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日英セミナー「障害者のための社会的な仕事と雇用の創出」

参考資料3

「リンケージ・コミュニティー・トラスト」

リンケージ・コミュニティー・トラスト(一般にはリンケージという名称で呼ばれることの方が多い)は、1971年、教育分野で活動している専門家のグループが、知的障害のある若者達を対象とした支援に現実のニーズとのギャップを認識したことがきっかけで設立された。つまり、特別なニーズのある若者達に対して提供された教育が実は不十分であったということが、このような若者達が学校を離れるにあたって、認識されたのである。多くの若者達は、学校を離れた後も、「外の世界」での生活で要求される事柄に対処するのに役立つような支援や研修を引き続き必要としていた。しかし生涯教育を行う施設は不足しており、またたとえ提供できたとしても非常にその場限りで、ある特定の障害に即してのみ適用されるケースや、教育或いは就業準備の一分野だけに集中しているケースが多かった。

専門家グループは、自分たちの考えを今日見られるような形へと現実化しようと、資金を集め、支援を得るために活動を始めた。そして更に計画と調査がすすめられ、既に学校を離れた知的障害者を対象とした広範囲に渡る全寮制継続教育コースの提供を目的とした慈善団体として、リンケージ・コミュニティー・トラストが認可された。1979年には、スタッフと支援者の熱心な活動により、最初の大学が設立された。これがリンケージの最初の全寮制生涯教育専門大学である。この大学が開かれたとき、寮にはたった4人の学生しかおらず、また3ヶ月間分の運営資金しかなかった。しかし、成功を収めるに連れ、すぐに更に多くの学生が入学を希望するようになり、1982年には2番目の障害教育大学が開かれた。

様々な程度の知的障害がある多数の若者達にとって、コミュニティーで創造的かつ目的のある生活を送り続けることが出来るような適切な支援が非常に不足しているということも再認識された。このニーズに応えるため、リンケージはコミュニティーを基盤とした保護監督を24時間体制で提供する、初めての居住型ケア・ホームを設立した。


現在、専門の生涯教育とケア・サービスを提供する一方で、知的障害者が自立した生活をする真の機会を与えられるのなら、働いて給料を得る機会も与えられるべきであるということも、リンケージは認識している。そこで、1999年にリンケージ雇用サービスが新に導入された。

リンケージは現在1000万ポンドを超える売上高を計上し、500人を超えるスタッフを雇用しており、また学生は英国中から集まってくる。しかし、リンケージの使命と価値観は、今なお1971年当時そのままで変わらない。

使命
リンケージは、知的障害者及びその他の障害者が、自己の可能性を完全に実現出来るよう、包括的な生涯教育、ケア及び雇用サービスを提供する機関として、最初の選択肢にあげられることを目指している。