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平成17年度
地域におけるインターネット・パソコンを利用した
障害者情報支援に関する調査研究事業報告書

アンケート調査結果

1.都道府県別アンケート回答団体数

団体数は関東、関西が多く、人口に比例している。存在が確認できなかった地域もかなりあり、地域差があることがうかがえる。
都道府県別アンケート回答団体数
選択項目 人数
北海道 2
青森県 1
岩手県 1
宮城県 2
秋田県 1
山形県 2
福島県 1
茨城県 0
栃木県 0
群馬県 1
埼玉県 5
千葉県 2
東京都 13
神奈川県 11
新潟県 1
富山県 0
石川県 1
福井県 1
山梨県 0
長野県 0
岐阜県 1
静岡県 4
愛知県 3
三重県 2
滋賀県 4
京都府 2
大阪府 1
兵庫県 3
奈良県 0
和歌山県 0
鳥取県 1
島根県 0
岡山県 2
広島県 1
山口県 1
香川県 1
徳島県 1
高知県 3
愛媛県 2
福岡県 5
佐賀県 1
長崎県 3
大分県 1
熊本県 1
宮崎県 1
鹿児島県 0
沖縄県 0
無回答 2
合計 88

グラフ 都道府県別アンケート回答団体数
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サイズ:67KB (839×560)


注:都道府県別アンケート回答団体数については、アンケートに回答があった団体数のみカウントしています。

2.団体の種別

パソコンボランティアグループが最も多く40%。次にNPOの26%。パソコンを支援するという明確な目的をもって活動していることが理由として考えられる。社会福祉法人や障害者団体は活動のひとつとしてパソコンを教えていると思われる。
団体の種別
選択項目 人数 構成比
ITサポートセンター 1 1%
パソコンボランティアグループ 38 40%
NPO 24 26%
NGO 0 0%
社会福祉法人 9 10%
障害者団体 6 6%
企業 5 5%
その他 9 10%
無回答 2 2%
合計 94 100%

グラフ 団体の種別
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サイズ:51KB (647×427)

3.支援者の形態

ボランティアが一番多く55%、次いで障害者団体の職員が22%。障害者へのIT支援はボランティアによって担われているという現状が明確になった。
支援者の形態
選択項目 人数 構成比
職員 26 22%
ボランティア 65 55%
専門員 11 9%
その他 14 12%
無回答 2 2%
合計 118 100%

グラフ 支援者の形態
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サイズ:37.5KB (569×444)
その他:有償の外部講師、外部アシスタント

4.支援者の数

「1人~10人まで」、「11人以上」という二極化の傾向がある。
支援者の数
選択項目 人数 構成比
1~2人 12 14%
3人~5人 13 15%
6人~10人 20 23%
11人~15人 11 13%
16人~20人 6 7%
20人以上 25 28%
無回答 1 1%
合計 88 100%

グラフ 支援者の数
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サイズ:44KB (678×454)


5.活動資金

活動資金は、「委託費と事業費」「寄付金と会費」「事業費と会費」などいくつかの組み合わせで捻出している場合も多く見受けられた。

※複数回答可

活動資金
選択項目 回答数
公的な補助金 20.5%
委託費 31.8%
事業費 26.1%
寄付金 27.3%
会費 46.6%
その他 22.7%
無回答 8.0%
合計 183.0%

グラフ 活動資金
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サイズ:31KB (649×327)
その他:運営費、私費

6.支援対象者が支払う料金

有料と無料はほぼ半数であった。委託費、補助金を受けている場合は無料である場合が多い。
支援対象者が支払う料金
選択項目 人数 構成比
無料 48 48%
有料 52 52%
無回答 1 1%
合計 101 100%

グラフ 支援対象者が支払う料金
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サイズ:32KB (637×440)


7.料金について

7-1.料金の種別(有料と答えた団体のみ)

有料の場合は、会費と定額でまかなっている場合が多い。この中にテキスト代と交通費が入っていると考えられる。
料金の種別
選択項目 人数 構成比
テキスト代のみ 7 9%
交通費のみ 10 12%
定額 16 20%
会費 13 16%
その他 34 42%
無回答 1 1%
合計 81 100%

グラフ 料金の種別
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サイズ:44KB (572×375)
その他:入会費、サポート内容により異なる、ケースバイケース

7-2.金額について

定額の場合は500円~1000円が一番多く、年会費としては2000円~3000円が多かった。支援内容により金額が異なる場合もある。いずれの場合も実費程度で、ボランティアへの報酬という要素ではない。
金額について
選択項目 テキスト代(円) 定額(円/時間) 会費(円/年)
200円 0 1 0
400円 0 1 0
500円 1 5 0
1000円 1 5 2
1500円 2 0 0
2000円 2 1 5
2500円 0 1 0
3000円 0 1 4
3500円 0 0 0
4000円 0 0 0
4500円 0 0 0
5000円 0 0 0
5250円 0 1 0
6000円 0 0 1
7200円 0 0 1

グラフ 金額について
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サイズ:50KB (802×445)


8.支援対象者

聴覚障害者、知的障害者、精神障害者への支援のニーズは少ないと考えていたが、かなりの団体が支援をしている実態が明らかになった。また、高齢者への支援を同時に行っている例もかなりあり、障害者と高齢者はきっても切り離せない関係になりつつあると考えられる。

※複数回答可

支援対象者
選択項目 回答数
身体障害 60.2%
視覚障害 80.7%
聴覚障害 43.2%
知的障害 33.0%
精神障害 30.7%
学習障害 14.8%
高齢者 31.8%
その他 19.3%
無回答 1.1%
合計 314.8%

グラフ 支援対象者
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サイズ:39KB (746×353)
その他:失語症、内部障害、高次脳機能障害、引きこもり、自閉症、障害者の家族、登校拒否、重複障害、難病患者、盲ろう者

9.支援方法

講習会・研修会と訪問による支援が多いが、電話やメールによる支援もあり、講習会後もフォローが行われているケースがあることがわかった。

※複数回答可

支援方法
選択項目 回答数
講習会・研修会 73.9%
訪問支援 72.7%
電話 52.3%
メール 59.1%
その他 33.0%
無回答 2.3%
合計 293.2%

グラフ 支援方法
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サイズ:38KB (811×336)
その他:Skype、パソコンの修理・贈呈、通所サポート、施設の課外活動として、マンツーマンによる指導、デイサービスへの参加

10.支援内容

支援内容はパソコンの基本的操作方法、インタネーット、メール、ワード、エクセルなど初歩的な支援が多い。

※複数回答可

支援内容
選択項目 人数
パソコンの基本的操作方法 79
インターネットの活用 77
メール 74
ワード 67
エクセル 59
スクリーンリーダー 52
ソフト 40
ホームページ作成 30
アクセシビリティ 20
ウイルス対策 43
支援機器 24
その他 23
無回答 2
合計 590

グラフ 支援内容
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サイズ:35KB (678×438)
その他:プリンターなど周辺機器、デジカメ、パソコン購入相談

11.利用している支援機器

11-1(ソフト)

支援対象者に視覚障害者が一番多い(62.5%)ことを受けて、スクリーンリーダーの利用が多かった(30件)。

※複数回答可

利用している支援機器
項目 回答数
スクリーンリーダー 30
メーラー(音声対応) 12
ホームページ読み上げソフト 10
Windows操作支援ソフト 5
画面拡大ソフト 5
スキャナ原稿音声ソフト 4
ワープロソフト(音声対応) 3
ビジネスソフト 3
ワープロソフト 3
宛名書きソフト(音声対応) 2
画像編集ソフト 2
音声認識・音声入力ソフト 2
表計算ソフト 2
その他 19
合計 102

グラフ 利用している支援機器
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サイズ:67KB (778×556)
その他:筆まめ、ネット辞典リーダー、うちこみくん、マイディック、MYニュース、さくさくビルダーなど

11-2(機器)

支援対象者が多様な障害を持っていることを受けて様々な機器が支援に利用されている。

※複数回答可

利用している支援機器
項目 回答数
パソコン 8
マウス操作支援機器 7
キーボード操作支援機器 7
トラックボール 5
スキャナ 4
キーボードカバー 3
点字ディスプレイ 3
点字プリンタ 2
携帯電話式文字入力装置 2
プリンタ 2
その他 16
合計 59

グラフ 利用している支援機器
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サイズ:46KB (774×520)
その他:代替マウス、各種スイッチ、トーキングエイド、スピーチオ、タッチバネル、スイッチコネクター、オペレートナビ、無線LAN

12.支援機器及び技術の習得

講習会、勉強会を通して、技術の習得が積極的に行われている様子がうかがえる。また、情報交換によってスキルを向上させるためメーリングリストの活用も行われている。

※複数回答可

支援機器及び技術の習得
選択項目 回答数
講習会への参加 62.5%
勉強会 48.9%
書籍 42.0%
インターネット上の情報 59.1%
メーリングリスト 50.0%
その他 17.0%
無回答 12.5%
合計 292.0%

グラフ 支援機器及び技術の習得
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サイズ:34KB (708×316)
その他:企業内教育、機器の展示会への参加、神奈川県民センター障害者ITサロン、福祉情報技術コーディネーター習得

13.他の支援団体との連携(ネットワーク)

66%の団体が他の支援団体との連携があることから、お互いに情報交換を心がけている実態が見受けられる。
他の支援団体との連携(ネットワーク)がありますか?
選択項目 人数 構成比
はい 58 66%
いいえ 28 32%
無回答 2 2%
合計 88 100%

グラフ 他の支援団体との連携(ネットワーク)がありますか?
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サイズ:45KB (594×413)


14.連携(ネットワーク)の方法

交流会でのネットワークが一番多い(17.4%)また、メーリングリストの活用は時間と場所に制約されないため利用しやすいと考えられる。

※複数回答可

どのような方法でネットワークをはかっていますか?
選択項目 回答数
メーリングリスト 48.3%
研究会・セミナー 36.2%
交流会 51.7%
その他 32.8%
無回答 1.7%
合計 170.7%

グラフ どのような方法でネットワークをはかっていますか?
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サイズ:42KB (813×368)
その他:ウェブ上のパソコンサポートデータベース、メール、フォーラム、ホームページ上のリンク

15.利用者の満足度の把握

半数以上の団体が利用者の満足度をはかり、より良い支援を目指そうと心がけていると考えられる。
利用者の満足度を把握していますか?
選択項目 人数 構成比
はい 46 52%
いいえ 33 38%
無回答 9 10%
合計 88 100%

グラフ 利用者の満足度の把握していますか?
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サイズ:41KB (581×367)


16.利用者の満足度把握の方法

アンケートによる満足度の把握が一番多く(32%)、次いでメールが多い(25%)が、何らかのかたちで把握に努めようとしている。
どのような方法で満足度をはかっていますか?
選択項目 人数 構成比
アンケート 21 32%
メール 16 25%
その他 28 43%
無回答 0 0%
合計 65 100%

グラフ どのような方法で満足度をはかっていますか?
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サイズ:40KB (589×375)
その他:反省会、交流会、イベント等で直接聞く、電話フォローの際に聞く、参加者との意見交換、コーディネーターによる聞き取り

17.利用者の満足度

「非常に満足している」と「満足している」をあわせて80%だったことから、支援者側からは利用者にとって満足のいく支援を提供しているとの認識がある。
利用者の満足度は?
選択項目 人数 構成比
非常に満足している 10 20%
満足している 31 63%
満足していない 1 2%
どちらとも言えない 6 12%
無回答 1 2%
合計 49 100%

グラフ 利用者の満足度は?
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サイズ:45KB (628×415)


18.グループとして支援に関する問題点、及び課題

「十分な予算がない」「支援者が足りない」は団体の規模にかかわらず、多くの団体に共通する問題点であった。

※複数回答可

グループとして支援に関する問題点、及び課題
選択項目 回答数
支援技術に対する情報が不足している 22.7%
支援者が技術を習得する時間がない 30.7%
支援者が技術を習得する場所がない 14.8%
支援者が足りない 48.9%
充分な予算がない 54.5%
その他 35.2%
無回答 13.6%
合計 220.5%

グラフ グループとして支援に関する問題点、及び課題
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サイズ:53KB (861×358)


自由記述より

  • グループの存在を十分に知ってもらうことが難しい、
  • 看板であるマンツーマンサポートが難しくなってきた
  • 高齢者を支援者として受け入れたが、十分なサポーターになってもらうことができない
  • 技術習得意欲のある支援者が少ない
  • 広報の仕方に課題がある
  • 当事者のニーズの把握が課題
  • 医師、OT、PT等との連携、学術機関との連携不足
  • サポーターが有職者のため支援できる時間、曜日が限定され、ニーズに十分応えられない
  • ボランティア活動なので、高度の支援を行うことが難しい
  • 講習会後のフォローアップ
  • コーディネーターは仕事量が多く、負荷がかかりすぎる
  • ソフト、ハードのバージョンアップなどに十分対応できない、
  • 視覚障害者が利用できるソフトを備えたパソコンが公的場所に少ない
  • 支援ソフト、機器を購入し保有することができない
  • 教室の場所が狭い

19.今後の新しい計画について

それぞれの団体は多様なプランを持っていることがわかったが、無回答も多く、現在の支援の整備にエネルギーを注ぐことが重要との見解とも受け取れる。

※複数回答可

今後の新しい計画について、何かありましたらお書き下さい。
選択項目 回答数
支援対象者の拡大 19.3%
教えられる支援機器を増やす 11.4%
その他 38.6%
無回答 43.2%
合計 112.5%

グラフ 今後の新しい計画について、何かありましたらお書き下さい。
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サイズ:44KB (865×408)


自由記述より

  • 訪問支援
  • 障害当事者活動の推進
  • 自主財源確保のための収益事業への取り組み
  • 支援者の拡大
  • 支援者の技術向上
  • 受講者・受講修了者対象のメーリングリスト
  • 視・聴・肢体障害者などへの支援体制作り
  • 福祉施設関係団体との協同による要支援の発掘
  • 在宅就労支援事業の拡大、厚労相エージェント取得
  • 障害者への就労支援
  • ITを活用して災害時の安否や避難所の情報収集が容易にできるような講習会の開催
  • 就労につながる資格試験の実施
  • 「バーチャル工房」実施
  • サポーターレベルアップ講座の継続
  • 自宅と学習の場での同一の接続環境の確保
  • 弱視者用ソフト、機器の導入
  • 目で感知できる機器の導入
  • 「伝の心」等の講習会開催
  • ノートパソコンを増やす
  • 無線LAN、デジタルプロジェクターの導入
  • 盲ろう者支援のための機器及びソフト導入
  • 視覚障害者が快適に利用できるソフトウェアやハードウェアの導入
  • 視覚障害者のPC取得のためのテキストを含む教材のデータベースの作成
  • PCサポートフォーラムの開催
  • 電話とインターネットを利用した遠隔サポートの実用化
  • キーボード入力テキストの作成
  • ITを活用した在宅就労支援を進めるためのデジタルオフィスの開設