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障害者とメディア 「マスメディアと障害者」ヨーロッパ大会

オープニングセッション

Mr. Christos Protopapas-ギリシャ報道マスメディア省

アテネ経済経営大学経営管理学部(ASOEE)卒。長年ギリシャ障害者運動に積極的に関わる。GSEE(ギリシャ労働者全統連盟)会長ならびにETUC(ヨーロッパ労働組合)副長として、障害者の市民社会への参加を促す。1996年国務大臣、2001年10月報道大臣に任命され、毅然たる態度で障害者問題に積極的に取り組んでいる。

この会議は、重要な問題を取り扱うことを目的としています。障害者は一般市民であるため、本大会がテーマとしている問題は、社会一般に関係する社会的問題であると言えます。障害者は、生活の質、平等、よりよい教育、万人のための正義等、社会の繁栄と発展をめざすヨーロッパモデルの基盤となる市民です。このような社会が求めるのは、互いの差異や能力を敬う態度です。

法律は必要ですが、それが全てではありません。成功を左右するのは行動であり、私たち一人一人の力です。この目的達成にはメディアの貢献も不可欠です。視覚映像が各種の社会グループに及ぼす影響は誰の目にも明らかです。マスメディアの影響で生じる態度や行動様式が、世論形成へと発展する可能性についても、知らない人はいないでしょう。従ってマスコミは責任ある態度で、そしてプロとして公明正大な態度で、障害者問題に取り組んでいく必要があります。「人間は皆平等です。マスメディアにおいても平等というコンセプトを強調すべきです。障害者を『同情すべき人々』として描写するのではなく、社会の一員として平等に扱っていかねばなりません。」

不十分な情報は、スティグマを形成し、社会の発展と態度の変容を阻害します。他の市民と同様、障害者も国の経済発展に貢献しているにもかかわらず、この事実は十分認識されていません。今後、重要になる情報には2つのレベルがあります。1つは国レベルの情報です。国は諸機関と協力し、短期および長期にどのようなことを達成するのかという情報です。もう1つは、メディアと社会におけるメディアの役割に関係する情報です。メディアは障害者をより積極的に取り上げることによって、「固定観念を捨て、各人の特徴を敬うことにより、民主主義をさらに発展させることができる」という基本原則を伝えていく必要があります。

ヨーロッパ人の10%が何らかの障害を抱えています。しかし多くの国においてこれらの障害者が情報にアクセスすることは非常に困難です。しかし他の人々と同様、障害者も余暇活動を行い情報にアクセスする権利を有しています。この問題解決のための1つの方法は、聴覚障害者が理解できる方法によるニュース報道を、1日に1度以上行うことを義務化することです。このような法規を導入することで、現在見うけられる障害者を社会の片隅に追いやったり、社会から排除するようなことを防ぐことができます。もちろん、メディアは、表現の自由を正しく確保しなければなりませんし、そのために、放送する内容の選択についても偏りがあってはいけません。このような理由から、メディアと障害者が定期的な情報交換を継続的に行うことにより、全ての人のニーズを満たす方法を見出すことができるでしょう。

Protopapas氏は、マスメディア関係者の制約やニーズを理解し、共に解決策を探るために、彼らとの話し合いをすぐにでも開始したいと述べました。最後に「社会全体が第一歩を踏み出し、共通の目標達成に向けて全員が協力していく」ことを提案し、これは私たちが「正しい方向に進んでいる」ことを確認する「唯一の方法」だと述べました。