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スウェーデンの刑務所図書館に関する会議

ビルギッタ・イールヴァール
スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)、 IFLA(国際図書館連盟) 「図書館利用に障害のある人々へのサービス」分科会(Libraries Serving Disadvantaged Persons. LSDP)委員

項目 内容
転載元 IFLA(国際図書館連盟)ニュースレター(2002年春)

4月にスウェーデン中部の小さな町クマ(Kuma)で、刑務所図書館に関する全国会議が開催され、42人の図書館員が参加した。クマにはスウェーデンで、最も警備の厳重な刑務所のひとつがある。会議はまず、クマにある魅力的な図書館ツアーから始まった。
 1995年の「服役者に対する図書館サービスのガイドライン」を改正する新しいIFLA/LSDPプロジェクトについて紹介があった。このプロジェクトの進歩状況をモニターする刑務所図書館員のグループが形成された。スウェーデンの全刑務所図書館は、最も近い公共図書館の協力を得て運営されている。刑務所図書館で働く図書館員は、公共図書館でもパートタイムで勤務している。ある地域では、地方自治体が刑務所図書館サービスの助成金を減らしている。それにより、購入する書籍の量が減り、図書館員の勤務時間が減らされた。一方では、外国語の書籍や、ディスレキシアの服役者のための特別なプログラム、また執筆プログラムなどのために助成金を得ているところもある。大学レベルの教育プログラムに登録したり、専門書を必要とする服役者も増えてきている。ある刑務所図書館では、スタッフが本を探すためにインターネットを利用し、図書館員の監視の下、服役者自身がインターネットにアクセスできる。
 デンマークから参加したある図書館員からは、デンマークでもスウェーデンのモデルと同様の方法で運営しているという報告があった。彼はニューボアにある、150人の服役者を収容している刑務所の図書館で週15時間働き、インターネットにもアクセスできるという。
 午後、参加者はクマ刑務所を訪れ、施設内にある2つの図書館を視察した。図書館司書が週20時間、図書館アシスタントが週30時間勤務している。彼らは、週8~9時間刑務所図書館で一緒に働いている。その他の時間を、書籍を探したり、貸し出し、返却の作業に費やしている。