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国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向」

主催者挨拶

鴨下 重彦
社会福祉法人賛育会病院院長/日英高齢者・障害者ケア開発機構委員長

新年明けましておめでとうございます。ご紹介を賜りました鴨下でございます。主催者を代表して一言ご挨拶申上げます。本日は新年早々この国際セミナーにかくも大勢の方々のご参加を頂きまして誠に有り難うございます。このセミナーは2000 年の9 月に第一回が開かれておりますので、既に6 年の歴史がありますが、「高齢者や障害者の社会参加を促進する、そのためにどのような支援を行うべきか」ということを基本テーマとして毎年開催されて参りました。主催団体であります、日英高齢者・障害者ケア開発機構を立ち上げ、これまで中心になってリードしてこられましたのは、環境事務次官の炭谷茂さんでありまして、本日も基調講演を頂くことになっております。

日英ということで、おめでたい話を一つご紹介したいのでございますが、3 日前、1 月12日に日本国際賞Japan Prizeの受賞者の発表がありました。英国のSir John Houghtonが「地球環境変動」(Global Change)分野で見事に受賞者に決まりました。私はもう一つの分野、医療に関する分野での選考委員長でありましたが、この決定を喜んでおり、英国大使館の一等書記官Edward Wright さんにもお祝いを申上げたいと思います。授賞式は4 月20 日に天皇皇后両陛下のご臨席のもとに行われ、Houghton さんには5000 万円の賞金が授与されます。

このJapan Prize ですが、過去20 年、広い意味での地球環境問題については英国の研究者が三人も受賞しており、この分野では英国が世界のリーダーであることを認識致しました。そしてそのことは、本日のテーマSocial Inclusion の思想と無関係ではないように思っております。

さて本日はこれから、プログラムにございますように、第1部と第2 部に分かれておりますが、最初に炭谷環境事務次官による基調講演「ソーシャル・ファームの普及・拡大の戦略」が行われ、引き続きヨーロッパにおけるソーシャル・ファームの第一人者と目されているSEP 所長のGerold Schwarz さんから「障害者にとって有意義な雇用の創出」という題の講演を頂き、次に熱帯魚レンタル会社を作られ、そのDirector で活躍をされているStuart Mackenzieさんが「身近なところにヒントを探してみよう」という題でお話しをされます。おそらくご自身の体験に基づいたユニークなお話しが伺えると思います。 その後休憩を挟んで、第2部のパネルディスカッションに入りますが、こちらは早稲田大学の山内繁教授のコーディネーターの下で、東京家政大学の上野容子助教授、リンクス・ジャパンのPhillida Purvis 代表、そしてヤマト福祉財団の伊野武幸常務理事に発題頂き、さらに3人の講演者にもお加わり頂いて、意見交換をすることになっております。おそらくフロアーからのご質問やご意見も頂く時間もあろうかと思います。

Social Inclusion については、日本はまだまだ英国や欧米先進国から学ばなければならないと思います。今日のこのセミナーを通して、世界の障害者インクルージョンについての意識が一層高まることを心から祈念致しまして、ご挨拶と致します。どうぞよろしくお願い申し上げます。