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国際セミナー報告書
インクルーシブな障害者雇用の現在-ソーシャル・ファームの新しい流れ

閉会あいさつ

辻 一
 ビッグ・アイ館長

本日は「国際セミナー」へのご参加ありがとうございました。

私は当ビッグ・アイ(国際障害者交流センター)館長の辻 一(ツジ マコト)です。

今回は、日本障害者リハビリテーション協会、略称リハ協さまと初めて共催事業を行うことができまして誠にありがたいことと感謝しております。

日本障害者リハビリテーション協会さまが運営されている、国際障害者年記念施設の「戸山サンライズ」は、ここ国連の障害者十年記念施設である当センターとは兄弟関係にある施設といえます。

この当センターを大阪に誘致する際の理由の一つは、リハ協さまが東京で開催されていた国際的なセミナーやシンポジウム等々のイベント事業をぜひ四天王寺悲田院以来1400年の福祉の歴史がある大阪、関西にも廻してほしい、そのための場所がほしいとの思いが込められていました。今回、やっとその思いが実現いたしました。今後もこのような機会を連携して作ってまいりたいと存じます。

そのセミナーである「ソーシャル・ファーム」は、今後の幅広い意味での障害者支援の要になるものです。

私ごとですが、私は37年前に交通事故で脊髄損傷という障害者になりました。当時は医療も社会福祉も、交通利用も、免許が許可されなかったために自動車運転もできず、福祉のまちづくりもできていないバリアだらけの環境でした。私のような活動が可能な障害者であっても自分の身ひとつを動かすことが困難でした。

そこからさまざまな方のご支援を受けてひとつひとつ課題を解決していく中で、こころやさしい方、志のある方か数多くおられることを感じました。

今日の社会は心痛むニュースが数多くながれ、経済的困難の中で社会福祉も弱ってきています。そんな時こそ、人と人との絆、人を大切にする、すべての人を認め合うという、ヒューマニズム、ヒューマニタリアイズムを再度確認することが必要です。

「悪貨は良貨を駆逐する」と流されていくのではなく、「良貨が表に出て悪貨を遠ざける」社会づくりが必要と思います。今日この場にお集まりの皆様はその良貨です。

その意味においても、「ソーシャル・ファーム」は社会の中で見いだされず、機会を得ない人たちにチャンスと支援を与える素晴らしい方法だと思います。また、障害のある人に勇気を与えるものと思いました。

本日講演していただいた先生方に改めてお礼と感謝を申し上げます。ありがとうございます。今日のセミナーを一つの契機として、今日お集まりの皆様方とともによりよい社会を作るために努めたいとの思いをお伝えしてごあいさつに代えさせていただきます。

さきほどお話のなかにありましたサマースクールを、当館は宿泊することもできますので、ぜひプログラムとしてここで実際的な事もまたできればと機会を願っております。ぜひそのような時にも皆様のご参加をお待ちしておりますので、今後ともよろしくお願い致します。

本日はありがとうございました。