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講演会「DAISYの展開」

主催者あいさつ

野村美佐子
(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター次長

日本障害者リハビリテーション協会情報センターの野村です。私はもう一つの肩書きがございまして、それはDAISYコンソーシアムの開発途上国でDAISYを普及する事業、DAISY for ALL Projectの事務局長です。今回の講演はDAISYコンソーシアムと日本障害者リハビリテーション協会の共同主催となっておりますのでこの2つの団体を代表いたしましてご来場の皆様にごあいさつ申し上げます。DAISY for All Project についてはDAISYコンソーシアムに対して日本財団より助成をいただいております。 本日はお忙しいところご参加をいただきありがとうございます。

障害者の情報支援技術としてDAISYの普及に努めてまいりましたが、今回DAISYでテキストと音声、画像などの同期再生をするために使用されているSMILに焦点をあて、その開発と新たなDAISYの展開とどのように関わっていくのかについてお話を伺う機会として講演会を開催いたしました。

SMILとは、お手元のプログラムで簡単に紹介をしておりますが、シンクロナイズ・マルチメディア・インテグレーション・ランゲージの頭文字をとっておりW3Cが勧告をしましたマルチメディアを管理するマークアップ言語です。昨今の放送サービスのデジタル化と携帯電話サービスの発展により、このSMILを活用して携帯電話などパソコン以外の機器にも、映像、音声、文字などを動的に組み合わせたコンテンツの提供が可能になってきております。このようなSMILの障害者にとってのアクセシビリティについても講演のなかで言及していただきます。

講師の方々はほとんどがW3CのSMIL ワーキング・グループに所属し、いずれもSMILに関わる開発の事業に関わっていらっしゃる方々です。
はじめに、現在 国立身体障害者リハビリテーションセンターの研究所の障害福祉研究部長で、DAISYコンソーシアムの設立者の一人であり、DAISY for All プロジェクト のプロジェクトマネージャーとして大活躍をしております河村宏さんより基調講演を行ってもらいます。

次に4つの講演が続きます。最初にエンジニアであり、現在、『AMIS-NEXT』開発において、プロジェクト・コーディネーター、ソフトウェア設計者、主任プログラマーでもあるマリッサ・デメリオさんにAMISの開発についてお話を伺います。次にW3CにおけるSMIL2.0の主要な設計者の一人で、CWI(オランダ国立情報工学・数学研究所)コンバージェント・メディア(convergent media)部研究員兼部長でございますディック・バルターマンさんからSMIL2.0とSMIL再生プレイヤー、アンビュラント・プレイヤー(Ambulant player)についてお話をうかがいます。3番目には、INRIA(フランス国立情報・自動制御研究所)のLimSee2の開発を担当していらっしゃる主任研究者のネイビル・ラヤンダさんと技術主任でソフトウェア・デザイナー、Javaプログラマーを担当しているダニエル・ウェックさんからSMILのオーサリングツールでありますLimSee 2の開発についてお話を伺います。

そして最後にDAISY for Allプロジェクトオープンソース戦略コーディネーターでウェブの標準規格に関する分野で長年積極的に活動、SMILを含むW3Cによる勧告やガイドラインの開発に関わってきた。そしてDAISYデジタル録音図書標準規格の開発にも関与し続けているマーク・ハッキネンさんにDAISYとSMILの今後についてお話をいただきます。これらの講演から河村宏さんをモデレーターとしてSMILで何が変わっていくのか、たとえば、デジタル放送、携帯、Web電子出版、災害情報、途上国などいった分野についての関わりについて討議を進めていただきます。お時間が許せば皆様から質問などを頂戴したいと考えております。

最後に本日の講師の皆様、DAISY for All プロジェクトの助成先でございます日本財団に感謝申し上げます。