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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第12号(2007年8月14日配信)

□…… DINF: 障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン ……………□
                第12号(2007年8月14日配信) 刊行:不定期
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 DINF(Disability INFormation Resources)は、
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会が
 障害者の保健と福祉に関わる研究を支援するために、
 国内外から広く関連する情報を収集し障害者関連の情報を
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■   目次
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【1】 注目記事
【2】 新着情報 
【3】 セミナーのご案内 
【4】 ウェブ担当者コラム
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【1】  注目記事
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●ディスレクシアとは?
ディスレクシアは、知的な遅れはないけれども、
読んだり書いたりすることが苦手な人たちのことをいいます。
「文章を読むこと」と「意味を理解すること」を
同時に行うことが難しく時間がかかりますが、
同じ内容を音声で聞くと理解しやすいことも多いです。
そのため、DAISYやパソコン等の情報技術を生かした学習教材は、
ディスレクシアの人の学習支援に有効です。
縦書き/横書き、かな/漢字、アルファベット、数字など、
読み書きしづらいものは、個々人で異なり、工夫の仕方も様々になります。
早期から自分に合った教育支援を受け、学習方法を見出すことができれば、
自尊心を失うこともなく、その才能を伸ばしていくことができます。
◇ディスレクシアの当事者
過去のセミナーで講演を行なっていただいたディスレクシア当事者の方々も
自ら工夫して困難を乗り切る努力をしてきました。
スウェーデンのハンス・ハンマルンド氏
(http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/20021101hans/hans.htm)は、
お母様が教科書の文字を指差しながら読み聞かせてくれたことが役に立ち、
そのおかげで、ある教科の成績が1番になったことが大きな自信につながったと
語っています。
現在は、文書の執筆等は秘書のサポートを受けながら、パソコンの技術、組織の人々を
まとめあげるセンス、スピーチの能力等の強みを生かして仕事をしています。
「母と秘書が自分にとってのDAISYだった。もう少し早くDAISYに出会えていれば・・・」と語っています。
神山忠氏(http://home.wondernet.ne.jp/~aaanet/main/index.html)は、
単語と単語や行間を空けて文章を書く、フローチャートを描くなど、
文章を自ら読みやすい形に変えて理解する努力を続けてきました。
読み書きが苦手なことで学校時代は大変な苦労をしていましたが、
自衛隊に入り、直接言葉で指示が伝えられる世界では困らないのだと気づきます。
それがきっかけで自信を取り戻し、
「勉強ができない子の気持ちが分かる先生になろう」と考えるようになり、
教員の道を選んだのでした。
◇各国におけるディスレクシアの位置づけと支援方法
「ディスレクシア」は、国によって位置づけや支援の方法が異なります。
英国、スウェーデン、デンマーク等では「ディスレクシア」として
学校や図書館で支援を受けています。
スウェーデンでは、スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)が中心となって、
1996年から98年までディスレクシア・キャンペーンを行い、
読み書きに障害のある人たちに対する意識を変化させ、より良い支援を行うための
地域の活動やネットワークを奨励しました。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/dc/dyslexia.htm
米国、日本では、ディスレクシアは学習障害(Learning Disabilities:LD)の
ひとつに位置づけられています。
英語圏ではディスレクシアは人口の10%から20%いるといわれています。
日本のディスレクシアの割合は、平成15年3月の調査でわかったLDの割合(4.5%)に
近いといわれています。
◇日本障害者リハビリテーション協会の活動
日本障害者リハビリテーション協会では、DAISYは学習障害、知的障害、
精神障害の方にとって有効であるという視点から
マルチメディアDAISY図書製作普及事業を行なってきました。
その一環で、ディスレクシアの人への録音図書のサービスやDAISYの活用を進めてきた
米国、スウェーデン、デンマーク等から学ぶべく、講演会を開催してきました。
今年度もディスレクシア・キャンペーンを行い、DAISYを活用した支援を推進します。
  セミナー「ディスレクシアへの支援 デンマークでの活動から」(2006.8.31)
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/seminar20060831/index.html
  ディスレクシア・キャンペーン 意識改革はゆっくりと
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/dc/dyslexia.htm
  ディスレクシアのための図書館サービスのガイドライン
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/easy/gl.htm
  ディスレクシアに優しい学校を実現する 第2版 情報集
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/dyslexia/index.htm
  未来の学習教材:読み書きの障害/ディスレクシアがある人々のために
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/dyslexia/ft/01.html
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【2】 新着情報
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The 10th Duskin Leadership Training in japan :A program for Persons with Disabilities in Asia and the Pacific
http://www.dinf.ne.jp/doc/english/duskin/index.html
内容:
第10期ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業の募集要項(英語)です。
【海外からのトピックス】(8月9日 新着)
モンゴルにおける障害者の事情
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/else/topics/mongolia.html
【国連世界情報社会サミット(WSIS)】(8月7日 新着)
障害者の津波への備えに関する国際会議
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/ws070111.html
内容:
「障害者の津波への備えに関する国際会議」の概要とプログラム、
当日のプレゼンテーション(英語)です。
関連情報:
障害者の津波への備えに関する国際会議報告
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/ws_tunami.html
障害者の津波への備えに関するプーケット宣言(仮訳)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/ws_phuket.html
【BMF-SCM (BMF関係者調整委員会)】(8月7日 新着)
国連ESCAP主催:第二次アジア太平洋障害者の十年中間年ハイレベル政府間会合
2007年9月19日~21日(バンコク・タイ)
暫定議事案
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/twg/jpn/agenda_hl.html
NGOの参加に関する情報
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/twg/jpn/participation_hl.html
【情報のアクセス問題】(8月1日 新着)
◇世界を広げるために-アイリーン・マックミーン 
(盲ろう協会 オーストラリア : 2007年5月)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/nsw.html
◇新著作権法に関する最新情報 円卓会議による共同成果-ティム・エヴァンス 
(ビジョン・オーストラリア(VA) : 2007年5月)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/va.html
内容:
2007年5月にアデレードで行われた「印刷物を読むことに障害がある人々のための
情報アクセスに関する円卓会議:2007年全国大会」
(2007 National Conference of Round Table on Information Access 
for People with Print Disabilities)の2つのプレゼンテーション資料の翻訳です。
http://www.e-bility.com/roundtable/conf_proceedings07.php
オーストラリアの盲ろう者の情報アクセスの現状と
2006年のオーストラリア著作権法の改正について読むことができます。
◇Google Book Searchへのアクセシビリティ追加-ジョージ・カーシャー 
(DAISYコンソーシアム : 2007年7月)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/google.html
内容:
DAISYコンソーシアムの事務局長で、自らも視覚障害当事者である
ジョージ・カーシャー氏が、"Google Book Search"の「全文表示」に
特殊な隠しリンクが追加され、それをスクリーンリーダーなどの
支援機器を通じて利用できるようになったことについて論述しています。
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【3】 セミナーのご案内
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●国際障害者支援シンポジウム
  -途上国の障害分野における人材育成の必要性と効果、
     及び援助機関のかかわり方-
趣旨:
1999年以来、財団法人広げよう愛の輪運動基金が実施している 
「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」は、
アジア太平洋地域の障害者福祉の向上を目的として、 同地域の障害者を招聘し、
これまでに21の国と地域の61名の障害者リーダーを育成してきました。
本シンポジウムでは、本邦研修による人材育成と帰国後の支援が効果的に作用した
事例として、日本のNGOやNPO、国際援助機関の支援を受け活動している、 
パキスタンのシャフィク・ウル・ラフマン氏とネパールのクリシュナ・ゴウタム氏を
招聘し、日本での研修を含めた活動の軌跡や自国の状況をご報告いただきます。
午後はパネルディスカッションとし、両氏と日本のNGO、NPO、国際援助機関の方々を
交え、 途上国の障害分野における人材育成の必要性と効果、
その後の支援のあり方について、それぞれの立場から知見を述べていただき、
今後のかかわり方を模索します。
日時:平成19年9月15日(土) 10時~16時30分
場所:東京簡易保険会館 ゆうぽうと 7階 重陽の間
(〒141-0031 東京都品川区西五反田8-4-13 TEL:03-3490-5111 (代表))
http://www.u-port.fukushi.kampo.japanpost.jp/
参加費:無料
主催:財団法人広げよう愛の輪運動基金/財団法人日本障害者リハビリテーション協会
言語:日本語・英語 (逐次通訳付)、日本手話、要約筆記
定員:200名 (先着順)
お申し込み・詳細情報
http://cgi.normanet.ne.jp/~duskin/postmail/postmail.html
事務局:
日本障害者リハビリテーション協会 企画研修部研修課
(〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1)
TEL:03-5273-0633
FAX:03-5273-1523
e-mail:inquiry@dinf.ne.jp (奥平・那須)
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【4】 ウェブ担当者コラム
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7月15日に第16回出版UD研究会に参加してきました。
http://www.ud-pub.org/
この会は、「出版物のアクセシビリティを考えるセミナー2004」(2004年2月)、
「出版のユニバーサルデザインフォーラム」(2005年2月)の実行委員だった
有志メンバーが、2005年7月より定期開催している研究会です。
今年度は隔月開催で「わかりやすく伝える」をテーマの研究会を開催しています。
http://ud-pub.org/2007/07/ud.html
第16回の研究会では、「ピクトグラムや写真を活用した出版物」について
藤澤和子さん(京都府立向日が丘特別支援学校、日本PIC研究会代表)が
お話されました。
ピクトグラムは、何らかの情報や注意を示すために表示されるサインの一つです。
目に付きやすくするために、背景との明るさの差が出るような2色を使っています。
ピクトグラムの利点は、現地の言葉がわからない人や
言葉でのコミュニケーションが困難な人にも内容が伝わりやすいということです。
藤澤さんは、ピクトグラムの例や活用の仕方にふれながら、
ピクトグラムと出版というテーマをつなげて「LLブック」を紹介していました。
スウェーデンの読みやすい図書、手をつなぐ育成会の図書、
大阪の金剛コロニーの知的障害当事者が実話を基に書いた
『ひろみとまゆこの2人だけのがいしゅつ』が紹介されました。
どの本も内容に合わせてそれぞれの工夫があります。
テキスト、写真、イラスト、シンボルの特徴を生かして、
どれかを選択したり組み合わせたりして、読みやすい図書を作っているのです。
藤澤さんの勤務校では、シンボルを使ったメールソフトの開発と活用を始めています。
最初はメールの概念がわからない生徒でも、送信する人と受信する人を隣同士にして、
「消えたメールはどこにいったのか」、「メールはどこからやってきたのか」を
説明するとわかるようになるというお話はとても興味深いものでした。
写真、イラスト、シンボルを活用することで、参加できる人が増え、
コミュニケーションの範囲が広がっていくことが具体的にイメージできました。
「わかりやすいことは楽しいこと」という締めくくりの言葉に深みを感じた報告でした。
*読みやすい図書については、メルマガ11号の注目記事もご参照ください。
□□■ 編集後記………………………………
8月15日(水)~17日(金)まで、戸山サンライズが閉館のため
当協会事務も休業となります。
また、8月17日(金)9:00~13:00の間、
戸山サンライズの電源設備法定点検作業により全館停電となります。
これに伴い、8月16日(木)21:00 ~ 17日(金)14:00は、
協会内部・外部で運用している全てのサーバーのサービスを停止します。
この期間は、
・dinfアカウントのメールの送受信はできません。
・メーリングリスト(@dinf.ne.jp及び@list.jsrpd.jp)からのメールが
配信されません。
・JSRPD、DINF、NORMANET全てのweb閲覧ができません。
以上、よろしくお願いいたします。
暑い日が続いていますが、皆さんお体ご自愛ください。
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
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