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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第13号(2007年9月11日配信)

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DINF: 障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン
          第13号(2007年9月11日配信) 刊行:不定期
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DINF(Disability INFormation Resources)は、財団法人日本障害者
リハビリテーション協会が障害者の保健と福祉に関わる研究を支援する
ために、国内外から広く関連する情報を収集し障害者関連の情報を提供
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■   目次
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【1】 注目記事
【2】 新着情報
【3】 セミナーのご案内
【4】 ウェブ担当者コラム
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【1】  注目記事
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●「印刷字(印刷物)を読めない障害(Print Disabilities)」という捉
え方
"Print Disabilities"は、「印刷物を読むことに関する障害」を指す言
葉で、視覚障害、上肢障害、学習障害、知的障害等の理由で印刷物の情
報へのアクセスが困難な人々の総称として使われています。
英語圏では一般的に使われている言葉ですが、日本語に訳すのが難しい
語のひとつです。DINFでは「印刷字を読めない障害」あるいは「印刷物
を読めない障害」としています。
第73回IFLA(国際図書館連盟)年次大会2007(ダーバン、南アフリカ)
http://www.ifla.org/IV/ifla73/index.htm
でも、視覚障害者図書館分科会(Libraries for the Blind Section)
と児童・ヤングアダルト図書館分科会(Library for Children and  Yo ung 
Adults)が共同開催したミーティングは、 「印刷字を読めない障
害を持つ子どもへの図書館サービス好事例(Best practice in library services for 
print-disabled children)」というタイトルでした。
また、オーストラリア・ニュージーランドには、「印刷物を読むことに
障害がある人々のための情報アクセスに関する円卓会議」
(Round Table on Information Access for People with Print Disabilities 
Inc)
という機関があります。
http://www.e-bility.com/roundtable/index.php
「印刷物を読むことに障害がある人々のコミュニティでは、出版されて
いる情報のたった5%しかアクセシブルなフォーマットで利用できない」
という問題を、円卓会議は、基本的権利の問題として考えました。
そして、「アクセスの権利は、著作権法に正式に規定されなければなら
ない」という理念の下に活動し、2006年の著作権法の改正に際して意見
を提示する機会を得ました。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/va.html
オーストラリア連邦政府は、その提案を受け入れ、印刷物を読むことに
障害がある人々、その支援者や組織が事前の許可を取る必要なく、コピ
ーを作成できるようになりました。
この規定は特定の障害について言及しておらず、対象範囲が広いという
点が特徴です。
オーストラリアでこのような改正ができたのは、個々の障害についての
認識だけでなく、"Print Disabilities"という視点があったからである
と考えられます。
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【2】 新着情報
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【情報のアクセス問題】(9月3日 新着)
視覚障害者図書館および情報サービス事業の資金調達および管理システ
ム:国際 事例研究第一部:概略報告書
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/rightscom.html
内容:
視覚障害者図書館および情報サービス事業の資金調達および管理システ
ムにおけるさまざまな取り組みの比較と、これらの要素がその成果に及
ぼす影響の解明を目的とする研究の報告書のうち、要旨の部分を翻訳し
たものです。
【法律行政による計画、通知】(9月3日 新着)
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に 関する法律
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/6laws/bf.html
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律要綱
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/6laws/bf2.html
内容:
平成18年6月21日公布、同年12月20日施行の「高齢者、障害者等の移動
等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)の本文とその要
綱です。
【研究・調査-法律】(9月3日 新着)
障害者差別をなくすための千葉県条例(野沢和弘・毎日新聞夕刊編集部
長)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/law/nozawa.html
内容:
2006年10月に千葉県で「障害者差別をなくす条例(正式名称・障害のあ
る人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例)」が成立しました。
条例づくりのための研究会の座長を務めた野沢和弘氏による条例成立
までの経過についての書き下ろし記事です。
【PRESS】(9月3日 新着)
ASIA PACIFIC DISABILITY REHABILITATION JOURNAL(APDRJ)
Vol.18 No.1 2007
http://www.dinf.ne.jp/doc/english/asia/resource/apdrj/v182007/index.ht
ml
内容:
APDRJは障害とリハビリテーションに関する政策、サービス供給分野、
人材教育プログラム、リハビリテーション関連技術等に関する情報提供
を目的として、1年に2回英語で発行されています。2007年第18巻第1号
は、「アジア太平洋地域の障害・貧困・開発に関する視点」、「国連
障害者の権利条約とびわこミレニアム・フレームワークの収束」等多彩
な記事が掲載されています。
【情報のアクセス問題】(9月3日 新着)
情報通信技術システムのアクセシビリティ-障害者の標準化プロセスへ
の参加
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/standard.html
内容:
英国王立盲人援護協会(RNIB)の主任科学者であるジョン・ギル氏が、
障害者が情報通信技術システムの標準化プロセスに参加する際の留意点
についてまとめた報告書です。
【BMF-SCM (BMF関係者調整委員会)】(8月29日 新着)
Report on Access to Information and Communication for persons wi th 
disabilities with the Special Reference to the Biwako Millenn ium 
Framework http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/twg/eng/ict/index.html
内容:
びわこミレニアム・フレームワークに基づくICT調査の結果をまとめた
報告書(英文)です。
関連情報:
びわこミレニアム・フレームワーク
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/bf/index.html
優先領域の6番目として「情報通信技術及び支援技術を含む情報と通信
へのアクセス」が挙げられています。38~43までがこの項目に関わりま
す。
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【3】 セミナーのご案内
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●第30回総合リハビリテーション研究大会
開催趣旨:
本大会は、1977年に、各分野のリハビリテーション従事者の連携と交流
を目的に、有志らによる「交流セミナー」としてスタートし、本年で第
30回を迎えます。
今大会は、海外からのゲストを含む、リハビリテーション分野の第一人
者であるスピーカーによる講演とシンポジウムのほか、「リレー討論」に
より、バラエティーに富むテーマで意見交流を行います。この30年を振
り返り、次世代への展望を共に探る大会としたいと存じます。
テーマ:総合リハビリテーションの30年とこれからの展望
とき:2007年10月19日(金)・20日(土)
ところ:日本青年館 国際ホール(東京都新宿区霞ヶ丘町7番1号)
定員:200名
大会参加費: 一般5,000円、1日のみ参加3,000円、学生2,000円
懇親会費:3,500円(10月19日夕方)
主催:
第30回総合リハビリテーション研究大会実行委員会
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
後援:
内閣府、厚生労働省、文部科学省、東京都、
社会福祉法人 全国社会福祉協議会、
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
日本障害フォーラム(JDF)
独立行政法人福祉医療機構(高齢者・障害者福祉基金)助成事業
申込先・問合せ:
第30回総合リハビリテーション研究大会事務局
162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
財団法人日本障害者リハビリテーション協会内
TEL:03-5292-7628  FAX:03-5292-7630
E-mail: rehab@dinf.ne.jp
詳細情報:
http://www.normanet.ne.jp/~rehab/
●2007年JANNET研究会「開発における障害―バングラデシュを深める」
趣旨:
JANNETはこれまで、地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)と地域
社会開発への理解を深める機会を提供してきました。2年前からバング
ラデシュのCDD(開発における障害センター)というNGOの活動をとおし
て、地域社会開発に障害が含まれるインクルーシブ開発を研究会のテー
マに取り上げてきました。
CDDでマネージメントを担当するアベディン・カーンさんがアジア保健
研修財団(AHI)の研修参加を目的に来日するため、JANNETではアベデ
ィンさんを講師に招いて、次のような研究会を開催します。
アベディンさんとの対話をとおして、バングラデシュでのインクルーシ
ブ開発について、さらに理解を深め、またCDDとパートナーの開発組織
の具体的な活動についてもご紹介する機会を提供できれば幸いです。来
年3月に予定される現地研修会での見所、聞き所についても伺います。
はじめて聞く方もご自由にご参加ください。必要な方にはこれまでの資
料をお送りします。終了後懇親会を予定していますのでお時間のある方
はどうぞご参加ください。
主催:JANNET(障害分野NGO連絡会)
日時:2007年10月9日(火)午後6時~8時
会場:戸山サンライズ2階大会議室(電話03-3204-3611)
    URL:http://www.jsrpd.jp
講師:アビディン・カーン氏、CDD(開発における障害センター) マネ
ージメント担当
参加者: 50名
参加費:会員1,000円、一般2,000円、学生500円
懇親会参加費:ひとり約1,500円
申し込み締め切り:10月1日
(余裕があれば締め切り後も受け付けます。)
申し込みおよび問合せ先:
JANNET(障害分野NGO連絡会)事務局(日本障害者リハビリテーション協会
内) 坂東雅子
〒162-0052東京都新宿区戸山1-22-1
TEL:03-5292-7628,FAX:03-5292-7630
Email:  bando.masako@dinf.ne.jp
URL: http://www.jsrpd.jp
詳細情報:
http://www.normanet.ne.jp/box/#node-1182
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【4】 ウェブ担当者コラム
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今回は、第32回わたぼうし音楽祭
http://popo.or.jp/new/detail.php?cid=137
に参加した職員からの寄稿です。ひとつの企画を30年以上続けることの
重みを感じました。
***
第32回わたぼうし音楽祭が2007年8月5日、たんぽぽの会主催により奈良
県文化会館国際ホールで開催された。今年のテーマは
「生きる力、満開。~あなたの夢が みんなの夢になる~」。
障害をもつ人たちも、地域のなかで人間らしくいきいきと生きられる社
会をつくろう。そんな願いをこめて、障害を持つ子供たちの母親が中心
になり、「奈良たんぽぽの会」が誕生した。1976年、障害をもつ人たち
の自立援助サービスセンターをつくるために「財団法人たんぽぽの家」
が設立され、施設運営と並行して健常者と障害者が共に生きる社会づく
りをすすめてきた。
活動の中で全国的に注目を集めているイベントのひとつが、1976年から
毎年夏、奈良市で開いている「わたぼうし音楽祭」である。最初のわた
ぼうしのコンサートは1975年に、当時16歳の脳性マヒの少年の「夢」と
いう詩から始まった。「その詩は今も、わたぼうしの基本姿勢である『
みんな同じ空の下に生きている』という思いが込められている。」(辻
本 奈良たんぽぽの会 会長)。
音楽祭は本年2007年で32回を数え、30年以上を経過した。全国から総数
596点の作品応募があり、選考会を経て10曲が演奏された。入選者の中
には、約20年ぶりという障害者もいた。歴史を感じさせる。司会を担当
した酒井氏も同様に20年近く携わっている。「わたぼうし音楽祭は私の
青春です!」とのこと。
オープニングでは「海のかなたにも 空のむこうにも」というメッセー
ジソングを大合唱した。ホールは、出演者と観客の垣根を超え心をひと
つにした歌声につつまれた。
今年のわたぼうし大賞には静岡から作詞を応募した「すぎた ちよこ」
氏の「つばさ」が選ばれた。著者も審査員の一人で選考に加わったが、
今年は特に作詞の優秀性が評価されての選考となった。「つばさ」は
作曲者の安倍氏本人によるギターとボーカルにより、約1,000人の観客
が聞き入っていた。特に印象に残ったのは次の箇所である。
  できないことを 数えなくてもいいよ
  できることを さがさなくてもいいよ
  ゼロとゼロを 重ねたら 君の光 無限大
  心のつばさ 今 はばたいた
  君は やっぱり 笑顔がすてきだよ
また、今年は日本のみではなく、審査委員会特別賞を受賞した香港から
の作品「Searching  探し求めて」も演奏された。日本での毎夏の奈良
の芸術文化の恒例行事は、1991年より世界の舞台へと飛躍し「アジア太
平洋わたぼうし音楽祭」として2年に一度開催されるようになった。今
年はマレーシア・ジョホールバルで開催される。
***
関連文献:
障害者文化芸術振興に関する実証的研究事業報告書 平成6年度
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/other/z00017/z0001701.html
日本発・障害者事情:国境を越えた歌声(2002年1月)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/daw/wz0204002.htm
日本発・障害者事情:生きている場所からのメッセージ(2004年10月)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/daw/wz_matukane.htm
□□■ 編集後記-------------------------------------------------
第73回IFLA(国際図書館連盟)年次大会2007(ダーバン、南アフリカ)
http://www.ifla.org/IV/ifla73/index.htm
に参加してきました。
参加者は約3000人で、アフリカからの参加が約1000人。
元気な女性ライブラリアンたちからパワーをもらってきました。
参加して得た情報は、「情報とアクセス」のコンテンツに少しずつ反映
させていきたい思います。
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
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