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障害者とメディア 「マスメディアと障害者」ヨーロッパ大会

導入(背景状況、目的)

導入

「マスメディアと障害者」大会は、欧州連合およびEU議長国ギリシャの厚生省をはじめとする関係諸機関の後援を得て、欧州障害者フォーラムおよびギリシャ全国障害者連盟との緊密な提携のもとで開催されました。

背景状況

本大会は、ヨーロッパにおける障害者年のハイライトとして開催されました。その主な目的は、ヨーロッパのマスメディアにおける障害者の扱い方という重要問題を検討し、改善の方策を探ることです。この目標を定める上で根拠となったのは、ヨーロッパ障害者年の枠組みとなった「マドリッド宣言」の中で提案された、次のアクションです。

「マスメディアは、障害者組織とのパートナーシップを構築し強化していく義務がある。人間は一人一人違うという認識のもとに、障害者に関する情報を取り上げていかねばならない。障害者問題を扱うときは、庇護者ぶった態度も屈辱を与えるような態度も取ってはならない。マスメディアは、障害者が直面している障壁を進んで取り上げることにより、これらの障壁を乗り越えることで障害者が実現できる理想の社会の構築に、積極的に関与していく必要がある。」(マドリッド宣言)

目的

本大会は、今までにない革新的な方法で行われました。すなわち本大会において初めて、各種の障害者組織とヨーロッパのマスコミ関係者が一同に会し、障害者の認知度を高め、障害者への対応を改善する方法を討議することになったのです。

この大いなる目標の達成に向けて、ヨーロッパの各種関係団体から300人以上が出席しました。出席者には民間および公共テレビ・ラジオ局等の主要メディアの専門職員、ジャーナリスト、広告会社幹部をはじめ、通信会社、障害者分野のマスコミ、EU加盟諸国の報道・情報担当政府機関、そして、もちろん障害者団体の代表者が含まれています。

最終プログラムは、主催者、欧州メディアの主要ネットワーク、そして障害者団体の代表者が、多くの時間と労力を費やして行った準備作業により作成されました。

この最終プログラムは、「マスメディアにおける障害者の描写を改善する」というテーマのもとに作成され、望ましい行動と避けるべき行動の具体例に基づき、マスメディアにおける障害者の描写を改善するための各種の戦略を探る内容になっています。

準備作業部会は、各種のテーマを全て取り扱うことができるように、5つの主要分野を明確にしました。その結果、本大会は6つの全体会議を中心とした構成となりました。

最初のセッションでマスメディアにおける障害者の一般的な取扱い方法について討議し、続く5つのセッションでは、各々の具体的なテーマ(ニュースの中の障害者のイメージ、広告・小説の中の障害者のイメージ、マスメディア業界における障害者の雇用と採用、マスメディアおよびその新技術へのアクセス、積極的行動の支援における政策決定者の役割)について話し合いました。

各セッションでは当該分野の専門家によるプレゼンテーションの後、討論を行いました。

「マスメディアと障害者」大会の最終報告書である本資料には、開会と閉会の辞の要約、および、各セッションの報告を含む概要を掲載しています。

また大会のまとめとして出席者全員により採択された「マスメディアと障害者」宣言の全文を掲載しています。