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平成18年度
地域におけるインターネット・パソコンを利用した障害者情報支援に関する調査研究事業報告書

山口県障害者社会参加推進センター

所在地:山口県山口市大手町9番6合 山口県社会福祉会館内
URL:http://www3.ocn.ne.jp/~syogai35/
Eメール:syogai35@jeans.ocn.ne.jp

【団体の概要】

社団法人山口県身体障害者団体連合会は山口県における身体障害者の福祉の向上、社会への「完全参加と平等」の実現を目指すことを目的とし、山口県身体障害者団体連合会事業と山口県障害者社会参加推進センター事業を行っている。  山口県障害者社会参加推進センター(以下センターと言う。)は、障害者の社会参加を推進するための様々な事業を展開しているが、その中のひとつにパソコンボランティア養成・派遣事業がある。

【パソコンボランティア養成・派遣事業】

平成14年、障害当事者団体としては早い時期に県(国)からの委託を受け、パソコンボランティア養成・派遣事業を始めた。障害者への支援に熱意がありパソコンボランティアとして活動したい人は、養成講習会に参加してもらい、パソコンボランティアとして登録。講習会では障害者の理解を深めることと、ボランティアについての実践を学んでもらう。
支援方法は障害者宅へのボランティアの派遣。パソコンを学びたい障害者の方から派遣要請があれば、センターがコーディネートし、ボランティアの派遣を行う。現在のボランティア登録者数は40名弱。ボランティアの証明書の有効期限は3年。それを過ぎれば再登録してもらう。
平成17年度の派遣実績は延べ166回、平成18年度は184回(平成19年1月現在)。実 績は毎年伸びている。利用者一人に対して、原則として15時間以内の支援を行う。利用は無料。ボランティアには日当と交通費を支払う。
講習内容は、メール、インターネット、ワード、エクセルなど基本的な操作が中心。利用者から派遣申請用紙を提出してもらい、希望に添って相談して支援内容を決める。
支援対象者は身体障害者、聴覚障害者、知的障害者、精神障害者。
 *視覚障害者については、(社福)山口県盲人福祉協会が支援を行っている。
センターの職員はボランティアが気負いなく支援ができるように、できるだけコミュニケーションをとり、フォローするようにしている。4年前に県から委託を受けて以来、試行錯誤をしながら障害者のニーズに添った支援を心がけている。支援者同士が情報交換及び交流できるよう講習会を開催するようにしている。ボランティアとセンターの担当者、ボランティア同士の信頼関係を築くことが支援には重要との視点にたち、工夫をしながら活動を行っている。

【自治体との連携】

今のところ、県とは委託側、受託側という関係にとどまっているが、自治体からは支援に関する情報提供を含め積極的に協力してほしいと考えている。

【リハビリテーション関連機関との連携】

現時点では、リハビリテーション関連機関等との連携はなく、重度障害者への対応と支援機器に詳しいリハビリテーション関連専門職との連携を望んでいる。

【課題】

支援技術に対する情報の不足。支援者が技術を習得する時間、場所がない。支援者が足りない。ボランティアに登録している人の約半数が実際に活動を行っている。充分な予算がない。派遣できる内容の線引きが難しい。
重度障害者を支援するソフトに熟知したボランティアの育成及び専門家との連携の必要性がある。また、支援機器業者の関わりが必要だが現時点ではない。
ボランティア同士、関係団体のネットワーク作りが難しい。
パソコンリサイクル事業で提供された障害者の方々が使っているパソコン及び周辺機器はバージョンが古くなって状態が悪く、使いづらくなってきている。障害のある方にこそ新しい機器を使うことに意義がある。
センターやボランティアだけでは、満足のいく支援をするためには限界があり、行政、企業、障害専門家等からの情報提供や連携が非常に重要であると感じている。