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世界保健機関(WHO)国際セミナー報告書

[アジア・西太平洋地域の障害の予防とリハビリテーション]

国立身体障害者リハビリテーションセンター
(障害の予防とリハビリテーションに関するWHO指定研究協力センター)

(財)日本障害者リハビリテーション協会

項目 内容
開催日 1997年11月10日~14日,東京国際フォーラム

御挨拶

WHO西太平洋地域事務局事務局長
Dr.S.T.ハン

 国立身体障害者リハビリテーションセンターの総長であられる初山様、そして、日本障害者リハビリテーション協会の会長であられる山下様、厚生省大臣官房障害保健福祉部の篠崎様、JICAの代表であられる小沢様、そして、総理大臣の代理として出席されている加々見様、また、御列席の皆様、本日はこのセミナーに皆様と参加できることをうれしく思っております。

 このセミナーはアジア太平洋障害者の十年の中間年を記念して開催されるものです。WHOの指定研究協力センターである国立身体障害者リハビリテーションセンター、日本障害者リハビリテーション協会が、このようなこの地域の専門家を一同に会して会議が行えることを大変うれしく思っております。この十年のちょうど5年を経たところで、過去の成果を振り返る大変良い機会ではないかと思います。また、WHOがこの会議に参加し協力できることをうれしく思います。

 このアジア太平洋障害者の十年といいますのは、1976年にさかのぼります。当時、国連総会が1981年を国際障害者年として認定いたしました。その当時の目標というのは、障害者が完全に参加し、また、平等を確立することができるようにということでした。この国際障害者年は「IYDP」と呼ばれておりますが、国連が行いました行事の中でも、もっとも大きな成果を収めたものと考えられています。世界中でその成果が見受けられました。また障害を予防し、リハビリテーションを行う必要があるということも広く認識されるようになりました。これは社会の発展に、完全に障害者が参加するために必要なことです。

 また、さらに重要なこととして、この認識を行動に移していかなければなりません。国連障害者の十年が1983年から1992年まで行われました。そして加盟国は、障害者に対する世界的な行動計画を実施するよう求められました。障害の予防においては、かなりの進展が見られましたが、しかし、リハビリテーション、並びに、障害者の社会との統合は、まだまだ改善が必要です。ですから、完全な参加、そして、平等な機会を確立するために、このアジア太平洋地域の33の政府が共同スポンサーとなりまして、画期的な決議を採択いたしました。1993年から西暦2002年までを、アジア太平洋地域の障害者の十年として決議したわけです。この決議は、1992年に北京で開催された会議である、第48回ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)で採択されました。ちょうど5年間経ちまして、この過去5年間の成果をぜひ振り返ってみたいと思います。

 もちろん、まだまだ努力をしなければなりません。初期の目標を達成するためには課題が山積みしております。しかし、行動に移すうえでWHOが強調しておりますのが、障害の予防とリハビリテーションです。1980年9月の初頭に、WHOの下部組織である西太平洋地域の地域委員会が決議を採択いたしました。そしてプライマリー・ヘルスケアを介して、障害の予防とリハビリテーションを行なうことを目的としたプログラムをまとめました。そしてそれぞれの国々が、それぞれの国のガイドラインを作成し、実行するように求められました。この目的というのは、それぞれの国々がリハビリテーションを計画し、管理し、また、そのリハビリテーション専門家を育成するトレーニングを行い、地域のプログラムを開発する能力を持たせるということでした。私たちは協力センターとも作業してまいりました。また、それぞれの機関を結ぶ世界的な協力ネットワークも構築されております。ですから、国、地域、世界レベルで協力が行われているわけです。

 御承知のとおり、WHOが認定した協力センターは世界で11ありますが、そのうちの6つが西太平洋地域に位置しております。そして一番最近示されたのが、日本の埼玉県にある国立身体障害者リハビリテーションセンターです。西太平洋地域に約1億人の障害者がいると推定されています。その障害者は全国民の2%から10%になると想定されています。しかし、そのうちのほんの一部の人たちがリハビリテーションのサービスを利用することができる状態です。しかも、それは施設主導型となっています。また、この障害の割合というのは、今後高齢化社会へ向かうことを考えると、さらに増えていくものと考えられます。そして、その多くの場合は、退行的な疾病、病気につながると思います。ですから、この記念セミナーを日本において、いまの時期に行うということがとても重要なのです。

 日本の人口の約20%が、いま60歳以上だと聞いています。さらに西暦2020年までには、その比率が30%にまで増えると聞いています。日本政府は「ゴールドプラン」というプログラムをまとめて、この高齢化社会に対応しようとしているだけではなく、障害者の状況を改善すべく、いろいろな政策を実施しておられます。このセミナーを主催し、また、支援するということが、日本が障害者に対してしっかりとした考えを持っているということの証だと思います。特に厚生省、そして国立身体障害者リハビリテーションセンターに敬意を表したいと思います。といいますのも、アジア西太平洋地域における障害者の十年に対して、大変堅い決意で取り組んでおられるからであります。他の地域の諸国とともに、完全な参加とより良い質の生活を成功裡に保障すべく、皆様とともに努力をしていきたいと思います。ありがとうございました。

御挨拶

国立身体障害者リハビリテーションセンター総長
WHO指定研究協力センター長
初山泰弘

 国立身体障害者リハビリテーションセンターは、我が国における身体障害者リハビリテーションを促進するために、1979年に設置されて以来、国立職業リハビリテーションセンターとの連携の下、医療から福祉、職業に至るリハビリテーションを一貫した体系のもとに実施し、リハビリテーション技術の研究開発、専門職員の養成研修、情報の収集・提供などを推進してまいりました。この間、約4000名の様々な障害のある方々が当センターのリハビリテーションを終え社会に参加し、また、1000余名のリハビリテーション関連専門職員が養成されています。1981年の「国際障害者年」とその後の「国連障害者の十年」を契機に、国際協力事業団(JICA)の中国リハビリテーション研究センタープロジェクト、補装具製作技術研修事業などアジア太平洋地域でリハビリテーション分野の技術協力を積極的に実施してまいりました。現在まで33カ国、331名のリハビリテーション関連専門職員が研修を終え、それぞれの国で活躍をしています。

 このような実績が認められ、当センターは、1995年(平成7)5月に世界保健機関(WHO)より「障害の予防とリハビリテーション」に関するWHO指定研究協力センターに認定され、リハビリテーション分野における技術協力をさらに積極的に実施していくこととなりました。

 本年は、国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が定めた「アジア太平洋障害者の十年」の中間年であり、この記念すべき年に「障害の予防とリハビリテーションに関するWH0国際セミナー」を開催することとなりました。

 このセミナーの発表者やシンポシストは、アジア太平洋諸国で障害者のリハビリテーションを実践する専門家です。これを機会に、障害者リハビリテーション領域の専門家が相互に交流し、アジア太平洋地域の障害者リハビリテーション推進の契機にもなればと思います。

 最終日には、「障害の予防とリハビリテーション」についてWHO国際セミナー宣言を出すこととなっております。

このWHO国際セミナーの活発な論議と実り豊かな成果が得られることを祈念して開催の挨拶とさせていただきます。

御挨拶

日本障害者リハビリテーション協会会長
山下眞臣

 日本障害者リハビリテーション協会の山下でございます。日頃から協会のいろいろな事業にご参加をいただいておりまして、心から感謝を申し上げます。当協会はご承知のように、障害者のリハビリテーションに関する調査研究、それと、リハビリテーション事業の振興を目的として、昭和39年に設立されて以来、障害者の自立と参加を促進するため我が国のリハビリテーション事業の進展に努めてまいったところでございます。また一方、世界90カ国のネットワークであるリハビリテーション・インターナショナルに加盟をいたしまして、国際的な交流と協力活動をも行っているところでございます。

 今日から3日間にわたり開催する総合リハビリテーション研究大会は、リハビリテーションの各分野の専門家と、障害当事者の幅広い参加を得まして、1977年から毎年実施をしてきておりまして、日本のリハビリテーションの歴史を記してまいったところでございますが、今回で記念すべき、第20回大会を迎えることとなりました。この研究大会では、リハビリテーションが急速な拡大を研げたこの20年間を総括して、21世紀へ向けての方向性と課題を明らかにするということを視点におきまして、プログラムを用意致したところでございます。

またご承知のように、今年は国連のアジア太平洋障害者の十年の中間年に当たります。アジア太平洋地域における国際協力のあり方、日本の役割などを、海外からの参加者の方々と討議する機会をも設けているところでございます。この大会が我が国はもとより、アジア各地のリハビリテーションの新たな発展に寄与するものとなるよう期待を致しますととおに、御参集の皆様方の今後のご活躍をお祈り致しまして、ご挨拶と致す次第でございます。どうもありがとうございました。

開会式の様子 開会式
Opening Ceremony
主催者挨拶 初山総長
Gerrtings from Organizer
Dr.Yasuhiro Hatsuyama
挨拶をする初山総長
挨拶をする山下会長 主催者挨拶 山下会長
Greetings from Organuzer
Mr.Maimi Yamashita
来賓挨拶 S.T.ハン
WHO西太平洋地域事務局長
Congratulatory Speech
Dr.S.T.Han,Regional Director,
WHO Western Pacific Regional
Office
挨拶をするS.T.ハン事務局長
各国からの報告の様子 報告
Session
セミナー参加者の様子
シンポジストによる発表の様子 シンポジウム
Symposium
WHO国際セミナー東京宣言
Declaration of the Seminar
WHO国際セミナー東京宣言発表の様子

WHO国際セミナープログラム

11月10目(月)
10:30 開会式
 
主催者挨拶
初山泰弘(国立身体障害者リハビリテーションセンター総長)
山下眞臣(日本障害者リハビリテーション協会会長)
 
来賓挨拶
S.T.ハン(WHO西太平洋地域事務局長)
A.モーイ(アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP))
橋本龍太郎(総理府障害者施策推進本部長内閣総理大臣)
藤田公郎(国際協力事業団総裁)
篠崎英夫(厚生省大臣官房障害保健福祉部部長)
 
記念講演
「障害の予防とリハビリテーション」
S.T.ハン(WHO西太平洋地域事務局長)
 
WHO国際セミナー
 
13:00 報告1.精神障害者及び知的障害者のリハビリテーション
「座長」N.V.K.ナイヤー(WHO西太平洋地域事務局)
     浅井邦彦(日本精神病院協会)
 
15:00 報告2.地域リハビリテーション(CBR)の現状と課題
「座長」リンダミラン(WHO西太平洋地域事務局)
     中村隆一(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
 
18:00 交流会
 
11月11目(火)
10:00 報告3.脊髄損傷の予防とハビリテーション
「座長」A.ペリケット(WHO西太平洋地域事務局)
     木村哲彦(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
 
13:30 報告4.リハビリテーションにおける義肢装具活用の現状と課題
「座長」ニュンニュン(国立リハビリテーション病院)
     山内繁(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
 
15:00 報告5.感覚障害の予防とリハビリテーション
「座長」A.ペリケット(WHO西太平洋地域事務局)
     簗島謙次(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
 
11月12目(水)
10:00 シンポジウム
「リハビリテーション分野における専門職の養成」
「座長」ザリハオマール(マラヤ大学)
     柴田貞雄(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
 
 
11月14目(金)
10:00 WHO国際セミナー東京宣言採択

世界保健機関(WHO)国際セミナー東京宣言1997

1997年11月14日(金)東京国際フォーラム

国立身体障害者リハビリテーションセンター
(障害の予防とリハビリテーションに関する
WHO指定研究協力センター)
所沢市、日本

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局
マニラ市、フィリピン

 世界には身体機能、精神機能、あるいは感覚機能に障害のある人々が5億人以上おり、これらのうち3億人以上はアジア太平洋地域に住んでいる。物理的、心理的、あるいは社会的な障壁によって、彼らはしばしば差別隔離され、かつ劣悪な生活を強いられている。断固とした、しかも効果的な施策がとられない限り、障害のある人々の数は増加すると考えられる。

 1992年に開催されたアジア太平洋経済社会委員会の第48回総会において、参加33か国は1993年から2002年までを「アジア太平洋障害者の十年」とする宣言の決議(第48の3号)を採択した。これは、障害のある人々の完全参加と平等の実現に向けて、アジア太平洋地域の各国政府がその総意を表明したものである。

 国立身体障害者リハビリテーションセンター及びWHO西太平洋地域事務局は、総理府等の関係省庁並びに日本障害者リハビリテーション協会等の障害者団体の後援を得て、「アジア太平洋障害者の十年(1993年~2002年)」の中間年にあたり、1997年11月10日から14日まで東京でセミナーを開催することを呼びかけた。セミナーの開催に先立ち、あらかじめ各国の参加者に質問紙を送り、「アジア太平洋障害者の十年」の目標達成に向けての進捗状況の分析を行ったまた、セミナーでは、それぞれの専門的視点から障害の予防とリハビリテーションについて広汎な討議がなされた

 後半の5年及びそれ以降に向けて、障害の予防、リハビリテーション、機会均等化への動きを推進する緊急かつ一致協力した活動が必要であるとの基本的な合意が得られた

課題領域

【予防】
身体機能、精神機能、感覚機能の障害は、予防可能なものが多い。仮に、機能障害が起きたとしても、本人にとって不利になるような身体的、心理的、及び社会的影響は最小限にとどめることができる。予防プログラムには以下の施策を含むべきである。すなわち、

  • 対象となる人々の教育的、経済的、及び社会的状況の改善
  • 早期発見及び早期治療プログラムの導入
  • すべての人々、すべての集団に提供されるヘルス・サービス、特にプライマリー・ヘルス・ケア・システムの改善
  • 免疫プログラムの推進
  • 適切な法律及び規程の制定
  • ライフスタイルの改善
  • 環境にある危険要因のコントロール
  • 一般市民及び専門家を対象にする障害の予防とリハビリテーションに関わる教育
  • 啓発活動の実施
  • より知識のある、しっかりした家庭とコミュニティーの育成

である。

 避けることのできる能力障害の発生は、経済的損失をもたらす。プライマリー・ヘルス・ケア、栄養、教育、住宅の改善を行う開発プログラムも、障害の予防とリハビリテーションの一層の改善につながる。

  機能障害の結果生じる能力障害を除去し、あるいは最小限にとどめるのに必要なヘルス・ケア及び関連サービスを全ての人々に提供することが奨励される。

【リハビリテーション】
機能障害の発見と診断は、できるだけ早期に行われるべきである。これによって、能力障害の予防、あるいは少なくとも続発性障害への波及を予防するのに必要な医学的ケア及び治療が適切な時期に行えるようになる。能力障害を予防するには手遅れ、または不可能な場合、リハビリテーション・サービスは、自己管理と移動の訓練、手話のようなコミュニケーション、社会・心理・その他のカウンセリング等の支援を含むべきである。リハビリテーションは、福祉用具の提供、特殊教育サービス、及び職業リハビリテーション・サービスにも関わるべきである。リハビリテーション・サービスは、機能障害のある人々が最適な身体的、精神的、社会的機能レベルに到達できるように提供されなくてはならない。

 伝統的なリハビリテーションの取り組みは、施設を基盤にしたものである。リハビリテーション・プログラムの基軸として地域に根ざした(community based)サービスが開発され、推進されるべきである。地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)は、地方でも財政的に可能で、取り組みやすく、実態に合ったものであることが明らかである。地方自治体の支援があれば、地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)は、コミュニティーや家族を援助して、障害のある人々が日常の生活環境の中で機能障害に起因する能力障害を克服しようとする努力を支えることができる。障害のある人々に対する全てのサービスは、可能な限り常に既存の保健、福祉と教育、及び労働機構の中で提供されるべきである。家族を支援するシステムの構築も同じく奨励されるべきである。

【福祉用具】
障害のある多くの人々は、その活動、移動、そして日常生活の自立を改善し、聴覚・視覚の損傷を補うため福祉用具を必要としている。これら福祉用具の製作にあたっては、できるだけ低コストで、その地域にある材料の使用が奨励されるべきである。多くの国々が、これら福祉用具の利用を阻む関税やその他の障壁を取り除いている。自国の全般的な技術発展に見合った福祉用具の開発と製造も支援されるべきである。

【教育】
多くの国々が障害のある児童・生徒に何らかの奨励金を提供しているが、特別なニーズのあるほとんどの子供は、通常の教育も、ノン・フォーマル教育(識字・社会開発教育)も、特殊教育も受けていない。一般に教育によってもたらされる、障害のある子供や大人の可能性に人々は気付いていない。

 障害のある人々は、インテグレーションが成功するように可能な限り通常の教育体制に含まれるべきである。障害のある人々のニーズを配慮した教員養成プログラムが、通常の教育や特殊教育担当の教師、及びこれを支援する教職員に対して実施されるべきである。

【訓練と雇用】
適切なガイダンスと評価、適切な職業適応へ向けてのカウンセリング、そして訓練が行われれば、障害のある人々も広範な仕事をこなすことができる。しかしながら、多くの国では、彼らが生きがいをもてる職業を見付けることは容易でない。一部のアジア太平洋諸国は、割当雇用制度や税金の控除といった方法で障害のある人々の職業への参加を支援している。特別なニーズがある、あるいは重度の障害のある人々のために、福祉的就労の場が整備されている。

 障害のある人々ができるだけ自立できるように、彼らにより多くのより良い雇用機会を保障する他の施策が展開されねばならない。

【人材開発】
アジア太平洋諸国では、障害の予防とリハビリテーション・プログラムを推進する上で最も困難なものの一つは、良く訓練された専門家やスタッフの不足にあることが知られている。教育機関での教育訓練方法も改善される必要がある。その教育訓練の質は一定の基準を満たし、そのカリキュラムは、それぞれの国の社会・文化的な背景を反映したものでなくてはならない。その国が必要とする人材の養成と開発について定期的に評価すべきである。

 強調されるべきなのは、現場レベルの実践者(ワーカー)を指導するリーダーの養成・訓練である。特に、機能障害の早期発見及び基本的援助を担当する、地域を拠点とした(community based)実践者の訓練が重要である。適切な訓練と監督指導(スーパービジョン)が行われれば、地域の実践者は、障害のある人々が必要とするサービスを提供し、人材の不足を補うことができる。

 リハビリテーション・チームのメンバーの指導、養成訓練にあたる専門職員には継統的教育が特に重要である。リハビリテーションのさまざまな課題を扱うためのアジア太平洋地域の研究・教育センターの設置の必要性が認識され、不可欠なものと待望されている。

【情報と国民の啓発】
障害のない人々の非協力的態度によって、障害のある人々には、教育、社会、及び職業への参加の機会が与えられていないことがしばしばある。偏見と差別が社会全体にくまなく広がっていて、障害のある多くの人々に心理的あるいは社会的な困難を引き起こしている。人々の態度・意識上の障壁を除き、社会のさまざまな制度を全ての障害のある人々に開放するために、継続的な啓発活動が必要とされている。

 障害のある人々を含む全ての国民に障害に関わる課題について広く理解を育むため、マスメディアの利用を含め広報・啓発活動が開始されるべきである。

【自助組織】
世界中の障害のある人々は、自らの権利を擁護する組織を作り上げてきたこのような組織を通じて障害のある人々は、政府の指導者に影響を与え、自らのニーズを把握し、優先順位を決定し、サービスを評価し、人々の理解を図る主体者となった。彼らの目的は、完全参加と平等である。

 障害のある人々が彼らの見解を明らかにする機会をもてるように、障害に関する事業の計画と実施にあたっては、障害のある人々の組織とアジア太平洋諸国との協力が奨励されるべきである。

【アクセシビリティ(施設の利用し易さ)とコミュニケーション】
機会均等化への障壁を除去あるいは緩和するために、多くの国で重要な施策が実施されている。障害のある人々が、教育、雇用、社会交流への権利を享受できるよう法律が制定されている。感覚障害のある人々が、全ての種類の情報にアクセスできるようにするための施策が多くの国で行われている。公共交通機関を利用できるようにする方策が採られている。障害のある人々の機会均等化と社会参加を遂行するために更なる努力が払われるべきである。

【データの利用】
多くのアジア太平洋諸国は、障害のある人々の状況を反映した正確かつ包括的なデータを保有していない。特に、精神疾患、精神発達遅滞、及び障害に関するデータが無い。機能障害(Impairment)、能力障害(Disability)、社会的不利(Handicap)の定義は一様ではない。障害の原因、タイプ、及び発生率、またリハビリテーション・サービスの提供についての標準的データベースを構築する必要がある。

 ニーズや優先順位を反映し、注意を払うべきプログラムの確認に役立つように、計画立案者、行政担当者等を支援する効果的で信頼性の高いデータ収集のシステムが開発されるべきである。障害のある人々自身の情報へのアクセスは保証されなくてはならない。これには、さまざまな能力障害の形態に対応した、手近で、安価な情報技術の使用を含めるのが望ましい。

【研究】
アジア太平洋地域のほとんどの国は、障害の予防とリハビリテーションに関わる体系的な研究計画をもっていない。その費用対効果を勘案しながら、きまざまなリハビリテーション政策やプログラムを評価する研究が特に必要とされている。

 生物医学的研究の最近の成果は、障害の予防とリハビリテーションのプログラムの向上に資する新しい手段の活用に向けられるべきである。発展途上国の文化的かつ経済的状況に合った解決策を見い出すように特別な努力が払われるべきである。障害の量と質を決定するために疫学的調査が実施されるべきである。研究成果を互いに利用し合うことが奨励される。

【立法】
ほとんどのアジア太平洋諸国は、障害のある人々に対して教育、雇用、社会保障、及び地域の施設の利用に関わる権利と機会を保障する法律を制定している。これらの国の多くは、物理的・文化的障壁や障害のある人々についての差別などを取り除きながら、完全参加を阻む障壁を除去または軽減するために重要な施策を実施している。

 障害のある人々が、その国民には保障されている権利と自由を行使するのを妨げる多くの阻害要因がある。立法措置を講じて、障害の予防とリハビリテーションを推進し、社会生活において障害のある人々の完全参加を支援するための包括的な法体系と政府機関が整備されるべきである。

【国内調整】
障害のある人々の課題は多岐にわたるが、これを個別的に分離して扱うべきではない。この課題は、異なった障害のある人々の意図も配慮して取り扱うべきである。障害のある人々の健康、教育、職業及び社会活動に関わる官民を含めた諸団体を調整する国の機関が設置され、強化されるべきである。これは、政策の策定やプログラムの立案、そしてその実施の調整を図ることになる。また、これはリハビリテーション分野においてシステムが全体として機能することを保証することにもなる。

【域内協力】
障害の予防、障害のある人々のリハビリテーション、機会均等化といった分野でのアジア太平洋地域内の協力が奨励される。地域内の国々での技術協力、情報や経験の交流を促進するための制度が整えられるべきである。このような協力は、国内調整委員会の設置と強化、ニーズの明確化、情報の収集と分析、そして研究活動や養成研修といった分野に関わるものである。

【結論】
「アジア太平洋障害者の十年」の中間年に開催されたWHO国際セミナーの参加者は、「アジア太平洋障害者の十年」の行動課題に示された作業プログラムを全面的に支持した本セミナーの参加者は、この10年間の進捗状況を定期的に評価することを勧告した「アジア太平洋障害者の十年」の始まりにあたって起草された行動課題へのこのような支持を再確認することは、後半5年及びそれ以降の活動を強力に推進するためには不可欠である。

宣言について

 世界保健機関(WHO)国際セミナー東京宣言1997は、障害の予防とリハビリテーションに関わる世界保健機関(WHO)の支援活動である。これは、「アジア太平洋障害者の十年」の後半に向けて、障害の予防とリハビリテーションについて個人、コミュニティー、そして加盟諸国の努力を支援するためのものである。この宣言は、アジア太平洋諸国の専門家によって行われた「アジア太平洋障害者の十年」の行動課題の遂行状況の分析と、セミナーでの障害の予防とリハビリテーションに関わる真摯な討議を基に起草された

 次の機関がセミナーの開催を支援し、参加した

  • 国立身体障害者リハビリテーションセンター
  • 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局
  • 総理府障害者施策推進本部
  • 厚生省

本宣言についてより詳しい資料が必要な方は、下記までお問い合わせください。
〒359-8555
埼玉県所沢市並木4-1
国立身体障害者リハビリテーションセンター
国際協力事業推進本部事務局
電話:0429-95-3100 ファックス:0429-95-3661
本宣言は、国立身体障害者リハビリテーションセンター・ホームページ
http://www.rehab.go.jp/に掲載されております。

 この文書は、日本の国立身体障害者リハビリテーションセンターと世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局が開催したセミナーにおいて、アジア太平洋諸国の参加者と専門家による障害の予防とリハビリテーションに関する意見をとりまとめたものである。
キーワード:  障害の予防/リハビリテーション/アジア太平洋障害者の十年

この宣言は、世界保健機関(WHO)の公式文書ではないが、その著作権は世界保健機関に属する。この文書を販売その他商業目的で利用するものでなければ、一部または全部について批評、要約、引用、あるいは翻訳しても差し支えない。

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局
マニラ市、フィリピン


DECLARATION OF THE SEMINAR
TO MARK THE MID-POINT OF THE ASIAN AND PACIFIC
DECADE OF DISABLED PERSONS
TOKYO, 1997

The best estimates show that more than 500 million people in the world are disabled as a consequence of physical, mental or sensory impairment. Of these, more than 300 million live in the Asia and Pacific Region. Because of physical, attitudinal and social barriers, disabled persons are often forced to live segregated and degraded lives. Unless decisive and effective action is taken, the number of disabled persons is expected to rlse.

In 1992, 33 countrles, attending the forty-eighth session of the Economic and Social Commission for Asia and the Pacific (ESCAP), adopted Resolution 48/3 on the proclamation of an Asian and Pacific Decade of Disabled Persons, 1993-2002. This was an expression of the collective commitment of governments of the Asian and Pacific Region to th~ full participation and equality of people with disabilities.

On 10-14 November 1997, a seminar to mark the mid-point of the Asian and Paciflc Decade of Disabled Persons, 1993-2002, was convened in Tokyo, Japan, by the National Rehabilitation Center for the Disabled of Japan and the WHO Regional Office for the Western Pacific in collaboration with the Prime Minister's Secretariat, other Japanese Government agencies, the Japanese Society for Rehabilitation of Disabled Persons, and other consumer organizations. Before the seminar, a quick assessment of progress made towards achievfng the objectives of the Decade was undertaken through questionnaires sent to the particfpants. Specific aspects of disability prevention and rehabflitation were likewise extensively discussed during the seminar.

There was a general consensus on the need for immediate and concerted action to strengthen programmes for disabilily prevention, rehabflitation and equalization of opportunities for the remainder of the Decade and beyond.

AREAS OF CONCERN

PREVENTION
Many physical, mental and sensory impairments can be prevented. If impairments have occurred, their undesirable physical, psychological and social consequences can be minimized. Programmes of prevention should include the following measures: improvements to the educational, economic and social status of the population; introduction of early detection qnd intervention programmes; improvement of health service delivery, particularly primary health care systems that reach all segments of the population; expansfon of programmes of immunization; passage of appropriate legislation and regulations; modification of lifestyles; control of environmental hazards: conduct of education and fnformation campaigns related to disabilily prevention and rehabilitation for the public and professionals; and fostering of better informed and strengthened families and communities.

Avoidable disability causes economic waste. Development programmes that result fn better primary health care, nutrition, education and housfng increase the likelihood of improved disability prevention and rehabilitation.

The provision for all people of health care and related senlices needed to eliminate or minimize the disablfng consequence of impairment is encouraged.

REHABIITATION
Detection and diagnosis of impairment should be made as early as possible so that the necessary medical care and treatment can follow in time to prevent disability or at least prevent it from escalating into more limiting secondary disabilitfes. In cases where prevention of disability is too late or impossible, rehabilitation services should include training in self-care activities and mobility; communication, for example sign language; social, psychological and other types of counselling and assistance. Rehabilitation should also involve provision of technical aids; special education services; and vocational rehabilitation services. The provision of rehabilitation senlices for persons with impairments to enable them to reach optimum physical, mental and social functional levels should be ensured.

The traditional approach to rehabilitation is institution-based. Efforts should be made to develop and strengthen communitybased rehabilitation (CBR) senlices, as the mainstay of rehabilitation programmes. CBR has been found to be affordable, accessible and appropriate to local situations. With local govemment support, it could help communities and families to refnforce the efforts of their disabled members to overcome the disabling effects of impairment within their normal environment. AII lypes and levels of selvices for disabled persons should be provided, whenever possible within the existing health, social, educational and labour structures. The establishment of family support systems should likewise be encouraged.

ASSISTIVE DEVICES
Many disabled persons need technical aids to improve function, mobility and independence in everyday activities or to compensate for loss of hearing or vision. As far as possible, the use of low-cost, indigenous materials in the fabrication of these devices should be encouraged. Many countries have eliminated import taxes and other obstacles that hinder accessibilily to such aids and equipment. The development and production of technical aids in line with the overall technological development of countries should be su p ported.

EDUCATION
Although many countries offer some forms of scholarship for disabled children, most children with special needs receive neither regular, non-formal nor specialized education. People are generally unaware of the potential of disabled children and adults to benefit from education.

To the extent possible, disabled persons should be included in the general educatfon system to ensure successful integration. Teacher training programmes coverlng the needs of disabled persons should be provided for regular teachers, special teachers and other members of the education support teams.

TRAINING AND EMPLOYMENT
Given proper guidance and assessment, counselling on proper work adjustment and training, disabled persons can perform a wide range of work. However, in many countries it is not easy for them to find meaningful employment. Some Member States have supported the integration of disabled persons into employment through measures, such as quota schemes and tax concessions. For disabled persons with special needs or severe disabilities, sheltered workshops have been established.

Alternative strategies to ensure more and better employment opportunities for disabled persons should be developed so that persons with disabilities could be self-reliant to the extent possible.

HUMAN RESOURCE DEVELOPMENT
Member States are aware that one of the most formidable obstacles to the development of disabilily preventlon and rehabilitation programmes is the scarcity of trained professionals and personnel. There is also a need to improve the way institutions conduct training. Qualily should be standardized across courses. Curticula should consfder the socio-cultural setting of each country. Assessment should be made perlodically with regard to human resource needs for training and staff development in accordance with national prlorlties.

Emphasis should be placed on training of trainers of field level workers. Training of community-based workers fn the early detection of impairment and provision of prlmary assistance is particularly important. With adequate training and supervision, communily workers can provide the senlices needed by disabled persons and help to alleviate human resource shortages.

Continuing education is particularly important for professionals supervising and training rehabilitation team members. The need for the establishment of a regional research and training centre to address the varlous issues of rehabilitation has been recognized and is deemed essential.

INFORMATION AND PUBLIC AWARENESS
Disabled persons are often excluded from educational, social and vocational opportunities because of the negative attitudes of non-disabled persons. Prejudice and discrlmination extend to all levels of sociely and create psychological and social problems for many disabled persons. Sustained public education campaigns are needed to eliminate attitudinal barriers and to open the various systems of sociely to all disabled persons.

Public information and public education campaigns, including the use of media, should be launched to foster a broader understanding of disability-related matters among all elements of the population, including disabled persons.

SELF-HELP ORGANIZATIONS
Disabled personsthroughout the world have established organizations to function as advocates for their rights. Throughsuch organizations, disabled persons have become their own representatives, influencing government leaders, identifyfng thefr own needs, determining priorities, evaluating senlices and promoting public awareness. Their aim is full participation and equality.

To ensure that disabled persons have opportunities to make their views known in the planning and implementation of disabilily-related matters, collaboration between disabled persons' organizations and Member States should be encouraged.

ACCESSIBILITY AND COMMUNICATION
Important measures have been taken by many countries to remove or reduce barriers to equalizatfon of opportunities. Laws have been passed to enable dfsabled persons to enjoy the rights to education, employment and social interaction. Many countries have taken steps to provide access to all kinds of information for people with sensory disabilities. Means of making public transportation accessible have been designed. Efforts should be intensified to achieve equal opportunities and to integrate disabled persons into sociely.

DATA AVAILABILITY
Many Member States do not have~ accurate and comprehensive data which reflect the situation of disabled persons. In particular, data on mental illness, mental retardation and disability are often lacking. Definitions of impairment, disability and handicap are not uniform. There is a need to establish a standardized database on the causes, types and incidence of disabilily, and the availabilily of resources for rehabilitation selvice delivery.

An efficient and reliable system of data collection which includes data on disability should be developed to help planners. policy-makers and administrators in projecting needs and priorities, and identifying programmes which should be given attention. Informatfon access for disabled persons themselves should also be ensured. This could include the use of available and affordable information technology for various forms of disability.

RESEARCH
Most countries in the Region do not have an organized research agenda for disabilily prevention and rehabilitation. Studies which evaluate varlous rehabilitation policies and programmes, assessing their gains and costs, are greatly needed.

Recent progress in bio-medical research should be tapped to develop new tools for improving disability preventfon and rehabilitation programmes. Particular efforts should be devoted to finding solutions which are appropriate to the cultural and economic conditions in developing countries. Epidemiological studies to determine the magnitude and nature of disabilities should be undertaken. The sharing and utilization of research findings should be encouraged.

LEGISLATION
Most Member States have enacted some laws to guarantee disabled persons the right to, and opportunities for, education, employment, social security, and access to community facilities. Many countries have taken important steps to eliminate or reduce barriers to full participation, removing physical and cultural barriers and eliminating discrlmination against disabled persons.

Many conditions prevent disabled persons from exercising the rights and freedoms guaranteed to their fellow citizens. A comprehensive legal basis and authorily for measures to promote disabilily prevention and rehabilitation and to support the full participation of disabled persons in the life of the communily should be created through legislatfon.

NATIONAL COORDINATION
The concerns of disabled persons are varied and should not be treated in isolation. These concerns should be addressed taking into consideration the aspirations of persons with different types of disabilities. National bodies to coordinate the efforis of each sector, public or private, which has responsibility for specific areas concerning disabled persons--health, education, vocation and social-- should be established or strengthened. This will promote coordination in policy formulation, programme planning and implementation. This will also ensure that the system functions as a whole in the field.

REGIONAL COOPERATION
Regional cooperation should be encouraged in the field of prevention of disabilily, rehabilitation of disabled persons and equalization of opportunities. Arrangements should be made to intensify technical cooperation and exchange of information and experience among countries in the Region. Cooperation could be in such areas as establishing or strengthenfng national committees, identifying needs, collecting and analysing information and collaborating in research activities and training.

CONCLUSION
The participants of the seminar to mark the mid-point of the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons gave their full support to the programme of work contained fn the Agenda for Action. They recommended perlodic evaluation of the progress made during the Decade. Such a reaffirmation of support for the Agenda for Action, which was drawn up at the beginning of the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons, is essential to strengthen actions for the remainder of the Decade and beyond.

ON THE DECLARATION

The Declaration of the Seminar to mark the Mid-point of the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons, Tokyo 1997 is in support of WHO's work on the prevention and rehabilitation of disabilities. It is an attempt to reinforce and strengthen efforts of fndividuals, communities and countries in disability prevention and rehabilitation for the remainder of the Decade and beyond. The declaration was developed based on the assessment made by experts from various counfries in Asia and the Pacific of the progress made in the implementation of the agenda for action for the Decade, and from extensive discussions on various aspects of disability prevention and rehabilitation during the seminar.

The following organizations supported and participated in the seminar;

  • National Rehabilitation Center for the Disabled, Japan
  • WHO Regional Office for Western Pacific
  • Prime Minister's Secretariat, Japan
  • Ministry of Health and Welfare, Japan

For further information on this declaration can be requested to Dr. Yasuhiro Hatsuyama
President
National Rehabilitation Center for the Disabled, Japan
4-1 Namiki, Tokorozawa City, Saitama Pref., Japan
ZIP 359-8555

The declaration is accessible at
http://www.rehab.go.jp/

This document is a consensus statement on disability
prevention and rehabi I itation by partioipants and experts from
countries in Asia and the Pacific at a seminar organized by
the National Rehabilitation Center for the Disabled and the
World Health Organization Regional Offioe for the Western Pacific.
Key-words : Disability Prevention / Rehabilitation /Asia & Pacific Decade of Disabled Persons

This document is not a formal publicatfon of the World Health Organization (WHO), and all rights are reserved by the organization. The document may, however, be freely reviewed, absfracted, reproduced or translated, in part or in whole, but not for sale or for use in conjunction with commercial purpose.

WESTERN PACIFIC REGIONAL OFFICE
WORLD HEALTH ORGANIZATION
MANILA. PHILIPPINES


目次

各国の報告
報告1:精神障害者および知的障害者のリハビリテーション
[座長] N.V.KNair   WHO西太平洋地域事務局
浅井 邦彦   日本精神病院協会

     精神病患者と精神障害者のリハビリテーション
ロバートフィッシャー   オーストラリア

     共同体精神健康家族ケアにおける精神病患者の社会心理的リハビリテーション
-北京の田園Haidian地区における経験-
シェンユークン       中国

     マレーシアにおける精神病患者の社会心理的リハビリテーションの進歩と傾向
マハ パラメシュラバラ ディヴァ   マレーシア

     精神病患者と知的障害者のリハビリテーション
-精神的障害者の処置の変遷-
吉川 武彦   日本

報告2:地域リハビリテーション(CBR)の現状と課題
[座長] Linda Milan   WHO西太平洋地域事務局
中村 隆一    国立身体障害者リハビリテーションセンター

     フィジーにおけるリハビリテーション展開のバリア
ジャカタマ トガ   フィジー

     ナショナルプログラムとしての地域リハビリテーション(CBR)
ハンドヨ チャンドラクスマ   インドネシア

     マカオにおけるリハビリテーション-仮想現実からの脱却-
リノ ピント マルケス   マカオ

     マレーシアにおける地域リハビリテーションの現状と今後の課題
サンディヤオ セバスチャン   マレーシア

     西ネグロス(フィリピン)におけるCBR
タカド プリミティーボ カマヨ   フィリピン

     身体障害のある人々の地域リハビリテーションとプライマリーケア
中村 隆一   日本

報告3:脊髄損傷の予防とリハビリテーション
[座長] A.Periquet   WHO西太平洋地域事務局
木村 哲彦    国立身体障害者リハビリテーションセンター

     オーストラリアにおける脊髄損傷の管理
ルース マーシャル   オーストラリア

     脊髄損傷者の反復性緊張症候群に対するリハビリテーション
ジャン ジュン リー   中国

     インドネシアにおける対麻痺
スプランジョノ   インドネシア

     韓国における脊髄損傷の予防とリハビリテーションの現状と将来計画
チャン イル パク   韓国

     タイにおける最初の脊髄損傷ユニット
チョラベチ チャバシリ   タイ

     国立身体障害者リハビリテーションセンターにおける脊髄損傷のリハビリテーション
木村 哲彦   日本

報告4:リハビリテーションにおける義肢装具活用の現状と課題
[座長] Nyunt Nyunt   国立リハビリテーション病院
 山内 繁       国立身体障害者リハビリテーションセンター

     中国における障害者に対する義肢装具ケアの展望
ツァオ ダホン   中国

     ラオスにおける義肢装具
ソーパン インシラット   ラオス

     マレーシアにおける義肢装具の課題と問題点
ザリハ オマール   マレーシア

     ミャンマーにおける義肢装具リハビリテーション
ニュンニュン   ミャンマー

     日本のリハビリテーションと義肢装具
飛松 好子   日本

報告5:感覚障害の予防とリハビリテーション
[座長] A.periquet   WHO西太平洋地域事務局
簗島 謙次   国立身体障害者リハビリテーションセンター

     バングラディシュの聴覚障害
-知られざるハンディキャップ-
ハッサン サイディ カーン   バングラディシュ

     インドネシアにおける聴覚障害予防とリハビリテーション
ヘンダルト ヘンダルミン   インドネシア

     フィリピンの聴覚障害予防プログラム
クリスチーナ ロペス   フィリピン

     フィリピンにおけるロービジョンの現況
カブレラ ベンジャミン   フィリピン

     タイのロービジョンプログラム
ポーンチャイ シマロー   タイ

     日本の視覚リハビリテーションの現在と未来
簗島 謙次   日本

シンポジウムリハビリテーション専門職の訓練と教育
[座長] Zaliha Omar   マラヤ大学
柴田 貞雄     国立身体障害者リハビリテーションセンター

     中国におけるリハビリテーション専門職の教育
ナン デンクン   中国

     障害者リハビリテーションの人的資源
-マレーシアにおける人材教育の展望-
ザリハ オマール   マレーシア

     リハビリテーション専門家のための教育と養成
チャン ウエイ リムウイリアム   シンガポール

     タイ王国におけるリハビリテーション専門家教育の現況
ポーンピット アマチャクル   タイ

     国際協力によるリハビリテーション関係職の教育と訓練
-日本の国際協力の可能性と提案-
柴田 貞雄   日本

参加者名簿


主題:世界保健機関(WHO)国際セミナー 報告書  挨拶~目次
発行者:国立身体障害者リハビリテーションセンター
財団法人日本障害者リハビリテーション協会
発行年月:平成9年11月
文献に関する問い合わせ先:国立身体障害者リハビリテーションセンター
国際協力事業推進本部事務局
電話 0429-95-3100 ファックス 0429-95-3661
国立身体障害者リハビリテーションセンターホームページ
http://www.rehab.go.jp/