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障害者放送協議会 放送・通信バリアフリーセミナー
障害者と放送・通信

第1部 
講演2 情報通信のユニバーサル化に向けた取り組み

上原 仁
総務省情報通信政策局情報通信利用促進課長

ご紹介をいただきました上原でございます。総務省情報通信政策局におりまして、私のおりますのが情報通信利用促進課と申しまして、課の仕事は情報通信分野の人材育成と情報通信分野の高齢者・障害者への支援ということでございます。本日はこの中でも、後者の部分についてお話をさせていただきたいと思います。

皆様、本当にお招きをいただきましてありがとうございます。今日のお話しですけれども、大別すると3点、お話申し上げようと思います。

まず1点目が、情報通信政策の概要ということで、政府全体の戦略、政策それから総務省としての取り組みといったことのご説明を申し上げます。この中で障害者向け、いわゆるデジタルデバイド対策というものが、どういうふうに位置付けられているかということをご説明したいと思います。それから今日、放送の関係のお話があるということですので、放送のデジタル化の関係のお話。制度的なものとか全体的な話が中心になりますけれども、議論の土台になるのかなと思いまして、大枠についてご説明したいというふうに思います。それから3点目ですけれども、デジタルデバイドへの取り組み。課の中でやっているものですけれども、総務省の情報バリアフリーの推進政策。なかでも字幕放送等、解説放送等も含みますけれども、こういったものも充実させるということで色々取り組みを行っておりますので、そういった内容の紹介をさせていただくということで考えております。

まず政府全体の取り組みということで、e-Japan 戦略というのは聞かれたことがあるかと思います。今から5 年程前に政府全体として、ここに書いてありますけれども、我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となるという目標を定めまして、5年間で緊急かつ集中的に対応しようということで決めた戦略であります。2005年ですが、昨年まで、4つの重点分野というものを決めまして、インフラ・電子商取引・電子政府・人材、こういったことについて取り組んでいます。特にインフラです。世界最高水準のインターネット環境を形成しようということで、当時目標として2005 年までに常時接続が可能な環境として、高速インターネットが3千万世帯、超高速インターネットが1千万世帯ということで、かなり野心的な目標だったのではないかというふうに思います。ちなみに高速というのが、その当時の定義ですと音声のデータをスムーズにダウンロード出来る、こういったネットワークということで、これが3千万世帯。それから超高速というのが、映画とか大容量の映像をスムーズにダウンロード出来る、そういったようなネットワークということです。

右側にその後2004 年でレビュー段階の数字、目標の2005 年のより前の段階ですけれども、随分上回っている数字になっています。こういった環境になったおかげで、今iPodとか随分流行っていますけれども、皆さん、インターネットにアクセスしていただけるような環境になってきたということだろうと思います。2005年までの目標としていたのですけれども、その途中の段階で若干戦略の見直しをしておりまして、2003年ではe-Japan 戦略Ⅱというものを出しております。最初はインフラ重視だったのですが、今でも同じような議論があると思いますけれども、利活用の方をがんばっていかなければならないということで軸足を少々ずらしていきました。もちろん社会基盤を整備するというのもありましたけれども、それに加えて医療のような分野、7分野について利活用を先導していこうというふうな取り組みが始まったわけです。

こういったような状況を受けて、2005年までで一段落になるわけですので、総務省でこの次を目指してどうしようということで考えたのが、u-Japan 政策というものです。2004年の3 月ぐらいに研究会を開催して、2010年に向けて取り組むべき課題ということで、主として生活福祉の分野・教育就業の分野そして産業行政の分野、3つの分野について目標を定めて、そのためにはどうしていったらいいのかということを考えたものです。

u-Japan という言い方をしておりまして、uというのはユビキタスのuということで、ユビキタスという言葉も随分浸透してきたのかなと思いますけれども、ここに書いてありますが、元々の意味はラテン語で「いつもでも・どこでも・なんでも・誰でも」ネットワークに簡単に繋がると、そういったものを目指しているというものでございます。ただu-Japan のuは、ユビキタスのuだけではなくて、下に3つありますけれども、ユニバーサル・ユーザーオリエンテッド・ユニークとか、こういった言葉も意味しておりまして、それぞれに語呂合わせですけれども、日本語の言葉も一応結び付けてあって、それぞれ結・優・融・湧という言葉を散りばめているということになっております。こういった目標を定めて、どうしたらいいのかということを考えたのが政策パッケージということで、一番上に書いてある3つ分類があります。人に優しい・利用者の視点・個性ある活力と書いてありますけれども、これが先程申し上げたユニバーサルとかユーザーオリエンテッド・ユニークにそれぞれ対応しているということになります。こういったものを実現するために、下の方の四角に、例えばネットワークの整備については2010 年までに国民の100%が高速または超高速ネットワークが使えるとか、真ん中の欄にありますがICT利活用の高度化ということで、2010年までに国民の80%がICTは課題の解決に役に立つと評価していただけるようにしようとか、あるいは右側に利用環境整備という中で、国民の80%がICTに安心感が得られる社会にしようというような目標を立てているわけです。

この中の真ん中の段、ICT利活用の高度化という中に、この絵だと非常に小さいのですがユニバーサルデザインの導入促進ということが入っています。そこの部分を抜き出したのがこの資料になるわけでして、具体的には何かということですけれども、情報・HP等のコンテンツに関するアクセシビリティを確保しようということで、ガイドラインのJIS化とか、これはもう出来ました。それから国際提案は、今おこなっております。

それからアクセシビリティの確保に必要な体制のモデル。モデルを昨年12月に取りまとめまして、今、一所懸命、説明会・セミナー等を開催しているところです。それから字幕番組等の普及方策、新たな普及目標等を検討するということで取り組んでいくというものです。それから2番目の四角のところですが、高齢者・障害者のICT利活用支援体制の構築ということで、高齢者・障害者向けの研究開発、サービスの開発提供に対して助成を行うとか、あるいは研究会の開催を行って色々支援をしているボランティアの方々がおられますので、こういったものをどういうふうに支えていくかというような検討も行います。これも9月に研究会の報告を出しているのですが、その後の色々な取り組みをやっているというような状況です。

u-Japan 政策の中では、こういうふうにユニバーサルデザインということで位置付けられているという紹介です。こういった取り組みを行っておりまして、2005年で一区切りということで、2006年から新しい戦略を作るということがあります。総務省としてもu-Japan 政策を提案しまして、今年の1 月19 日にIT戦略本部で決まったIT新改革戦略ですけれども、この中に大体入っています。政府全体の取り組みということで位置付けられてきているというものです。戦略の3つの理念と書いてありますけれども、構造改革による飛躍、利用者生活者重視、右側が国際貢献・国際競争力強化ということで、利用者生活者重視のところにデバイド関係というのが入ってくると思います。真ん中を飛ばして次の四角を見てみますと、一番左側にデジタルデバイドの無いIT社会ということが書いてありまして、ここの中でデバイド対策ということが位置付けられているわけです。目標として2010年度までにということで、高齢者・障害者・外国人を含む誰もが身体的知識・言語の壁を越えて安心して生活出来るようにユニバーサル化を実現しようということで、平等な情報へのアクセス、情報アクセスのユニバーサル化ということです。真ん中は移動のユニバーサル化なので直接は関係ないと思いますが、その次、自由自在な意思疎通ということで、コミュニケーションのユニバーサル化、こういったことに取り組んでいくということです。政府としては、こういうふうな方向でやってこうとしているという紹介です。

それから次の話、地上放送のデジタル化の関係について、大体概略を申し上げたいと思います。放送のデジタル化ですけれども、デジタル放送がスタートして大分見られている方が増えてきて理解が進んでいるかと思いますが、基本的な考え方をここに書いております。まず、今はアナログ放送しておりますけれども、これはデジタル放送に全面的に移行するということで、デジタル放送が普及した段階でアナログ放送は停波をする、つまりアナログはもう止めるというのが基本的な方針です。デジタル放送を行うためにアナログ放送で周波数がかなり使われていて空きがないということがありますので、まずアナログ放送の周波数を一部変更して、デジタル放送用の周波数を確保するということをやります。

大きな放送局、出力の大きいところで放送する所は終わっているのですが、まだ全体的には、これからという所もありまして、今、一生懸命やっているところです。アナログ周波数変更あるいはアナログ周波数変更対策というふうな言い方をしております。この周波数変更は順次行っておりますけれども、関東・中京・近畿、この3大広域圏では2003 年、3年前になりますが12 月に一部地域でデジタル放送を開始しております。最初は、関東でも若干出力が弱めでしたけれども段々強くなって、かなり広い地域で受信できるようになっています。その他地域ではということで、2006年末までに一部地域でデジタル放送開始予定ということです。あとでロードマップをお見せしますけれど、主な地域では開始をします。デジタルとアナログの同時放送の期間を設けて移行していただきやすいようにしています。2010年までにはデジタル放送を普及させて、アナログ放送を終えるというふうな方向です。現状を書いてありますが、上のマルはもう説明しましたが、下のマル2005 年12月現在で24 都府県、約60%の世帯で、もう視聴可能という状況になっています。

デジタル放送については、先程も説明がありましたので、あまりここで詳しく説明する必要がないかと思いますけれども、デジタルになるということで、例えばインターネットとの連携、それから先程の話で出ましたけれども双方向のサービスが出来るとか、色々なメリットがあるということがあります。メリットというふうに書いてありますけれど、第一には画質が良い、ゴーストが無くなるということが一番綺麗になるという理由かと思います。

それから高齢者・障害者に優しいということで、操作性の話が先程出ておりましたけれども、字幕ということについてみますと、現状のアナログテレビだと字幕が使えるテレビというのはかなり限られているわけですが、デジタルテレビですと標準装備になるということで、特に機種に注意をするとか、何かレコーダーを買うというようなことをしなくても、通常のデジタルテレビを買っていただくと字幕が見られるということになるわけです。そういう意味では使える機械が増えるということになるかと思います。それから移動受信が出来る、ワンセグというのを今やっておりますので承知かと思います。データ放送が使えるということで色々と便利な物があるということです。電波を使う量も大分減るということで、携帯電話とかで周波数が足りないというのは聞かれているかと思いますが、そういったところにも使っていただけるようになってくるということがあります。産業面の波及効果とか、高度なサービスが出来るということもありますが、この辺は省略をいたします。

ここが全体のスケジュールということで、今2006 年に来ていますけれど、3大広域圏では先程申し上げたアナログ周波数変更というものは殆んど終わりに近づいておりまして、2006年度その他の地域で、今、一生懸命やるということで、今年の12月までには全ての県庁所在地で放送をスタートいたしまして、ここでワールドカップとか色々書いてありますが、色々イベントがある中でデジタルの方に関心を持っていただければというふうに考えているところであります。下の段は直接受信とケーブルということで目標が書いてありまして、直接受信で4千8百万、全世帯です。ケーブルでも半分ぐらい普及していただくということを期待しているというものであります。2011年7 月24 日をもってアナログ放送は終了しようというものです。これが現在のデジタル化に向けてのスケジュールということであります。

それから本日3番目の話ですけれども、総務省の情報バリアフリーの推進政策について説明をしたいと思います。

バリアフリー政策というのは2つのアプローチがありまして、1つは、皆さん、誰にでも使っていただけるようにしていきましょうということがあります。ただ、それだけですと障害の内容とか程度によっては、お使いいただけない方が出てきてしまいますので、そういった方の対策についても個別に考えようという考え方です。前者のユニバーサルデザイン化ということで具体的にやっていること、あるいはやろうとしていることについて、ここに書いてあります。

アクセシビリティは、昨年度のこの会で説明させていただいたと思いますけれど、HPの使いやすさということも追求しておりますが、ここで書いてありますのは、来年度はどういうことをやるかということで、高齢者のユーズアビリティに配慮したということで、製品とかサービスについて開発指針というものを策定して、開発の段階から使いやすさを考えた物を作っていただこうということで、2006年度、新規ということで取り組んでいく予定であります。それから過去に字幕番組、解説番組等の普及促進ということで、ご承知だと思いますけれど、補助金は情報通信研究機構を通じて出しております。

上限が2分の1という補助金ですけれども4億6千3百万円。来年度も、お陰様でなんとか同額が確保できるという状況でありまして、後ほど詳しく申し上げますけれど、字幕放送の普及に役立てていただけたらというふうに考えているところです。それから字幕放送等の普及状況の把握・公表ということで、97年に指針を作りましけれども、その後の各放送会社の拡充計画を受けて、実際どうなっているのかということを把握して公表するということで、実施的な取り組みを促していくということを行っております。

それから個別ニーズへの支援ということで、先程のユニバーサル化ということで、やってもなかなか難しい部分があると申しましたけれど、この部分への対応ということで、1つには高齢者・障害者向けの通信放送サービス、それを充実させるための研究開発を助成しましょうということで、予算額はほぼ2005 年度と同じ額を2006 年度、用意致しますけれども2億2千万円というお金で、こういった活動を行っている方々に対して上限2分の1で助成をしようと。上限は3千万円まで、身障者支援については4千万円までということになっておりますけれども、こういったことでハンディキャップを克服していただきたいというふうに考えております。

それから【2】の役務の提供、サービスですけれども、サービスを提供される方々対しても支援をしようということで、例えば点字図書館がやられている活動とか、あるいは字幕放送、手話通信サービスを行っている所がありますので、そういった所に助成をするということもしております。それから(2)として、IT利活用にかかる総合的な支援ということで、調査を行うことを予定しております。

2006年度新規ということで、データを集めて定量的な分析をすることによってあり方を検討する、広く普及させる、特に地方体あたりに取り組みを促していくということをやろうとしております。このバリアフリーの中でも、特に字幕放送の関係について説明をしたいと思います。

当初の取り組みということで書いておりますけれど、先程申しましたとおり、字幕解説番組こういったものに対する助成を行っております。1993年に制度を創設いたしまして、字幕と解説番組に対して助成を行い始めたというものです。1999年には手話番組も追加して助成を行っております。

それから放送の努力義務化ということで、従来こういった規定があったわけではなかったのですが、放送を行う方々に対して、放送の中に視聴覚障害者向けの番組を入れていただくというふうに努力をしていただく義務を設けるということをいたしました。罰則があるというわけではないのですが、努力をする義務は最低限あるということで、これだけではなかなか数字を上げるということについてどれくらい期待を持てるかわからないということもありまして、この下の普及目標を定めるということを同じ年に行いました。

10年後に字幕付与可能な番組について字幕を付すということで目標を設定しました。先程、一番初めの高岡理事長の話の中で、生の番組について字幕が対象になっていないという話もありましたけれど、当時97年の段階では生番組というのは、とても字幕付与の対象としては考えられていなくて、録画されている番組について字幕をつけましょうと。それから著作権とか色々ありますので、現実的に可能なものについて指針を設けましょうという考え方でやったというものです。各放送局それぞれ応えていただきまして、2001年にはNHK・民放キー5局、それから大坂の準キー局、さらには名古屋の広域局、それからテレビ大坂、テレビ愛知、こういった放送局が字幕の普及目標を定めて一生懸命がんばってくれているというところです。

97年に定めた目標というのは、先程話がありましたけれど、NHK・地上民放、ここに左側に放送局の名前が書いてありますけれども、全体的に午前7時から12時まで新たに放送する字幕付与可能な全ての放送番組を対象とするということになっていまして、この中には先程申し上げたとおり、生中継・歌番組とか権利処理上の問題があって字幕をつけるということが難しい、こういったものは含まないというふうに整理をしております。

NHK・地上民放については2007年までに全て付けましょうと。それから放送大学学園とか通信衛星による放送などについては、出来る限り置くという言い方をしております。

それから、もう一つ助成のことについて、この仕組みは本当にご参考ということですけれど、こういう努力もしていますという紹介とご理解いただければと思います。制作費の2分の1を上限として補助をしているというもので、実は2つお金の流れがあって、基金を積んでそこの運用益を出すということをやっていたのですが、余り金額が大きくならないと。それから特に低金利になってしまって、更に厳しいというのがありまして、国からの直接補助ということが現実にはかなり大きな金額の比率を占めております。殆んど国からの補助、出資による運用益というのは極わずかというのが現状であります。4億少しというお金を用意しております。

先程少し申しましたが、字幕番組の拡充計画というのを作っていただいています。2000 年は、ここはその当時の実績でありまして、2001年度以降が2001 年10 月に策定した計画ということです。

NHKは相当がんばっておられて、当時でも7割近くあったものです。2007年を待たずして、1年前倒しで100%を達成しようということです。ご承知の通り、これは生が入っておりませんので録画している番組ということになりますけれども、ここの計画に含まれていない生番組についても相当意欲的に、ニュースを中心に字幕をつけておられる、非常に努力されていることだろうと思います。それから民放についてここに書いておりますけれども、97年当時3.4%で、2000年の時にも1割程度だったのですが、なんとか2007 年まで相当上げようという計画を作っていただいています。

やはりコストもあるのですが、体制とか機器とか色々大変だというのも実際にあります。そういう中で色々努力をいただいておりまして、民放の中でも録画だけではなくて生のニュース番組でも付けていただいているというところもありますので、ここの計画以外のところでもかなり努力をされているということになろうかと思います。実際どうなったかということで、総務省では実績を取りまとめて公表をしております。

各局ごとのかなり詳しいデータを昨年の8月に取りまとめて公表しておりますので、ご関心があればHPをご覧いただければと思います。実線が実績です。点線が計画です。最初スタートした時には低かったのですが、計画ではNHKが2006 年度は100%、民放でも2007 年度は、ほぼ9割というような計画を立てていただいていまして、実績で見ましても、おおむね計画を上回るペースで字幕を付けていただいているということになります。少しNHKの数値が若干前後上下しておりますけれど、これはどれぐらい実績があるかというのを調べるのはなかなか大変でして、数え上げるのもかなり大変なのです。そういうこともあって注のところに書いてありますが、夏と冬と大体平均的な週を選んで、サンプル集で調査をしております。ですから、それによる揺れというのが若干あります。

特に事件がおきたり色々催しがあったりとかで生番組が増えますと、録画番組全体の時間が少し減ってしまって同じペースで字幕を付けていますと、相対的に比率が上がってしまうということがおきます。 それで若干2003 年あたりは上にぶれているというのがありますけれども、大体計画をきちんと守るという形で字幕を付けていただいているというのが、お分かりになるかと思います。

今後の取り組みということですけれども、これまでの取り組みのところは今までご説明してきたとおりです。総務省としては、お金をつける、法律を変える、それから計画を作っていただいてその実施状況をレビューするということで、やはり自主的に計画を作っていただいて、それを見られているというのは、かなりそういったことを意識されるということになるのだろうと思います。そういうことによって放送事業者の方々の努力を促してきたということであります。放送事業者の方でも計画を作って自主的にがんばってきたと。実際かなり増えてきたのではないかなというふうに思います。

これからですけれど、地上デジタルによる環境の変化というのもありますし、それから現行の計画は2007度までということがありますので、その後どうするかということは当然検討していく必要があるというふうに考えております。私が、現在のポジションに来たのは昨年の8月なのですが、字幕の状況とかを色々知るにつけて、どういう状況なのだろうということで放送会社の方にお伺いしたり、あるいは障害者団体の方にお話をお伺いしたりとかしているのですが、ご要望はご要望としてありますし、放送局は放送局で色々と努力されているのですが、議論をする基礎になるような数値というのが意外と無いということに気が付きました。

例えばどういった字幕番組を実際、障害者の方がご覧になっているかとか、どういったものを望まれているのかというのが、なかなか数値の形として無いということがありまして、今その辺りを委託して調査をしてもらっています。障害者団体の方とか放送局の方にも意見を伺いながら、それからアンケートの中では、障害者団体の方にもお願いをして、現実に今どうなっているのかということを調べております。

ここにも関係の方が沢山いらっしゃるかと思いますが、今後の議論の土台になる数字をなんとか集めたいというふうに思っていますので、是非ご協力を宜しくお願い致したいと思います。そういったものを踏まえて2007年というと来年の話になりますので、そろそろ検討していきたいというふうに考えております。これ以降のことについては具体的になっておりませんので、なかなか現段階で「こうです」ということを申し上げるのは難しいですけれど、この後デジタル化を踏まえて、あるいは生の放送も現実にはある程度行われているというような状況、その他色々な状況を踏まえて検討をしていきたいというふうに思っています。

最後に、最後のところで申し上げましたけれど、ご要望とかそういったものは感覚的には分かる部分があるのですが、色々議論しようとする時に、本当にデータとか現実に使われる方がどういうふうに思われるのかというのが非常に重要だと思います。こういうふうな機会も非常に貴重な機会で、是非ユーザーになられる方は、なるべく正確な情報を発信していただいて、行政側も色々こういうことをやりますというふうに申し上げているのですけれども、出来る事も限りがありますし、使う予算も国民の非常に貴重な税金を使わせていただくわけで、無駄の無いように使っていく必要がありますので、是非様々な活動を通じて情報発信をしていただいて、国も役に立つような、あるいは情報提供する側も色々やっていきやすい状況になっていくといいかなというふうに思っております。皆様のこのような活動が益々活発になりまして成果が生まれるということ。それから皆様方の益々のご健勝お祈りをいたしまして、私の話を終えさせていただきたいと思います。どうもご清聴いただきましてありがとうございました。