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講演会「障害児に豊かな読書体験を」

意見交換
報告

藤本優子
(当事者の保護者)

私の次男は先天性の視覚障害で、全盲です。現在、横浜市立盲学校の2年生に在籍しております。生まれたときから全く目が見えませんでしたので、当初やはり音だけでしたので、1歳くらいから2つ年上の兄がおりましたので、読み聞かせを毎晩1話話すという形で本との関わりを持たせていました。

小学校に入る1年前から、点字の指導に入って、自分で読みたいという希望もありましたので、点字に関わらせるという前段階として、点を使った迷路というか、線たどりなのですが、なにか模様をたどっていく、線をたどっていくという形で、点字に馴染むということで、始めました。

あとは迷路を、当初は大阪におりましたので大阪教育大学の視覚障害のゼミに入っている大学院生の方が、私どもの息子のためにいろいろな迷路ですとか線たどりをいろいろな形で作ってくださって、点字というか、この「紙に点がついているものを触る」ということに自然に関わっていけたと思います。

皆さんご存じだと思うのですが「ぐりとぐら」という絵本がありまして、その絵本の中に出てくるホットケーキとかを作るシリーズがあるのですが、やはり子どもなので、食べるものにすごく興味がありますので、そのホットケーキを作る部分で、触る絵本とかでもあったと思うのですが、どうしても平面的なものになってしまいますので、匂いですとか、触る絵本を触りながら本当のボールだとか、家にあるものだけなのですが、タマゴだとか泡立て器だとかを持ってきて、絵本と、私の声と、実際に使うものという意味でかなり実体験として本人は楽しめていた時期がありました。

現在、点字を1年生で獲得した後は、とにかくやはり自分で読めるようになったということをきっかけに、盲学校に通っておりますので盲学校の図書館に行けば、それなりの、彼が望んでいる本には出会えたりですとか、もし盲学校の図書館になければ、先生が日本全国の、息子が希望している点字の本を探していただいたりとか、しばらく待つとボランティアさんが点訳していただくという形で、なんとか今の段階では本に出会える機会がたくさん持てています。

今は読み聞かせをするよりも、自分で図書館に行って本を探せるということと、先生からのヒントでその本に出会えるということにすごく興味を持っているようです。

あとはやはり、触ったりにおい、匂いがついている本があるのですが、ちょっと食いしん坊の息子なのでずいぶんにおいには敏感なので、小さいときにたとえば「みかんなんだよ」と言ってもちょっと平面的なものなので、本人はさわりながら本当のみかんの匂いとこの本についている匂いを比べたりですとか、りんごとかも本当にスーパーにいってもいろいろな匂いの混在の中でも、りんごに近づいていってりんごの匂いというような感じでやっていたのですが、ずいぶんこの匂いのついている絵本にもお世話になりました。以上です。