以降は特にそういった通常の開発活動からも取り残されている人々や課題、簡単に言えば例えばそういう住人のグループにも入れないような立場に置かれている人々にもっと集中していかなければならないということで、その取り残された人々や課題のうちの一つとして障害者問題にも目を向けるようになりました。

 2002年からですのでまだ6年ほどしか経験はないのですが、我々がずっと活動してきた農村部で、まずはどういった障害者の方々がどういう生活をしているのかというリストアップから始めまして、現在ではそうした障害者の中でも、例えば理学療法の必要な人たちに対してごくごく簡単な初歩的な理学療法を自ら行ったり、保護者に教えることができるような現地スタッフの育成に取り組んでいます。そのパートナーになっている団体は、上野さんなどが主催されているJANNETの報告書にも載っているCDD(開発における障害センター)という団体です。Center for Disability in Developmentの頭文字をとったCDDという団体に、私たちの現地の職員を研修という形で送って、中長期、あるいは短期の研修を繰り返してきています。その他、例えば障害を持った子どもたちが学校に通えるように定期的なモニタリングをしたり、あるいは口蓋裂や内反足といった治療すれば治る障害を持った人々に対しては、フリーの治療サービスが受けられる医療機関を紹介したり、それから地域住民を対象にして、障害、あるいは障害者の問題に関する簡単な研修の機会を提供するなど、地域の一般住民を活動に巻き込むための試みを進めています。以上です、簡単ですが。