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平成17年度
地域におけるインターネット・パソコンを利用した
障害者情報支援に関する調査研究事業報告書

Dream Navigator Yokohama

正式名称:Dream Navigator Yokohama
所在地:〒224-0031 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎町東5-1-1
メールアドレス:info@dny-jp.com
ウェブサイト:http://www.dny-jp.com

団体の概要

2000年に横浜市の外郭団体である横浜ラポール(横浜障害者スポーツ文化センター)からパソコンを活用したイベントができないかという依頼が、現在のDNYの役員で、作業所所長のO氏にあった。すでに個別のボランティアなどに関わっていたメンバーがこのイベントに携わり、成果をあげ、評価を得た。このイベントがきっかけとなり、さらには横浜ラポールから団体化の勧めもあり、集まったメンバーでDream Navigator Yokohamaを設立した。当初の活動は、総務省パソコン講習会を横浜市身体障害者団体連合会から受託した。内容の企画、講師派遣など全般的に実施した。横浜市はテキストを作成していたが、様々な障害の方、特に知的、精神障害の方々向けにルビをふったテキストを作成し、視覚障害者向けには音声ソフトで対応するなどの工夫をした。このIT講習では福祉局に対して、費用面、人材面や労力について度々説明して理解を求めた。その後の講習会では費用を上げてもらうなどの一定の理解を得た。またその成果が認められ、現在もこの講習会は独自に継続されている。

この他、現在中心的な活動となっている横浜ラポールのイベントへの協力があった。パソコンの相談会や芸術市場などへの協力で、特に芸術市場では地域のユニークなメンバーが一同に会したよい機会であった。すでに神奈川県の公的な実験として障害者にパソコンを給付してパソコン通信を実施する試みがあり、そのK-Net(神奈川県の第3セクター)ネットワークを通じてリハビリテーションセンターの技師の方たちとの交流を深めていた。

現在、登録メンバーの3割近くが自ら障害を持つ方々である。支援の対象は、導入~初級レベルとしている。

Dream Navigator Yokohamaの活動

パソコン相談会・体験会の実施:横浜ラポールの主催で協力団体として参加している。年4回実施している。場所代などの費用がかからず、協力費用をもらっている。障害のあるメンバー自らが相談を受けることも特徴の一つ。パソコン関係以外にも医療面での相談などがくることもあるが、基本的にどのような相談でも断ることなく、障害当事者のメンバーのネットワークを通じてできるだけ、関連機関の紹介や情報提供などで対応している。

また知的障害の方々に対しても、周りの方々と相談しながら進めるように努力している。

相談会での相談内容は千差万別なのできまったパターンはなく、臨機応変に対応するようにしている。

地域への協力

地域の一般の方々を対象にした講習会も実施している。

イベント協力:横浜ラポールの主催するそのほかのイベントへの参加。横浜市福祉局の地域作業所へのイベント参加や勉強会への講師派遣で協力。

パソコンボランティアの養成

3年前からNECシニアITサポーター養成講座(年3回)を実施。日本全国、各地のパソコンボランティア団体と連携してボランティアの養成講座を実施。講師の半数以上は障害のある方というのが特徴。予算はNECが全額負担している。

パソボラ団体とのネットワークについて

現在はJDのネットワーキンググループしかない。パソボラカンファレンスも横浜で2回実施したが、人材、予算面の問題がある。インターネットをうまく利用して情報交換できるとよいと思うが、どこか取りまとめ役となってかなりしっかりとコントロールする主体や資金がないと難しいのではないか。ネットワークを活用した情報のやりとりもうまくできる方とできない方もある。また集まった情報をデーターベースとして集約するなどうまく活用できるようにすれば人も集まるだろうがそこまでの力を割けないというのが現状ではないか。

ITサポートセンターも、実施主体にも安定した収入があり、人を常駐させることができれば良いが、ボランティアに頼っている段階ではかなり厳しいのではないか。特に地方では行政がきちんと費用を負担して実施していけるかどうかが課題であろう。横浜ではITサポートセンターは構想段階。箱物行政の考え方では運営が難しい。パソコンは施設を設置して、パソコンを置けばよいというものではなく、パソコン自体の寿命もあり、ソフトの管理、日常的な管理も必要。インターネット接続にかかる費用など運営にかかる経費が必要な点を考えてほしい。

団体の現状と運営などについて

例えば講習会テキスト作成、パソコンの設定などの準備が必要。数十台のパソコンの設定には時間も労力もかかる。イベント等の企画段階で交渉して、最低限メンバーの交通費は確保できるようにしている。

運営面で楽なのは、会場費がかからないこと。パソコンはNECからのリースバックを寄付していただいたので他の団体よりはお金はかかっていない。

NPO化できる活動はしていると思うが、事務所を持つことや税金を納めることを考えると専従職員が生活できるくらいの収入を安定して稼がなくてはいけない。

単発よりは継続が大切だと考えている。小さなイベントの積み重ね。現在も月1回ぐらいの活動が入っているが、それぞれ本職を持っているボランティアベースでは現在のペースが限界ではないか。ボランティアだから無料でやってもらえるという感覚の所は多いが、本職を持ってさらに時間を割いて活動している側としては交通費とある程度の謝礼は必要ではないか。

困っていること

人材面が課題。メンバーのほとんどが本職をもっておられるので平日の人集めが大変になっている。

課題

今の活動の継続、内容の拡充と活動できる人員を増やす。メンバーのスキルアップ(技術的なことはもちろん、様々な障害のある方々に接してもらって経験をつんでもらいたい)。