イギリス 学校における障害児への適切な調整プロジェクト
イギリス政府
項目 | 内容 |
---|---|
発表年 | 2003年 |
はじめに
このプロジェクトはイギリス教育雇用省と障害者人権委員会が共同で資金提供を行い、「教育における障害者の平等」(以下DEE)が私たちの代わりに実施している。プロジェクトの目的は障害児に「適切な調整」(リーゾナブル・アジャストメント)を実施する際の優れた実践を促進するねらいがある。
2002年9月から、特別教育(SEN)と障害法2001による英国の障害者差別禁止法(DDA 1995年)の改正は学校に対し正当な理由もなく障害のない児童に比べ障害児を不当に扱わないよう、また、障害児が障害のない児童に比べ実質的な不利益を被ることがないように「適切な調整」が行なわれるよう義務付けた。
「適切な調整」プロジェクトの主要な目的
- 優れた実践例を特定することでDDAにおける義務の理解を促進させる。
- 障害者差別禁止条項を充たすため、効果的にRAPが実施されるよう方針やプロセスの開発を支援する。
- 優れた実践を普及させる。
「適切な調整」にはどのようなものがあるか?
「適切な調整」として考えられるものには様々な状況がある。ひとつの実践例は個々のメリットにより判断するべきである。障害者人権委員会倫理コードが「適切な調整」の良い実践例として挙げているのは以下である。
- 学校での薬の管理に関してのポリシーの見直し。職員は学校側の保険ポリシーによって保険によって保障される。その結果、薬を投薬することを許可される。
- 障害に関係するいじめ問題に対処するために、いじめに関するポリシーを見直す。
障害者人権委員会倫理コードの「適切な調整」の良い実践に関する詳細はこちらへ。http://www.teachernet.gov.uk/accessibleschools
学校はとるべきステップを考慮し、それが適切かどうか判断するべきである。適切かどうかという要因にはコスト、実行可能性、安全性、学業的維持、他の生徒に与える影響がある。
[注意:学校は障害者差別禁止法を遵守するための補助具やサービスを提供する必要はない。それらはSENのフレームワークで行なわれる。将来的には学校の物理的な改築はDDAプラニング・デューティーの実施によって達成される。
「適切な調整」の詳細
これは2003年4月から2005年3月にわたる2年間のプロジェクトである。DEEは学校が障害児を抱合するための優れた実践例集とDVDの製作を委託した。
「適切な調整」には様々な形がある。DEEは英国の学校に障害児に対する「適切な調整」の優れた実践例の候補を決定するための調査票への回答を募集している。DEEは、対象生徒の障害の重さや種類、学校全体のポリシー、進行段階、実践中の学校が行なっている「適切な調整」の方法を知りたいと願っている。経験豊富な学校とともに障害児のインクルージョンを始めたばかりの学校を見出すことを重要視している。特別な学校のアウトリーチ活動の良い事例も収集している。
提供された事例は作成される基準に照らし合わせて、最終的な優れた実践ガイドに掲載される。さらに、事例はDEEが「適切な調整」の好事例を撮影する学校を特定するのに役に立つ。教育雇用省のウェブサイトに進行状況を定期的に更新して掲載している。
www.teachernet.gov.uk/accessibleschools
このプロジェクトは教育雇用省が助成している別のプロジェクトである、LEA(地方教育機関)のアクセシビリティ戦略を支援するアクセシビリティ・プラニング・プロジェクトとともにコーディネートされている。
日程
2003年12月までに:評価グループが召集される。学校から候補を決定するための調査票の回答を受け取る。それをもとに撮影する学校を決定する。
2004年3月までに:最初の撮影の分析を行い、必要があればさらに撮影候補を選択する。さらに、学校のポリシーに関する文書も収集される。
2004年7月までに:撮影と文書の収集が終了する。
2004年12月までに:2005年春に配布できるよう文書とDVDを教育雇用省に提出する。