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自立生活 国際フォーラム 日本語版

全体会スピーカー:各国におけるこれからの自立生活運動の進め方と国際連帯

衆議院議員  八代 英太

障害者の自立運動を進める上で国際連帯の大きなインパクトは国連決議の「国際障害者年・障害者の完全社会参加と平等」運動であったと思う。
私個人は、いまから25年前に仕事上の事故で車椅子生活者となりその4年後に多くの障害者の支援で参議院議員として国政に参加して以来、障害者の福祉や自立運動の政策向上を目的に頑張ってきました。
振り返ってみれば、日本における障害者の自立運動という言葉はやはり主として肢体障害者とりわけ車椅子障害者がアメリカのバークレーの自立運動に触発されて高まったもので、私などもバークレーを訪れたりジュディー・ヒューマンやジャステンダートさんと交流しながら体験しつつ学び、学ぶつつ提言してきました。日本でも多くの障害者達がやはり頑張って各種の障害者地域作業所という形を主にして自立生活運動がスタートしグループホーム運動へと繋がっていったと思います。
この間、私は日米障害者協議会を主唱し、アメリカと日本の各種の障害者(身体障害・知的障害・精神障害を持つ人々)と共に、両国で2年ごとに会議を開き、色々な政策を語り合ってきました。障害者参画のもとに障害者施策を推進することの意味の大きさを自覚してのことです。その中で、大いなるデモンストレーションとして日本の時の総理大臣に多くの障害者に会ってもらい、中でもアメリカの精神障害者と会って大いに理解を深め、やがて障害者基本法の対象に位置づけられたり、障害者プランの策定に繋がったものと思っています。
国会議員である私は、今後とも当然にその福祉施策を策定していく運動を進めますが、更に他の障害者達と共にリハビリテーション、社会復帰・社会参画までのレベルの政策決定過程に働きかけていくつもりです。
そして一番大切なことは、自国のことだけではなくアジア・太平洋諸国の障害者のことにも思いをはせ、何回にもわたって私はアジア各国と連帯を深め「福祉外交」と銘打って国際連帯にも務めています。こういう交流こそが各国の障害者施策を相互に押し上げて行くものと確信しているからです。
ノーマライゼーションの理念である障害を持つか否かに係わらず地域で平等に生活出来るように、各国も色々な事情があろうとも障害者間の交流を深めていくことが更にお互いの研鑽に繋がるからだと思っています。
現在、世界的に不況の波に覆われていますし、また地球全体が温暖化現象などで色々対応しなくてはなりませんが、私たち障害者の生活が向上することもまた社会参加することも社会の活性化に役立つことを積極的に発言していくことが重要だと思います。