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国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向」

講演2 要旨 「身近なところにヒントを探してみよう」

スチュアート・マッケンジー

スチュアート・マッケンジーはアクアリウム(観賞用水槽)のレンタル及びメンテナンス会社を、障害者のソーシャル・インクルージョンを尊重する立場に基づき設立した。
アクアマックスでは、関係者全員の会社に対する貢献が評価される。そして通常は耳を傾けてもらえない人々の声が、しっかりと聞き届けられ、誰もが心配事や希望を口にすることができる。同社の経営は、チームワークと情報の共有、十分なコミュニケーション、そしてフィードバックを原則としており、仕事を覚えたり変更したりすることが容易にできるよう、集団で取り組む方法が採用されている。

アクアマックス設立の過程では、個人的な経験が生かされた。1997 年、交通事故に遭い、生涯にわたって続く慢性的な痛みと、絶え間ない疲労感に苦しむようになったが、どの医者も診断名を下すことはできなかった。1年間働くことができず、それまで楽しんでいたあらゆるスポーツやその他の激しい運動をすることをあきらめなければならなかった。マッケンジーは恐れ、絶望し、自分が何をしたらいいのか、またどうやって家族を養えばよいのか、わからなくなった。
1998 年、大学での一年間の再教育コースに入学した。そして1999 年に銀行での職を紹介されたが、そこでは自分が尊重されているとか、「真の」人間として受け入れられていると感じることができず、むしろ、会社の障害者雇用割り当て数を埋め合わせるための一人であるとしか思われなかった。2000 年になって、ついに診断が下り、線維筋通症であることがわかり、少なくとも自分が抱えている問題が把握できた。
マッケンジーは、政府の新起業家スカラシップを通じて獲得した3,500 ポンドとビジネスの専門知識及び技術をもとに、自分でビジネスを始めることを決意した。そして2002 年、障害者に雇用の場を提供するという目的を持ったソーシャル・ファーム、アクアマックスを設立した。同社は外部からの経済支援を受けない個人経営企業で、現在4人の従業員を雇用している。
マッケンジーは、自分自身の人生経験を、アクアマックスの企業哲学及び経営方法の基盤として生かすことを固く心に決めている。つまり、従業員が単なる人数の埋め合わせであるかのように扱われるのではなく、ともに経営に参加していると実感させることだ。
様々な顧客にサービスを提供するために、多種多様な労働力を創出、開発し、そして管理することは、アクアマックスにとって効率を上げるための重要な鍵となる。アクアマックスでは、誰もがそれぞれのニーズと能力に応じて、一個人として扱われる。その結果、単なる製品やサービス以上のものを提供することが可能になる。
アクアマックスが成功を収めたことで、同社はイギリスの新たなフランチャイズ企業のモデルとして利用されるようになり、ソーシャル・ファームUK は、スチュアート・マッケンジーとともにアクアマックス有限会社 という新会社を設立した。マッケンジーは取締役として、フランチャイズ店に対し、研修や経営に関するアドバイスを有償で提供する。アクアマックス有限会社は経済的な目的よりもむしろ社会的な目的を掲げており、すべての収益は同社において再投資されている。