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平成20年度 国際セミナー報告書
障害者の一般就労を成功に導くパートナーシップ

Report on International Seminar
Success through partnership to promote open employment of persons with disabilities

講演2:「ドイツにおけるソーシャル・ファームとパートナーシップ-ネットワークと持続可能性」

ゲーロルド・シュワルツ 
国際移住機関(IOM)経済開発局プログラムマネージャー
前ソーシャル・エンタープライズ・パートナーシップ(SEP)所長

ゲーロルド・シュワルツ氏の写真

講演要旨

講演は、ドイツのソーシャル・ファームの歴史を簡単に紹介することから始め、ソーシャル・ファームがどのように発展してきたのか、またどのような法的・組織的枠組みの中で経営されているのかを説明する。その後、ドイツのソーシャル・ファームが、地域レベルおよび全国レベルでの支援ネットワークと協力関係をどのようにして築いたのか、またそれがソーシャル・ファームの急成長にどのような影響を与えたかを解説する。後半では、ドイツのソーシャル・ファームの長期的持続可能性に貢献するおもな要因を中心に論じる。最後に、ドイツにおけるソーシャル・ファームの発展の最新動向を展望し、ドイツの経験から得られた他国に応用できる教訓をまとめて締めくくる。


講演

スライド1

(スライド1の内容)

ご紹介ありがとうございます。私は10年間、ドイツのソーシャル・ファームで勤めをしておりました。そこで今日いろいろなことを申し上げますけれども、それはそのときの経験を反映しております。今でも元の同僚と連絡があります。ソーシャル・ファームの人たちとも親交があります。

まず最初に、ここにお招きくださいましたことにお礼申し上げたいと思います。そして、皆様、お集まりの方々にもお礼申し上げます。このようにソーシャル・ファーム、ドイツの現状に関心を持ち続けてくださいまして、うれしく思います。また、こういう交流の訪問を行うのはとてもよいことだと思います。かなり遠いところではありますが、ネットワークのパートナーシップを作るということ、またソーシャル・ファーム間の交流が行われるというのはとてもいいことだと思います。それも国を越えた交流は素晴らしいと思います。

スライド2

(スライド2の内容)

さて、今日の内容ですが、パートナーシップに焦点を当てたお話になります。ソーシャル・ファームというのは、ネットワーク、それからパートナーシップという観点から見ていきたいと思います。いろいろなネットワークがありますので、それもご紹介いたします。それから、どういう役割をこれらの組織などが分け合っているのかということ。そして、ドイツにおけるソーシャル・ファームの成功をもたらしたものは何なのかということについてお話をしたいと思います。また、持続可能性についてもお話をしたいと思います。ドイツのソーシャル・ファームがビジネスとして持続可能性を持っているということについてお話をしたいと思います。また、我々にはもう30年間の経験がありますので、そこから学んだ教訓についてご紹介したいと考えております。そして最後に、最近の動向についてお話をします。ドイツにおいてどのような展開があるのか、またソーシャル・ファームにおいてどのような変化があるのか、そしてそれを含めて今後の展望をお話して締めくくりたいと思います。

それでは最初に、バックグラウンドについてお話しましょう。「ソーシャル・ファームとは何か?」、ということです。どういうような作業をするところであるのか、またその関連データについてドイツの現状をお話いたします。

スライド3

(スライド3の内容)

ソーシャル・ファームの定義でありますが、これはベイカーさんのほうからお話がありましたので詳しくは申し上げません。ソーシャル・ファームはドイツにおいて独自の定義を導入しております。CEFECのソーシャル・ファームの定義を導入しております。ソーシャル・ファームというのは企業体であり、その目的は社会的に不利な人たちのための雇用を創出するということでした。この中に障害者が入ります。そしてかなりの数の人たちが、こういう不利な立場にある人たちでなければならないということです。

そして、それぞれの従業員は市場の相場に従って賃金が支払われます。また、権利を与えられております。それと同時に責任も与えられており、それは不利な立場にない従業員と平等な扱いが行われることになっております。

ソーシャル・ファームの背景を図にまとめました。

スライド4

(スライド4の内容)

ソーシャル・ファームがこちらになりますが、これは他の民間の雇用市場とこのようにつながっています。ですから、一般労働市場と福祉作業所の中間に位置するものであります。そして、ソーシャル・ファームは労働市場に非常に近いわけですが、基本的に我々は他の企業体と同じような活動をしています。市場に対して製品そしてサービスを提供するという活動をしています。福祉作業所とは違います。従業員のステータスも賃金も違います。賃金は、定期的な給料として支払われますが、福祉作業所ではそういうふうにはなっておりません。また、ソーシャル・ファームの従業員の権利というのは一般の労働市場の労働者の権利と同じです。それから、職業訓練、それから治療活動ともつながっています。というのは、多くのソーシャル・ファームにおいて大きな構造体に残しているような場合があるからです。いろいろな障害者の組織の一部としてソーシャル・ファームが実施されている場合がありますので、そういった場合には治療活動なども行われています。ですから、ほとんどのドイツのソーシャル・ファームはこれまでこのような大きな組織の中から生まれてきました。もちろんそこから離れて、独立した企業体として活動しております。そして独自のリーダーを抱えておりますが、なかにはまだ、こういう社会福祉団体に属している場合もあります。あるいは非常に強い連携をとっている場合もあります。ただ、ソーシャル・ファームというのはまず企業体として活動して収益をあげることが期待されますが、その周辺に多くのサービスを必要に応じて提供できるような機能も備わっているということであります。例えば、トレーニングするようなユニットがあって、そしてソーシャル・ファームの従業員に対してトレーニングをして採用を容易にしているというような活動もあります。

スライド5

(スライド5の内容)

これは最近のドイツのソーシャル・ファーム協会の調査の結果ですが、2007年現在でおよそ700社のソーシャル・ファームがドイツには存在します。そして、仕事の数がおよそ2万件であり、そのうちの平均で50%は障害者向けです。

最初のソーシャル・ファームは1978年にできました。私は大学に勤めておりまして、そこでいろいろと協力をしていたわけですが、最初にできたのはベルリンの大学の学生などが中心になって作ったものです。ここではソーシャル・ファームでの私の最初の経験でした。つまりソーシャル・ファームを研究するような学生というのはその頃は非常に珍しかったのですが、その一つのモデルになったわけです。そして毎年少しずつ、ソーシャル・ファームとしていろいろな活動をしてきました。うまくいったものもあれば、うまくいっていないものもあります。1社あたり平均で28人くらいの従業員を抱えています。年間の総売上高は1社平均100万ユーロとなっています。かなりの数字であるとお感じになるでしょう。ユーロにして大体5億ユーロくらいの売上があります。そして非常に長い時間をかけて形成されてきたものであり、ここまで育ったということで大変うれしく思っております。その数は今でも増え続けています。急速に増えているわけではありませんが、だんだん増えてきております。

次の3枚のスライドで、ソーシャル・ファームの実例をご紹介したいと思います。

スライド6

(スライド6の内容)

最初の例ですが、これは私の知る限り、ダウン症の人を雇っている唯一のソーシャル・ファームだと思います。ソーシャル・ファームを計画して立ち上げたのですが、リーダーシップをとったのがダウン症の子供たちを抱える親の組織でした。そして、大体はダウン症の子供たちというのは福祉作業所で一生を送ることが多かったのですが、別の生き方を考えました。これは、それぞれの子供たちの潜在可能性を生かそうということで始まったものです。他の人たちととてもうまく付き合うことができる、相性がいいということがわかり、これを生かしてビジネスができないかということから始まったソーシャル・ファームです。それで、ホテルがいいのではないかということになりました。他の人たちに大変愛想よくふるまうことができるし、またサービスを提供することができると考えまして、1993年にホテルを作りました。これはハンブルグの中心部の近くにあるホテルなのですが、そしてそれ以外にも業務を続けております。現在では三つ星ホテルになっています。5人の障害者が雇われております。10年前から障害者を雇っておりますけれども。他のサービスも提供しております。例えば、屋上にケアハウスのようなものがあり、そこで従業員がケアを受けながら暮らすことができます。これはレストランとコーヒーショップですが、これが一つのモデルになりまして、ドイツの他のソーシャル・ファームもホテルとして立ち上げようという動きに広がっていきました。現在のところ、11のソーシャル・ファームとして行われているホテルがあり、251室が184人によって経営されています。そのうちの124人が障害者です。

そしてホテルのネットワークが作られました。11のホテルが共同でホームページを開いており、ホテルのネットワークの宣伝、それぞれのホテルの宣伝を行っております。共同のマーケティング活動、協力もしております。どのようにすればきちんとした行き届いたサービスができるかということで、学び合ってもいます。ですから、本当にボトムアップで立ち上げられたネットワークのよい例だと思います。誰かがあるアイディアを実現して、他の人がそれに興味を持って、それで同じような事業を始める。そしてだんだんとネットワーク化されていったとてもいい例だと思います。

これは別の例ですが、大変興味深い企業だと思います。

スライド7

(スライド7の内容)

非常に特殊なニッチ・マーケットに参入しています。インテグラといいます。インテグラはレンタル・サービスを行っており、イベントやパーティで使われる備品、椅子とかテーブルとかグラスとか、いろいろなもの、そこで必要なものを貸し出しています。ベルリンではいろいろなところで大きなイベントが開かれますけれども、数百人集まるようなイベントではこういうところに注文がきます。それから、クリーニング・サービスも行っています。56人を雇っていますが、そのうちの37人が障害者です。そしてISO9000を取得しています。

このような工業スタンダードのクオリティを目指すソーシャル・ファームは、ISO9000を取得しています。日本の厚生省の役人の方がソーシャル・ファームの見学にこられました。そしてこういうモデルケースをご覧になったのですが、もちろんモデルケースのようなものをいろいろなところで増やしていくのはそんなに簡単なことではありません。競合他社があるようなセクターでは難しいと思います。

モザイク・サービスはドイツ最大のソーシャル・ファームです。これは最大であるだけではなく、興味深い特徴があります。これは最初のソーシャル・ファーム、もともと福祉作業所として始まったものです。今は福祉作業所のほうでソーシャル・ファームをスタートしようという興味を持っているところがありますが、これがその最初のケースです。1990年にスタートしました。

スライド8

(スライド8の内容)

今日まで、唯一の株主がこの福祉作業所です。かなり、今でも協力しております。モザイク・サービスという名前ですが、かなりの数の事業部門を持っています。例えばレストラン、カフェ、ケータリング・サービスなど、ベルリンの中にも10か所のオフィスを設けておりますし、クリーニング、塗装、インテリア、有機のパンを作るなどベルリン各地で事業活動をしております。ここもISOを取得しています。有機食品生産のためEU、ドイツから認証を受けています。200人以上を雇っていますが、半分以上が障害者です。年間売上が600万ユーロ相当です。

では、ネットワーキングの話をする前に、ごく簡単に皆さんのご参考のために、政府がいかにソーシャル・ファームを支援しているか、お話したいと思います。

スライド9

(スライド9の内容)

まず基本方針ですが、不利な条件にある、そういった立場にある人たちを支援する。これは福祉作業所だけではなく、雇用という形で促進したいと考えられますが、その際にはあくまでも不利な条件の保障のみを行うということです。ですから、目安はソーシャル・ファームであったとしてもまた民間の企業であったとしても、もしこのような不利な立場の人たちを雇った場合、そしてそれが全体の生産性に影響をもたらすという考えがありますので、そのぶんを保障する、生産性の低いぶんを保障するという考え方があります。プラス、政府からは具体的な新しい雇用を創出するための補助金等があります。それがソーシャル・ファームであったとしても、民間企業であったとしても、それは変わりません。このような障害者のための雇用をもたらした場合には、助成金または融資を得ることができます。これは一人あたり2万5,000ユーロまで申し込み、申請することができます。そのあといろいろと書類を提出し、自分たちの企業を非常に健全な企業であるということを示したうえで認められれば、このお金が得られます。それからもう一つ、会社を興すに際して、政府は最初の3年、あるいは5年間が非常に重要であることを理解しています。どこの企業であっても、ほとんど利益は上がりません。ですから、収支があえばラッキーという時期です。従って、ドイツ政府から財政支援、給与の一部をもらうことができます。障害者に支払う給与の一部に、政府の補助を受けることができます。これは最初の3年まで。最初の1年目が40%、そして30%、20%と下がっていくのですけれども、長く働けば働くほどこのような支援の必要性がなくなるということで、段階的に減っていきます。

スライド10

(スライド10の内容)

それからもう一つ、財政支援を受ける可能性があります。それは、障害者の低い生産性を保障というものですが、毎年これを証明しなくてはなりません。これもまた、ソーシャル・ファームであっても普通の民間企業であっても同じです。障害者を雇っていれば、そしてこの人が例えば平均して他の人たちと比べて90%くらいの生産性を記録している場合、最大30%まで保障を受けることができます。これは例外的で、通常であれば給与の10%くらいを2年間受けることができます。ただ、これは更新可能ですから、その後も引き続き人件費に対して申請し続けることができます。特にソーシャル・ファームはそうですし、民間は多少なりともそれが可能です。

それからもう一つ、もっと具体的な支援、これはソーシャル・ファームだけが対象ですが、2000年から導入された制度です。それは、ビジネス・コンサルティングを受けるための補助金です。例えばドイツでソーシャル・ファームを設立した場合、4,500ユーロまで、専門のビジネス・コンサルティングのための補助金を受けることができます。または既存のソーシャル・ファームで苦しい状況にある場合、2,000ユーロのビジネス・コンサルティングのための補助金を受けることができます。さほど大きな金額ではありませんけれども、政府を説得するため、この補助金の制度を設けるために20年かかりました。最初の頃はこういった話が出ていたのですけれども、例えばどこここがソーシャル・ファームを起こしたい、ただ、お金がない。プロのビジネス・コンサルティングの専門家を雇うお金がないという状況があり、いろいろと説得を続けたのですけれども、ようやく政府がこのようにお金を出すこととなりました。

それに加えて、大部分のソーシャル・ファーム、99%ほどのソーシャル・ファームは特に有限会社、非営利企業となった場合には特別な条件が認められています。つまり、他の有限会社と同じような扱いを受けるのですけれども、例えば非営利企業であったならば、例えば付加価値税は半分だけを払う、利益に対しては税金を納める必要はないという特例が認められています。ただ、それはあくまでも利益を株主に分配しなければという条件であります。ですから、あくまでも社会的な使命のために利益があがった場合には使うという条件がついた非営利企業です。

さて、パートナーシップの話をする前に、少し数字をおさらいしたいと思います。その後、もう少しだけ背景をお話したいと思います。

ここで使われているいろいろなお金の大部分は、ドイツが設ける雇用率の制度からきています。すべての民間企業はある一定の規模以上であった場合には、ある一定の数の障害者を雇わなければならないという義務づけがあります。もし雇用率を満たさない場合、政府に対する罰金を納めなくてはなりません。乃至は政府機関に納めなければなりません。このお金はあくまでも障害者の雇用創出のためにだけ使われます。

さて、2007年、4億7,900万ユーロの罰金が払われました。かつてはもうちょっと金額が大きかったのですが、しかし例えば2007年度は5億ユーロ近いものが払われました。これは民間セクター、また公共セクターであってもこの雇用率を満たさない場合には罰金を納めます。さて、そのうちの1億4,500万ユーロは民間セクターに支払われました。例えば民間セクターが障害者を雇った場合、またその他、先ほどお話したような目的のために民間企業に支払われます。一方、ソーシャル・ファーム、2007年が受け取った金額は4,700万ユーロでした。皆さんちょっとイメージをつかんでいただきたいのですが、この罰金収入の半分近くが一般労働市場における障害者の雇用に使われた。この中にはソーシャル・ファームも含まれます。それから授産施設、所謂福祉作業所に支払われたのが5,100万ユーロです。これはかなり金額が下がってきています。2005年はまだ1億ユーロでした。しかし、ドイツ政府はかなり真剣に福祉作業所に対する予算を減らそうという動きに出ております。もっと一般労働市場で雇うようにということで、政府に対する補助が減ってきております。また、6,400万ユーロ、これは障害者の就職斡旋、一般労働市場における就職斡旋等に使われております。

皆さんにちょっと感触をつかんでいただければと思います。ドイツにおいては、さまざまなプログラム、このような障害者の雇用のプログラムのための資金が用意されておりますけれども、そういった中でソーシャル・ファームは比較的まだ受け取っている金額は少ないと思います。まだ支払われている金額は少ないと思います。しかし、そうは言いましたけれども、ドイツのソーシャル・ファーム協会は非常に積極的に働きかけておりますし、楽観的ですし、例えばこの5年後には1万人、さらに雇用するようにというような働きかけをしております。ですからかなり我々は楽観的ですし、このソーシャル・ファームの数はもっと増えるだろうと思いますし、そしていろいろな可能性が開かれていくのではないかという期待が持たれています。

スライド11

(スライド11の内容)

さて、このスライドですけれども、ネットワークを示したものです。ソーシャル・ファームを支援しているネットワークです。ソーシャル・ファームが自ら作ったものです。自分たちのために作ったものです。今現在のネットワークですが、25年以上かけて作られました。下のほうにいろいろなシンボルが出ておりますが、それぞれのソーシャル・ファームのシンボルです。

ほとんどのソーシャル・ファームはBAGという組織のメンバーです。これはソーシャル・ファーム・ジャーマニーと言ってもいいでしょう。これは、ドイツのソーシャル・ファームのロビー活動団体です。ここには理事会があります。総会もあります。各ソーシャル・ファーム、メンバー、会員である場合には投票権を持っていますし、発言ができます。このソーシャル・ファーム・ドイツは、国、連邦レベルで活動しています。ドイツの場合には国そして州政府と二つあります。我々BAGでは国レベルでやっております。それから16の地域ネットワークがあります。ここでもそれぞれのソーシャル・ファームが参加しています。これは全国組織の中の小さい組織と言えるでしょう。もう少し細かいことは後でお話したいと思います。

右側にFAFとあります。gGmbHと書いてありますが、これは有限会社であり且つ非営利組織であることを意味しています。ここは100%、ソーシャル・ファーム・ドイツが所有しているものです。ここでは具体的なソーシャル・ファームのためのいろいろな支援活動をしています。

ここには三つのレベルが出てきます。それぞれについてこれからお話したいと思います。国、そして州、地域レベルですね。それから直接サポートするもっとローカルなレベルです。

スライド12

(スライド12の内容)

これがソーシャル・ファーム・ドイツのネットワークですが、すみません、数字を間違えました。700以下だと思いますけれども、数百あります。そしてこれは、全国組織です、ソーシャル・ファームの。これは非営利組織として登録されています。ここは主に二つの活動をしています。まず一つはロビー活動をすることで、政府を相手にロビー活動をしています。先ほどベイカーさんからお話がありました。私たちソーシャル・ファーム・ドイツのやっていることは、ソーシャル・ファームUKと共通していると思います。私たちはいろいろな政党、また各省庁を相手に働きかけをしております。私たちは主に貿易産業省、労働省、社会事業省が相手です。これは我々のソーシャル・ファーム・ドイツの重要な部分です。ここでロビー活動を展開し、ソーシャル・ファームの声になって、政府に対し我々がどんな存在で何をしているのか、どういった重要性を持っているのかを伝えることが重要な任務です。

もう一つが、ネットワークの構築、そして我々の交流活動です。定期的に、1年に1回の大きな会議、全国的な会議をやっておりますし、それからかなりいろいろなイベントをやっております。セミナー、会議、ほとんどのそういったイベントは各会員が交流できるように、経験を共有し、いろいろな問題がありますからそれについて協議をする、話し合いをできるように場を提供いたします。

スライド13

(スライド13の内容)

このスライドでご覧いただいているのはFAFが行っている活動の一端です。これは100%ソーシャル・ファーム・ジャーマニーが所有している子会社で、BAGの子会社です。4つのオフィスがあります。ビジネス・コンサルタンシーがその企業ですが、特にソーシャル・ファームに対する相談サービスを提供しています。ソーシャル・ファームの運動から生まれた会社であり、その一部でもあるからです。基本的に、何と言ったらいいのでしょうか、25年以上にわたる経験からソーシャル・ファームの起業を、あるいはソーシャル・ファームをすでに始めているところでもそれに対する支援をすることが仕事です。その他、ソーシャル・ファームに特有の問題もありますので、例えばソーシャル・ファームの経営者に対して定期的にトレーニング・コースをする、あるいは訓練コースを提供するようなことも行っております。ソーシャル・ファームに関する法律的な問題にはどう対処したらいいのか、具体的な障害が職場でどのような問題を引き起こし得るか、そういうことについてのセミナーも行います。こういったセミナーを行いますと、必ずたくさんの方に参加をしていただいております。それからもう一つ、このFAFの行っている活動のなかでも重要なものなのですが、私もやってきたことで、研究と評価の活動です。キャシーさんからソーシャル・アカウンティング、社会会計についてのお話がありましたけれども、イギリスではどのようなことが行われているのかというお話がありました。

FAFにおきましては、1993年、1994年くらいからいくつかの調査を行いました。国あるいは州政府の資金を得てソーシャル・ファームについての調査研究を行いましたが、6つか7つくらいの大きな研究、調査研究活動が行われたと思います。規模がそれぞれ違うこともあるわけですが、こういった研究や評価活動というのは政府がまずソーシャル・ファームに関心を持っていました。ソーシャル・ファームが当時、だんだんと成長している運動であったということで、本当にそれはうまくいくのかどうか、つまり資金を提供してソーシャル・ファームを支援していくことに価値があるのかどうかというようなことを認識したかったのです。ソーシャル・ファームというのは、それまで行われてきたことに代わる活動として始まったわけで、当時政府の人たちがそれを真剣にすぐに受け入れてくれたというわけではありませんでした。そこで、研究や評価の活動が行われたわけです。いくつくらいのソーシャル・ファームがあって、どういう活動をしていて、何人の人を雇っていて、どのくらいの人がどのくらいの期間働いているのか、すぐに辞めてしまう人はどのくらいいるのかというような調査をしました。

それからまた、政府の立場から見ると、例えばソーシャル・ファームに投資をするとしたらどれくらいのリターンがあるのか、追加的な資金を最終的に投資から回収することができるのか、というようなことを調べたいということもあったかと思います。当時はまだユーロになっておりませんで、ドイツマルクでしたけれども、例えば1ユーロをソーシャル・ファームに投資した場合にどれくらいの収益があるのか、あるいはマイナスになるのか。政府にとってはどのような資金の回収につながるのか、というようなことが疑問に思われたわけです。最終的にはお金というのは例えば課税をすべきかどうか、そういったことも調査されなければならなかったわけです。従って、政府にとってはこのような研究、評価活動というのは非常に重要なことでした。政府がソーシャル・ファームを真剣に考えてそこに投資をしていくということになれば、ソーシャル・ファームのためにもなりますけれども、それはやはり政府にとっても意味のあるものでなければならない、ということでありました。

それから、具体的なプロジェクトが行われまして、ソーシャル・ファームをいかにドイツで発展させていくかというような、そのためのプロジェクトが行われました。幸いなことに、当時EUから戦略的な開発プロジェクトに資金を得ることができました。例えば、民間セクターとの連携プロジェクト、これは3年くらい前のことなので、後で詳しくお話するチャンスがあると思いますけれども、興味深い結果が出てきました。

その他にもいくつかのプロジェクトがありました。主として、ネットワークという枠組みの中でソーシャル・ファームというのはいかに開発していくことができるかということを見るプロジェクトでした。ベルリンで10のソーシャル・ファーム組織と共同で活動いたしました。そのときに特に共同したのは、新しい事業を作ることができるかどうかですね。それからもう一つのプロジェクトもあったのですが、同じネットワークの中で16のソーシャル・ファームを新しく作り、300人の雇用を生み出しました。ネットワークというのはお互いにお互いから学びあう、そしてまたお互いに協力し合うということからいろいろな活動が生まれてくるし、また行われていくわけです。支援ネットワーク、ソーシャル・ファームの支援ネットワークというものを見たときに、いろいろな要素がその中に入っていると思います。ここに挙げたようなものですね。

スライド14

(スライド14の内容)

まず、国のレベルのロビー活動というものがあります。それから地域のネットワークもあります。ドイツではこれが非常に重要です。特別なプロジェクトに対する資金、例えば教育訓練などは州政府から得ることがあるからです。それから、研修や戦略的なプロジェクトも重要です。

加えて、別のネットワークもあります。それはたくさんのソーシャル・ファーム、あるいは企業団体などが使っているものなのですけれども、それぞれの業界のネットワークです。例えば、商工会議所であるとか、あるいはライオンズクラブとか若者のクラブとか、そういったものがこのネットワークの中に入っています。これに関してはかなり熱心な人たちが少なくありません。10年くらい前のことですけれども、ソーシャル・ファームが非常に拡大している。そして民間との協力も進んでいるということがありまして、みんなが熱心に取り組んでいた、熱意を持って取り組んでいた頃でありました。

私も同僚からいろいろな情報を得ておりますので後ほど差し上げることができると思いますけれども、ドイツのソーシャル・ファームの30%は民間企業と提携を組んでおります。主に、コントラクターと言いますか、サプライチェーンの中の企業と共同活動をしていることが多いわけですけれども、その他にも例えば洗濯機の部品ですとか、あるいはオペルやフォルクスワーゲン、自動車の電気部品とか、その他電子部品関係の活動などをしているところもあります。シーメンスなどと連携しているところもあります。

こういったソーシャル・ファームと企業とのネットワークを見ていますと、非常にうまくいっているケースが少なくないと思います。ソーシャル・ファームはビジネスである、と見てもらっているわけです。それと同時に、これは同僚から聞いたことですが、やはり民間の企業つまりビジネスパートナーと平等な立場にあるときにうまくいくということであります。最初、一般企業は、障害を持っている人たちのソーシャル・ファームだから慈善のつもりで、ということで仕事をくれるようなことが多かったわけですが、そうすると他の民間の一般の企業と競争することになりますので、それだけでは成功することはありません。やはり品質もいい、信頼性もある、そして競合性もあるということになりますと、それで初めて成功することになるわけです。社会的にもとても興味深いことをしている、それは大切なことですが、民間セクターで競合していけない、競争力がないということになると、民間との連携は長続きいたしません。したがって、ボーナスも得られないということにもなってしまいます。やはり、少なくとも民間の競争相手と平等な立場で戦っていけるような、そういう力が必要です。民間セクターとの連携というのは、もちろんそれが実現するためには時間がかかりましたが、時間をかけながら質と信頼性を確保してきたというところがあると思います。そして、最初はやはり企業の中でも障害を持った人との個人的な経験がある人からソーシャル・ファームとの連携が始まったと思います。例えば、一般の企業で働いている人のなかでも、障害に対する理解を持っている人、自分で個人的な経験を持っていた人たちがソーシャル・ファームとの活動に関心を持って連携するようになったということが言えると思います。

それでは、次の部分で持続可能性についてお話をさせていただきたいと思います。

スライド15

(スライド15の内容)

もちろん持続可能性は非常に重要なことです。とても興味深いことなのですが、ソーシャル・ファームというのはドイツではかなり成功を収めるようになってきていると思います。失敗率は非常に低い。閉鎖しなければならなかったビジネスはごく僅かです。中小企業ですね、一般の中小企業と比べると大きな違いがあると思います。中小企業の失敗率、破産率はソーシャル・ファームよりも高い。ですから、いったいそれはなぜなのかという理由を探ってみるととても興味深いと思います。三つのレベルで見ていきたいと思うのですが、その第一が個々の企業のレベル、それから支持者のレベルと政府のレベルです。ソーシャル・ファームとして持続可能性を持たなければなりませんが、そのためにはすべての規則といいますか、その他の一般の中小企業が対応しなければならない条件を満たさなければなりません。ファイナンスでもそうですし、品質を確保しなければならない、信頼性を確保しなければならない。これはもう一般の中小企業でも同じであって、ソーシャル・ファームも同じです。

ただ大きな違いもあります。一つは雇用ですね。障害を持った人を雇用するというのはソーシャル・ファームの大きな特徴です。これは企業の全体に影響を与えるものですから、この点をしっかりと認識しなければなりません。

ここに来る前に同僚の何人かと話をしていたのですけれども、ドイツのソーシャル・ファームに行って、どのソーシャル・ファームでもいいので従業員と話をすると、いろいろなことがわかってきます。なぜここで働いているのですか? 民間の企業でどうして働かないのですか? 普通の民間企業で働いたほうがいいのではありませんか? と聞いてみると、「私たちは、普通の一般企業と変わりませんよ。なぜ民間の一般企業で働かなければならないのですか」、という人が多いわけです。

障害を持っている人については、普通の会社では話題にもならないかもしれませんが、ここではそれが普通の問題として話し合われている、会社もそれに対応しなければならない。障害を持っている人たちの雇用について問題が発生すれば、会社が対応しなければならないんだ、そしてそれぞれの企業において独自の解決策を見いださなければならないのだ、というわけです。

つまり、オープンなアプローチが必要であるということになりますよね。ですから、それはみんなで話し合うということ、そしてトレーニング、そして学習が必要であろうと思われます。

私の友人で、ソーシャル・ファームで、ケルンで成功している人がいますが、我々がこういう起業家ネットワークの中に参加しなければならないというようなことを言っていました。民間企業の中にもソーシャル・ファームに興味を示すところがあって、一体どういうふうにして人材の管理をしているのか、どのような管理をしているのかというのを聞いてくれるところがあると言うわけです。そして、何でもできるのだという前向きの雰囲気を作っていくということ。もちろん年によっては大変なときもありますが、しかしそういう前向きな雰囲気を作っているということ。特に、若い一般の民間企業経営者などが大変興味を持ってきます。一体どうやってやっているのか、と聞かれるのですね。私の会社の場合には問題が起こったときにはもう手のつけられないような状態だ、だから結局は人を切ったりすることが必要だと言います。これはソーシャル・ファームの場合には、そういう問題はもっと早くから取り上げて、オープンに話し合っていると言うわけです。ですから、多分そういうことはソーシャル・ファームの持続可能性に大きく貢献しているのではないかと思います。そして、ソーシャル・ファームにおいては、もちろんビジネスとして成功しなければいけないのですが、それだけでなく他の問題にも対処しなければなりません。もしそれがうまくいけば、非常に強くなれるのではないか。そういうことで強い企業体質を身につけて、難しいときにも乗り越えるのではないかと思います。

それから他に、ドイツの動きとしてよく語られることは、経済的な危機があるというなかで、それほど影響を受けていないのはなぜかと聞かれます。それはおそらく、ソーシャル・ファームというのは非常に大きな組織の一部になっているからではないかと思います。単一でやっているところ、そういうところ、こういうものも始めておりますが、まだ小さなコーヒーショップをやっているとか、ちょっとした商売をやっているというソーシャル・ファームもありますが、そういうソーシャル・ファームというのは大体別なセクターで経営をしている、活動をしているという構造をとっています。そして、たいていが大きな社会福祉団体の一部として運営されているということがあると思います。ですから、ガバナンスも心がけているからではないか。これはベイカーさんのお話にもありましたけれども。それでやはり、社会福祉組織、そしてソーシャル・ファームの組織的な特徴というものもあるかと思いますが、しかし何か問題があったとしても、だんだんとそういうものは解決されてきたのではないかと思います。イギリスにおいてはもう15年くらい経ちまして、少しずつビジネスのバックグラウンドを持つ人たちが経営をするようになりました。つまり、かつては社会福祉畑の方が来られたわけですが、ビジネスのバックグラウンドを持つ人が入ってくるようになったということです。

そしてソーシャル・ファームというのは大きな組織の中に組み込まれているという特徴があります。大きなネットワークに入っています。そしてサービスにおいても、非常に多様化したサービスを提供しており、いろいろなところから収入を得ているということもあると思います。ですから一つのセクターでちょっと不況になったとしても、別のセクターはうまくいっているということもあります。そういうところが強みの一つではないかと思います。また、年によっては福祉的なサポートを利用することができるかもしれません。もちろん、普通の企業であればいつも収益を上げなければ、うまくいかなければ破綻ということになりますから、そこが違うのかもしれません。それからよく友人が聞かれるのは、政府からの資金などが止まった場合にはどうするのか、という質問も随分来るそうです。そういうときはもうどうしようもない、何もしないとのことなのですが、そういう場合には仕方がないので、やはり何人かは去っていただくことになるのかもしれませんが、しかしながらやはりビジネスですので中核的な人材は確保することが必要になると思います。

こういったことから、我々は何年にもわたって経験を積み重ねてきましたし、専門性を身につけてきたので、随分発展したと思います。今、まだまだ失業者が多いということで、まだまだ雇用のための資金が必要だと考えます。

スライド16

(スライド16の内容)

次に支援者レベルですが、やはり持続可能性にとって重要なのはドイツのソーシャル・ファームが自分たちの知識をなんとか育むことが必要でしょう。例えば10年前ソーシャル・ファームUKを興した人たちは違ったアプローチをとっていました。もっと自由市場中心のアプローチをとる、そしてコンサルタントを使って企業を興す支援をする、というやり方をしていました。私もイギリスのケースを見ていましたけれども、いろいろなデータベースを構築し、例えば自分たちのニーズにあったコンサルタントを探すという作業が必要でした。なかなかたくさんいるコンサルタントのなかで自分たちに合った人を探すのは難しいと思います。したがって、我々ドイツの中では、できるだけ同じセクターの中で支援者を見つけるという取り組みをしています。これに関してもいろいろな議論、対立はありましたけれども、しかし私たちはこういった方向をとることにいたしました。なによりかなりうまくいっていると思います。

ドイツにおいては、大変わかりやすいことなのですが、例えばソーシャル・ファームを始めたいという人たちはどこに行けばいいのかよくわかっています。自分たちが何か問題を抱えたならば、おそらくはどこかに行けばプロの助けが得られるという可能性が高いと思います。我々には25年以上の実践経験があります。本当にとても重要な点だと思います。それも持続可能性につながっていると思います。

もう一つ、ネットワーク、パートナーシップという点でいいますと、持続可能性のうえで重要なのは、ドイツにおける運動は、当初から今日に至るまで非常に強い交流、協力を中心に進めてきたということですし、ソーシャル・ファームもそうです。ですから例えばドイツのソーシャル・ファームを訪問したいという方がここにいらっしゃったならば、我々は喜んで経験を共有すると思います。また、他の人たち、雇用において不利な条件にある人たちを助けるという気運があります。したがってこの運動の歴史を通じて、ついにオープンでお互いから学び、助け合い、いろいろなことを共有しあうという風潮がありました。もちろん、いろいろな問題、対立もありました。大家族がそうですよね、最初は揉めますが最後は一致団結しお互いを助け合います。それと同じです。

そのことが、ソーシャル・ファーム・モデルがドイツにおいて成功した大きな要因であると思いますし、日本においてもソーシャル・ファームのネットワークを作られたということで大変うれしく思います。どのようなアプローチでネットワークの中で会員をサポートしているかということを考えた場合、こういった協力、開かれているということは非常に大きな助けになると思います。多くの人たちが、例えばこれからソーシャル・ファームを興すうえでも助けになると思います。

次にごく簡単に、政府レベルの話をしたいと思います。

スライド17

(スライド17の内容)

持続可能性という意味では、もちろん政府の支援を得ることは大切です。私たちの場合、随分時間はかかりました。ドイツの場合、2000年からスタートしたと思います、ソーシャル・ファームに関する法律ができて初めて、協力が得られるようになりました。この運動を政府が真剣に受け止めるには随分時間がかかりましたし、かなり我々は説得、努力をしました。しかし今は、政府は私たちの言うことを聞いてくれますし、どの政党もそうです。私たちのアドバイスを聞き、そしてコミットメントを示してくれていますし、いろいろなところで広告宣伝がされていますし、どこでも一つのモデルとして認知されています。したがってこれもまた、持続可能性につながることだと思います。

スライド18

(スライド18の内容)

最後のスライドにいきたいと思います。

スライド19

(スライド19の内容)

この1年くらいでとても、2008年12月、ドイツでは新しい公共調達法が採択されました。ドイツ、それからウェールズでもそうだと思うのですが、ウェールズと同じようにドイツでも社会条項が導入されました。そして、政府に入札をするとき、その社会条項を入れることができるようになりました。これは義務ではありませんが、入れることができるようになりました。25年間私たちが活動し続けてきた結果だと思うので、とてもうれしいことです。

そして、ついにソーシャル・ファームがパブリック・セクターでももう少し契約を増やしてもらえるように、今のところまだ少ないのですね、そのためのドアが開いたのではないかと思います。キャシーさんがお話になったような、企業によってはプライベート・セクターではなくて、公的セクターでもソーシャル・ファームが活動しているということで、私たちも是非そういうふうになっていきたいと思います。

それからもう一つ興味深いのが、ドイツでは実際の施設というのは一つのロビー・グループとしてもまだ強力です。ただ、障害を持っている人たちのグループから、あるいは政府からプレッシャーを受けています。そこでいろいろなことを変えようとしているところです。これまでのモデル、実際の施設というのはちょっと古くなりすぎているのではないか、もっとそれを新しくすべきである、ソーシャル・ファームのようにしたらいいのではないか、というような議論があるようで、その方向で活動をしているところです。自分たちの組織の中に、なんというのでしょう、関連会社のような形でソーシャル・ファームを作るようなことも考えられているようです。例えば過去30年間、ソーシャル・ファームの中で、あるいは一般市場で雇用が得られますよ、というようなことを約束されてきた人たち、そういう人たちにとっても希望が出てきたと言えます。

それから、国際的な交流、それから連携、これもやはり重要なことだと思います。私どもも例えば交流であるとか、お互いに連携をし合うための訪問なども是非喜んでやらせていただきたいと思います。日本では新しい組織ができたそうですので、お互いに協力を推進させていただきたいと思っています。

ちょうど時間となったと思います。皆さん、ご静聴ありがとうございました。後ほどパネル・ディスカッションでまたお話をする機会もあろうかと思います。皆さん、ありがとうございました。

スライド20

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