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日英セミナー「障害者のためのソーシャルインクルージョン」

講演2「英国における障害者のためのソーシャル・インクルージョン」

マリリン・ハワード
社会政策アナリスト

ご招待いただきましてありがとうございます。こうして日本を訪れ、障害者政策を話し合う機会を与えていただいたことを、非常に喜ばしく、また光栄に感じております。

本日は、イギリスで推進されている「第三の道」についてお話しいたします。特に公共事業の改革など、いわゆる「ブレアリズム」の影響と思われることについて、そして「社会的企業」および「社会的企業家」についてご説明します。さらに「社会的排除」という概念について大まかに説明し、「第三の道」が障害者政策(「障害者ニューディール」など)にどのように影響したかを考察していきます。

「第三の道」とは、ブレア首相の説明によれば、柔軟で革新的かつ進歩的な手段を用いて、社会的正義を遂行し、中道左派の目標の達成に意欲的に取り組む、いわゆる「近代化された社会民主主義」を意味します。「第三の道」は、一世紀以上に渡り進歩的な政策を導いてきた価値感、すなわち民主主義、自由、正義そして相互義務といった価値観の上に成り立っています。「第三の道」と呼ばれるのは、それが、旧左翼(国の管理、高い税金、生産者の利益に関心を寄せていた)や新右翼(公共投資、時には社会という概念そのものを破滅すべき害悪と見なしている)の先を行くものであるからです。この「第三の道」における社会政策の捉え方は、次の3 つのテーマを持つと考えていいでしょう。

第一のテーマは、社会的目標と経済的目標は、相容れないものではなく、相補的なものであり、従って収入のみならず仕事や教育などの機会の再配分が必要である、というものです。イギリス政府は、この概念に基づき、社会的排除に対処する戦略に関する情報を蓄積してきました。「社会的排除」とは、「失業、技術および所得の低さ、粗末な住宅、犯罪率の高さ、健康状態の悪さおよび家庭崩壊などの、互いに関連する複数の問題を抱えた個人、あるいは地域」と定義されます。社会的目標と経済的目標を一致させることは、民間企業にとってはその企業としての社会的責任を果たすことになります。英国通商産業省は、企業責任について特定の権限を持つ閣僚を任命し、企業が売上増やイメージアップを図り、多様な労働人口を確保できるように支援する取り組みを推進しています。

第二のテーマは、権利だけでなく責任に焦点を当てたものです。福祉改革とは、国家と市民が取り交わす一種の契約ですが、その根拠となる原理は、社会は困窮している人々を助ける責任を持ち、また各人も自立の責任を持つ、そして生活保護を離れて就職することは(それが可能な人にとっては)自立の最高の手段である、というものです。新たに設置された労働年齢の市民のための施設「ジョブ・センター・プラス」は、「雇用」と「報酬」の二つを結び付ける役割を持ちます。すなわち雇用主と個人の両方のニーズを満たすことがその使命です。そして病気や障害を持つ人々の就業支援など、積極的な戦略に取り組んでいます。雇用者側にも果たすべき責任があります。政府は、企業が遵守すべき義務として、国の最低賃金、週労働時間の制限、パート労働者の新しい権利などを定めています。

「第三の道」の三番目のテーマは地域社会(コミュニティー)です。地域社会には共通の倫理観があると考えられ、従って市民参加の基礎となる知識を提供できるのは、国よりも社会、すなわち市民社会であると言えるでしょう。英国政府は、任意部門の組織、すなわち非営利組織が、地域社会に利益をもたらすような行動を起こすことは、積極的な市民参加を促す上で不可欠だと考えています。英国内務省は、政府と任意団体による共同の取り組みの基準を発表しました。ブレア首相はまた、宗教団体(Faith Community)の役割を拡大することにも関心を示しています。しかし英国は基本的に非宗教社会なので、どの程度までこれが進展するかは不確かです。個々人が自発的に行動することは、福祉においても、そしてまた社会の結束にとっても重要だと考えられています。

それでは、「サッチャリズム」と同様に「ブレアリズム」と呼べるような一貫した理念というものはあるのでしょうか?

第一期トニー・ブレア政権の主な特徴は、中央政府の達成目標を数多く定めたことです。その第二期政権では、これらの目標を浸透させサービスを提供することが政策の中心となりました。2001 年の総選挙で再選を果たした首相は、その第二期政権の目標として、政治勢力を再編成し、英国の中道左派における二つの思潮(市場経済における個人の自由の確保、社会における正義の推進)を統合すると発表しました。第二期ブレア政権の主眼は公共事業改革であり、このために「第三の道」が再確認されることになったのです。2002 年初頭、ブレア首相は、消費者の選択の幅を拡大するため、従来と異なるサービス提供業者を新たに用意する必要がある、これによって根本的な意識の転換(公共部門に関する古い理念から、公共サービスという新しい理念への転換)が可能になる、と説明しました。この考え方に基づき、一部の公益企業は、地元住民と利用者自身が共同で所有し管理する組織へと再編されました。このような地域社会への所有権の移転は、従来の公的所有権の概念を覆すものです。その中心となってきたのが、現在は公共住宅を経営している独立企業、そして論議を巻き起こしている病院信託(Foundation Hospital Trust)です。英国では既に民間部門や任意団体部門が公共事業の一部を担っており、現在、高齢者や障害者の在宅看護の半分は、民間部門と任意団体部門が提供しています。また民間部門は、公的部門が提供できなかったサービスを引き継いで行っています。そして中心的というより補助的なサービスにも参入しています。トニー・ブレア政権における革新的試みは、雇用の分野において、長期的な失業者の再就職を目指して実施されました。公共部門と民間部門が共同で管理する「ワーキング・リンクス」が、9 地域に置かれています。これは、ジョブ・センター・プラスと二つの民間企業がシェアを等分するユニークな商社です。

ブレア首相は、公共事業改革における四つの主要原則の概要を述べています。その一つが、国は「供給主」ではなく「調整役」であるという視点から国の責任を明確にし、その枠組みの中で国内の基準を設定する、という原則です。第二の原則は、国の権利を第一線へ委譲することです。政府はすでにその政策の一部をスコットランドとウェールズに委譲しています。将来的には、さらに多くの権利と資源が地方に分散され、現場の公共事業の担当者によって引き継がれることになるでしょう。その結果、たとえば、公共職業安定所(Jobcentre Plus)の担当者に、より多くの決定権、そしてより多くの報酬が与えられることになります。また同時に、業績が悪い地域の担当者は免職になるでしょう。第三は、改革推進のためには柔軟な取り組みが必要であるという原則です。ここで重要なのは、サービスの提供者がどのような報奨を求めているかを知ることです。英国で現在注目されているのが、結果に応じた報酬を供給業者に支払う仕組みです。ここで必要になるのは、求められる支援の種類により利用者を分類することですが、現在英国では、そのような分類の方法はほとんどありません。任意団体は、より多くの公共施設を運営できるように、25 年以内のものを含めた長期的な契約を必要としています。公共事業改革における第四の原則は、消費者による選択です。かつて選択肢は十分に用意されていませんでした。この点については、障害者ニューディール政策の説明の中で触れたいと思います。

英国では、社会企業および社会起業家に関心が集まっています。このような呼び名は、常に一貫した意味で使われるわけではなく、紛らわしい場合もありますが、あえて定義するなら、社会起業家というのは、福祉の発展と健康の増進を目指す人々です。彼らは利益を得ることよりも、資源を有効に活用してニーズを満たすことに熱心です。ところで英国では、労働者の10 人に1 人が自営業者なのです。典型的な事業主は36 歳の白人、という調査結果があります。その他の集団、たとえば障害者集団などの意見は十分に反映されていません。そしてこの集団に属する多くの人が低所得者層です。自営業者の割合は健常者より障害者が高いものの、障害者は社会的地位の低い仕事に就く傾向があり、サービスを利用しにくい不利な立場に置かれています。社会企業とは、主として社会的な目標の達成を目指す企業です。社会企業の種類は様々で、消費者信用組合、協同組合、ソーシャル・ファーム(共同作業所)、あるいは慈善事業を行う出先機関なども含まれます。地域社会を基盤とする小規模な団体もあれば、大規模な国営機関もあります。それらに共通する特徴は、商品やサービスの提供に直接に関わる企業としての姿勢を持っていること、社会的な目標を持ち、その目標を達成するために、利益を再投資していること、そして利用者と地域社会の団体が関与する社会的所有権を持っていることです。英国政府は、社会的企業に高い関心を持っており、2 年前から通商産業省内に社会的企業担当課を置いています。

 社会企業の一種であるソーシャル・ファームは、その収入の半分以上を売り上げによって確保すること、そして従業員の4 分の1を障害者あるいは弱者とすることを目指しています。どのような種類の社会企業も、(これらの人々を)雇用し、市場価格で報酬を支払うことで、彼らを社会に参加させること、彼らの労働環境を支援すること、そしてマーケット指向と社会的使命とを結びつけることを目標としています。障害者への雇用サービスを提供する組織には、社会的企業と見なすことのできる組織も含まれます。英国では、このような組織は、多くの場合、供給業者あるいは仲介業者と呼ばれます。英国のソーシャル・ファームは、公共事業の問題というより雇用に関する問題を解決する機関と考えられています。ソーシャル・ファームによる雇用事業と政府公認の事業の境界は曖昧ですが、非常に重要です。なぜなら英国政府公認の雇用事業では、雇用主に対して補助金が支給され、政府の資金援助が受けられるからです。現在英国に存在するソーシャル・ファームの数はわずか45 社で、今後新たに設置される予定のものは119社です。公的機関以外の供給業者が運営している雇用プロジェクトのうち、ソーシャル・ファームが運営主体となっているものは4 分の1 に過ぎません。従って、ソーシャル・ファームが障害者の主要な雇用機関となるには、まだしばらく時間がかかりそうです。

社会企業は、顧客にとって身近なものであり、革新的で、しかも利益に制約されないことから、劣質な公共事業の問題に対処するのに適切なものと政府は考えています。しかし、社会企業が引き続き公共事業の供給業者となるためには、その適応力をさらに高め、資金調達を確実に行う必要があります。既に英国には、障害者が地方自治体から直接支払いを受け、彼らの医療費の支払いに充てるという個人支援扶助計画がありますが、ソーシャル・ファームがこの計画の一部を展開することも可能でしょう。「社会的排除」という考え方は、政府が展開する「第三の道」において、乳幼児への支援の充実、雇用の機会拡大、健康状態の格差の解消、といった機会拡大の必要性を強調する文脈の中で用いられます。ブレア首相は、過去の巨大国家は、平等を推し進めることができなかったとし、貧困を撲滅し社会の機動性を高める上で、国ができることは多くある、と主張しています。重要なのは、政府がより一貫した行動をとることです。この認識から、1997 年、省内にソーシャル・エクスクルージョン課(Social Exclusion Unit)を設置し、ホームレスや貧しい地区などの問題を検討してきました。障害者は、低い賃金、高い経費、消極的な態度といった各種の要因が複雑に絡み合った結果、機会の制約を受け、社会から疎外される可能性があります。英国で行われた調査によれば、障害者の5 人に1 人が、物的障壁のため、商品やサービスの提供を受けることが困難で、3 人に1 人が、余分の暖房器具を使うゆとりがありません。「排除」から「包含」への変化を生じさせるためには、彼らの社会参加を阻んでいる要因を把握する必要があります。政府はこれらの要因を減らすことを目標に掲げています。現在、態度を改め環境を変えていく必要性が強く認識されています。英国は「障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act)」を制定し、1996 年から段階的に施行しています。現在この法律は、変化を生じさせるための重要な手段と見なされています。政府は、この法律の条項を国民に周知してもらうための運動を推進しています。この法律は、雇用主、そして商品やサービスの供給業者が、障害者に対して好ましくない態度を取るなどして不当に差別することを禁じ、そのような態度を改善することを義務づけています。さらにこの法では、商品やサービスの供給業者は、障害者から苦情が出されるまで待つのではなく、常に障害者のニーズを予測する義務がある、としています。これを社会的インクルージョンの一戦略と見なすこともできます。この法律は、来年度さらに拡大適用され、また障害者差別につながる身体的特徴に関する箇所を削除する変更が加えられます。現行では除外されている小規模の企業も含まれることになるでしょう。障害者の機会均等を推進するのは公共部門の義務だと言えます。政府は、2006 年までに、障害者の組織、その他の平等化推進のための組織を、一つの委員会として統合する計画を発表しました。近年、英国政府は、イギリス手話を公式言語に認定しました。しかし国内では、資格のある手話通訳者はまだ不足しています。政府はその他にも、障害者の社会的一体化を支える政策を推進しています。たとえば、より多くの仕事と教育の機会の提供、IT などの機器の購入や職場への導入コストに対する補助金の支給、自ら利用する介護サービスへ障害者を参加させる試み、などです。伝統的に障害者政策とは、医療モデルを表すものであり、一体化よりも差異を、そして障害を技術的に解決する方法を強調しがちでした。労働年齢層の身体障害者に対しては、主として手当を支給することで対処していました。就職口も多少提供されましたが、そこには差別がありました。その一方で、個人的要因と社会的要因の両方を考慮した「第三の道」を選択すること、そして障害者と健常者が互いに依存することが必要になってきました。これは、身体障害は少数の人々の宿命ではなく、今後私たちの多くを待ち受けるもの、という理由からです。その後障害に関する様々なモデルが行政に影響を及ぼしてきました。今後「第三の道」を適切に発展させるためには、より一貫した取り組みが必要になるかもしれません。

それでは、「第三の道」の三つの要素が、特定の障害者政策にどの程度影響したかについてご説明いたします。経済的要因と社会的要因をまとめて考えると、障害は広範な政治課題、すなわち企業の社会的責任に関する課題に含まれます。障害を持つ人々を、従業員として、そして顧客として迎え入れることは、企業にとって利益になる、という認識が高まりつつあります。「障害に関する雇用主のフォーラム」も、障害者を雇用する事業ケースを促進する場となっています。この取り組みの成果に関する情報は少ないものの、雇用主を対象とした調査によれば、4 社に1 社は、障害者を雇用することで、企業の公的イメージが向上したとしています。権利と責任を持つということは、福祉に積極的にかかわること、そして雇用主としての義務、ならびに商品とサービスの提供主としての義務を果たすことであり、個人としてより大きな責任を果たすことと無縁ではありません。

旧保守政権は、法の制定よりも説得することが重要だと考えていました。市民権運動の高まりにより「障害者差別禁止法」が制定されるまで、差別についての認識は低調なままでした。地方分権が進み、任意団体の役割が増大するにつれて、地域社会の重要性が高まり、コミュニティ・ケアという概念が浸透しました。利用者のニーズを重視したサービスを提供し、自立の支援を目指す中で、自らが利用するサービスに関わりたいという、障害者団体の要望が受け入れられることになりました。新労働党は、介護サービスを提供する代わりに、個人に対して現金を支給するという、直接払いの方法を導入しました。現金支給を選ぶ人の数は増えていますが、まだまだ少数です(英国ではわずか7千人、その多くが身体障害者)。障害者手当の受給者に関する方針は大幅に変わりましたが、それが最も顕著に現れているのが「障害者ニューディール」政策です。以前は、障害者はいかなる職業にも就く能力がないと考えられ、それがまた手当を受けるための主な条件でした。障害者ニューディール政策では、重要な2 つのパイロットプログラムが実施されました。最初のプログラムは1998 年から2000 年にかけて行われました。

これは革新的な24 の計画で構成され、12 地域で個別相談サービスが試行されました。そのうち6 地域では公共職業斡旋所が、そして残りの6地域では非営利団体や民間団体が運営主体となりました。その評価の結果、利用率の低さ(わずか6%)が明らかにされました。利用者4 人につき1 人が有給の仕事に就いたものの、その多くが「どっちみち就職はしただろう」と言っていました。また、その結果、公共分野と請負分野では、ほとんど違いがないことが分かりました。2 回目のプログラムは、2001 年7 月からやはり試験的に実施されている、「全国への障害者ニューディール政策の拡大」と呼ばれるプログラムです。1回目と異なり、約60人の職業仲介業者が国内ネットワークを構築しています。これらの仲介業者は公共、民間、および任意団体の各部門の業者で、政府と契約を結んでサービスを提供しています。資金調達は概ね結果に基づいて行われています。また顧客が仲介業者を選べるようになっています。仕事の仲介サービスの利用率は約2%と低いままですが、新設されたジョブ・センター・プラスにおける職業面接(新規の申請者に対して新たに義務付けられた制度)を受けた人の間では、この利用率は高くなっていることが、現在までに明らかになっています。利用者数は、政府の予想に達していないものの、現在は増加傾向にあります。職業仲介サービス開始から2 年間で5 万人が登録し、その約3 分の1が就職しました。この職業仲介契約は、当初の予定では来年度(2004 年)で終了することになっていましたが、2006 年まで延長されることになりました。

これは一つには、先月7 つの地域で開始された「雇用への道」(Pathway to Work)のパイロットプログラムを支援するためです。この、いわゆる「障害者の生物学・心理学・社会学的モデル」に基づくプログラムには、専門の個別相談員が関わっており、求職の初期段階で職業面接を行っています。新規の申請者に影響を及ぼすとされる主な「条件」のどれかに該当する人々を対象として、その「条件」をうまく管理するためのリハビリの支援を行っています。この「条件」とは、精神衛生、筋骨格および心血管の問題などです。またこのパイロットプログラムでは、職場復帰貸付金、復職支援補助金などの、個人を対象とした経済インセンティブが別途提供されています。障害者事業および公共事業の改革についてですが、政府は、引き続き民間部門および任意団体部門と契約して、障害者向けの雇用計画を継続・拡大しています。ジョブ・センター・プラスは、60 名の「ニューディール」職業仲介人、そして約300の任意団体および民間部門の供給業者と契約しました。「ニューディール」職業仲介人制度は、顧客に選択権を与え、競争を促すために導入されたものです。しかし、これらの仲介人に報酬が支払われるのは、顧客の就職後26 週間経ってからとされたため、職業仲介人の組織は、その事業資金を他の活動によって補う必要がありました。2001年以降、1人の仲介人が破産しました。顧客自身が仲介人を選ぶことはほとんどありません。ジョブ・センター・プラスの相談員が仲介人を直接紹介することは禁じられているため、顧客は選択基準に関して限られた情報しか得られません。また職種によっては仲介人が1人しかいない場合もあります。どの仲介人が最も成功しているかは公表されていません。そのようなことは、商業上注意を要する問題だと政府が考えているからです。従って、競争が正しく機能しているか、あるいは仲介人が成功するための要因は何かを判断することは難しい状況です。障害者雇用に関して政府が今度どのような支援をしていくのか、まだはっきりしません。「ニューディール」政策モデルでは、民間団体ならびに任意団体と契約を結んでいましたが、「「雇用への道」パイロットプロジェクトでは、ジョブ・センター・プラス内部に国のアドバイザーが置かれる意向が示されました。結論を言えば、英国における障害者政策の「第三の道」は、まだ成長段階にありますが、その仕組みの一部は、障害者の社会的一体化を推進するためにすでに導入されています。おそらく2006 年までには、これらのプログラムを評価することによって、また平等の実現に向けたより統合的な取り組みを進めることで、さらに進歩した一連の政策を導入することができるでしょう。

ご清聴ありがとうございました。ご質問があれば喜んでお答えいたします。

参考資料:イギリスにおけるソーシャル・エクスクルージョンと障害者(マリリン・ハワード)