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日英セミナー「障害者のためのソーシャルインクルージョン」

主催者挨拶

初山 泰弘
日英高齢者・障害者ケア開発協力機構日本委員会委員長
(国際医療福祉大学大学院教授)

初山氏の写真

 本日、「障害者のためのソーシャルインクルージョン」の表題で日英セミナーを企画いたしましたところ、お忙しい中をたくさんの方々にご参集いただき、本当にありがとうございました。主催者側のひとつ「日英高齢者・障害者ケア開発協力機構日本委員会」を代表して一言ご挨拶を申し上げます。

この委員会は、今から4年前、1999 年に、本日ご講演をお願いしております環境省の炭谷 茂 事務次官、当時、厚生省の社会・援護局長として、21 世紀の我が国社会福祉の根幹となる「社会福祉基礎構造改革案」、現在は「新社会福祉法」とも言われておりますけれども、その法案作成の中心的役割を果たしておいでになりました。その炭谷局長からご提案があり設立されたものであります。

長い歴史をもつ日英両国間で、高齢者・障害者関連の行政のみでなく、保健・医療・福祉の専門家が集まり、定期的に情報を交換し、相互理解を深め、ひいては両国の高齢者・障害者福祉の促進に役立つような委員会を作ろうではないかというご提案を頂き発足いたしました。 それから約4 年、まだ期間も短く、大変地味な活動でございますけれども、毎年、日本側委員が英国に赴き情報交換に努めるのと平行して、今回のように英国の識者を日本にお招きし、東京を中心に、埼玉、大阪、北九州など、6 回にわたるシンポジウムや、セミナーを開催してまいりました。 セミナーなどで取り上げたテーマはそれぞれ異なりますが、高齢者、障害者の人権を擁護し、その方々の地域社会における自立生活を促進しようとする基本理念は一貫していたと思うのであります。当時は、まだ明確になっていなかったNPO と行政、企業との役割、或いは今回、マリリン・ハワードさんからも、お話をいただきます、社会起業家や、CAN(Community Action Network)そういう耳新しい概念を日本に紹介する役割を果たしたのではないかと自負しているわけであります。

 今回は、「障害者のためのソーシャルインクルージョン」という表題でセミナーを企画いたしました。このソーシャルインクルージョンも、社会・援護局長をされておられました炭谷 茂氏が、法制定にあたってわが国に導入された概念であるというふうに私どもは解釈しております。午後、半日ということで短い時間でありますが、前半は、日英両国の福祉に関する歴史的な考察と将来展望について炭谷事務次官からお話を頂き、後半は今回お招きしました、英国の障害者福祉施策に深い関わりを持ち、アナリスト、或いは助言者として現在もブレア政権において大きな影響力をお持ちといわれるマリリン・ハワードさんのお話を拝聴し、その後両国間で、意見交換を行いたいと思っております。大変良い機会でございますので、本日ご参集の皆さまからも貴重なご発言をいただき、実りあるセミナーにしていただければ、企画側としてこれに勝るものはないと考えております。

 最後になりましたけれども、この委員会に当初からご支援をいただいています英国大使館、財団法人テクノエイド協会、今回ご援助をいただきました東京都民共済生活協同組合などの皆さま方に心からお礼を申し上げたいと思います。
本日のこの企画がご参加の皆さまにとっても、私どもにとっても実りある集いになることをお祈りしてご挨拶といたします。どうもありがとうございました。