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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第21号(2008年4月23日配信)

□…… DINF: 障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン ……………□
                第21号(2008年4月23日配信) 刊行:不定期
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 DINF(Disability INFormation Resources)は、
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会が
 障害者の保健と福祉に関わる研究を支援するために、
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■   目次
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【1】注目記事
【2】新着情報
【3】セミナーのご案内
【4】ウェブ担当者コラム
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【1】注目記事
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●国連障害者の権利条約発効:2008年5月3日
2008年4月3日、国連障害者の権利条約に、エクアドルが批准し、
批准国20カ国に達しました。(4月22日現在、24カ国が批准)
これにより、30日後の5月3日に、障害者の権利条約は発効することになりました。
潘基文国連事務総長は、障害者権利条約の発効に歓迎の意を表しました。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/un-news20080403.html
潘事務総長のスポークスパーソンであるマリー・オカベ氏は、
「これは、すべての人のための完全にインクルーシブな社会の創造に向けて、
すべての人の普遍的な人権の実現を追求している私たちにとって、歴史的瞬間です。」
と語りました。
また、「この条約と選択議定書は、障害者の人権を侵害する非常に悪質な虐待および
非人間的な慣習を是正するという、国際社会による確約に深く根差しています」と締めくくり、
同条約にまだ加入していない、あるいは同条約をまだ批准していないすべての国々に、
即刻これを行うことを求めました。
沙祖康経済社会問題担当事務次長は、「この条約は、強力な開発的側面を備えた21世紀初の
包括的な人権条約であるだけではありません。
この条約は、国連でかつてないほど迅速に交渉が進められた条約でもありました。
また、最も早く発効に至った条約の一つでもあります。」と述べました。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/un-news20080404.html
国連障害者の権利条約は、2006年12月13日に総会で採択され、
2007年3月30日に署名と批准のために開放されましたので、
採択から発効までは1年4ヶ月です。
1989年11月20日に採択され1990年9月2日に発効した
児童の権利に関する条約に次いで早く発効に至ったことになります。
5月12日には国際障害同盟(International Disability Alliance:IDA)の主催により
ニューヨークで「国連障害者権利条約20カ国批准記念セミナー」が開かれます。
関連ページ(英語):
○United Nations enable
http://www.un.org/disabilities/
 国連の障害者権利条約のページです。
 トップのハイライトに、5月3日発効のニュースが書かれています。
○Countries that have ratified the Convention
http://www.un.org/disabilities/default.asp?id=257
 批准国がアルファベット順に並んでいます。
 4月21日現在、23カ国が批准しています。
○Map of Signatures and Ratifications as of 14 April 2008
http://www.un.org/disabilities/documents/maps/enablemap15Apr08.jpg
 4月14日現在の署名国、批准国の地図です。
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【2】新着情報
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【情報のアクセス問題】
(4月3日 新着)
わかりやすい言葉で
-読みやすく、わかりやすい言葉で書かれたヨーロッパの国々の新聞とその開発の動き-(抄訳)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/080403_in_plain_language.html
  読みやすく(easy to read)、わかりやすい言葉(plain language)で書かれた
    ヨーロッパの国々の新聞とその開発の動きについての小冊子の抄訳です。
  ヨーロッパ連携ネットワークには、スウェーデン、ベルギー、イギリス、
  ノルウェー、オランダ、フィンランド、デンマークが参加しています。
  各国の言語は、お互いに関連があっても大きく異なっていて、
  何がわかりやすい言葉、読みやすい言葉であるかは言語によって異なりますが、
  わかりやすい言葉で書くプロセスは、すべての言語について
  ほとんど同じであるという考えで活動しています。
  ヨーロッパ連携ネットワークのプロジェクトと各国の活動が紹介されています。
  関連情報:
  Easy-to-Read Network(英語)
    http://www.easy-to-read-network.org/
(4月15日 新着)
図書館利用に障害のある子どもへのサービス(山内 薫(墨田区立あずま図書館))
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/080320_yamauchi_cl2007.html
  やさしく読める図書に関する2つのシンポジウム、公共図書館の特別支援教室への
  サービス、日本で初めて刊行されたLLブック、手話によるお話会、
  拡大教科書の無償配布、少年院への図書館サービスについての論考です。
  児童図書館研究会編『年報こどもの図書館 2002-2006 2007年版』
  日本図書館協会,2008.3.20,p.248-252より転載させていただきました。
【国連障害者の権利条約】
(4月3日 新着)
障害者に関する世界行動計画の実施:障害者に関するミレニアム開発目標の実現
2007年11月8日
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/071108_WPA_resolution.html
  第62回国連総会の議題62(b):社会開発の決議草案で、全部で14項目あります。
  政府に対して、政府間機構、非政府組織、民間部門等と必要に応じて連携し、
  世界行動計画、障害者権利条約、障害者の機会均等化に関する基準規則の目的に
  従って活動し、ミレニアム開発目標を含む国際的な同意を得た開発目標の実施を
  目的とした開発戦略、政策、プログラムに障害者の問題を盛り込み、
  すべての人の機会均等化を以下の手段によって促進することを検討し、
  確保するよう奨励しています。
(4月16日 新着)
JDF(日本障害フォーラム)意見書 2007年8月9日 政府意見交換会
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/070809_jdf.html
  政府意見交換会のためにJDFが作成した意見書です。20項目に渡ります。
  関連情報:
  第2回意見交換会(主に内閣府関連項目)意見書
  (2008年2月4日意見書作成、2月14日意見交換会開催)
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/ri20080204.html
  こちらは、内閣府関連項目に絞った意見書で、8項目です。
(4月22日 新着)
潘事務総長、障害者権利条約発効を歓迎
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/un-news20080403.html
国連トップ、画期的な障害者権利条約の実現を歓迎
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/un-news20080404.html
【国際機関等による情報】
(4月8日 新着)
4月2日は「世界自閉症啓発デー」です(アスペ・エルデの会編)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/080402_WAAD_as-japan/index.html
  国連で4月2日を世界自閉症啓発デー(World Autism Awareness Day)とすると
  決議され、今年の4月2日は最初の「世界自閉症啓発デー」となりました。
  
  アスペ・エルデの会は、今年の4月2日は「世界自閉症啓発デー」のスタートを
  各方面に知らせ、2009年4月2日に理解促進のためのイベントを行う予定として、
  PR活動を行っています。
  記事は、アスペ・エルデの会のウェブサイトより転載したもので、
  声明文、辻井正次氏(中京大学現代社会学部教授)の自閉症についての文書、
  世界自閉症啓発デー発足についての国連事務総長のメッセージの翻訳と
  厚生労働大臣のメッセージで構成されています。
  アスペ・エルデの会事務局のブログでは、関連情報を収集し随時更新しています。
  http://blog.canpan.info/as-japan/
【刊行物:月刊ノーマライゼーション】
(4月9日 新着)
月刊ノーマライゼーション 2008年4月号 (通巻321号)目次
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n321/n321_index.html
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【3】セミナーのご案内
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●読みやすい(Easy-To-Read)図書とマルチメディアDAISY
趣旨:
スウェーデンの読みやすい図書基金の所長であり、1997年に
国際図書館連盟(IFLA)より出版された「読みやすい図書ガイドライン」の
執筆者であるブロール・トロンバッケ氏を招き、
「読みやすく、わかりやすい」図書の出版や情報の提供に関する
スウェーデンでの取り組みについて講演をしていただく。
その講演を受けて、(財)日本障害者リハビリテーション協会は、
マルチメディアDAISYによる読みやすい図書を推進する活動について報告を行う。
さらに、意見交換では、知的障害者やディスレクシアなど読み書き障害者を支援する
「読みやすい」図書の日本での普及について話し合う場を提供する。
日時:平成20年5月29日(木)18:00-20:30(受付17:30より)
主催:(財)日本障害者リハビリテーション協会 
参加費:無料
定員:先着100名(申込締め切り:5月21日(月)定員になり次第締切)
会場:日本財団ビル 大会議室 東京都港区赤坂1丁目2番2号
プログラム:
18:00 開会挨拶
片石修三  (財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 常務理事)
18:10-18:50 講演 「読みやすさ、わかりやすさに向けたスウェーデンの取り組み」
ブロール・トロンバッケ 読みやすい図書基金所長
18:50-19:10 報告「マルチメディアDAISYによる読みやすい図書の推進の活動」
(財)日本障害者リハビリテーション協会
休憩
19:25-20:25  質疑および意見交換
モデレータ:河村 宏  国立身体障害者リハビリテーションセンター特別研究員
20:30 閉会
申込先・問合せ:
日本障害者リハビリテーション協会 情報センター内
TEL:03-5273-0796 / FAX:03-5273-0615  /e-mail: dinf-j@dinf.ne.jp
URL: http://www.normanet.ne.jp/info/seminar080529.html
担当:有田・太田・野村
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【4】ウェブ担当者コラム
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●東俊裕監修,DPI日本会議編集『障害者の権利条約でこう変わる Q&A』
(解放出版社 2007年12月)
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7592-6118-9.html
この本は、障害者の権利条約の条文の内容を
Q&A形式で分かりやすく解説しているものです。
「条約ってなんですか?」にはじまり、
「障害者の権利条約はどのようにしてできたのですか?」まで
取り上げているのは以下の21項目です。
*カッコに関連する条文を入れて、整理してみました。
・条約とは
・「障害」の範囲(第1条 目的)
・差別(第2条 定義、第5条 平等及び被差別)
・合理的配慮(第2条 定義)
・手話は言語であるということの意味(第2条 定義)
・障害のある女性の権利(第6条 障害のある女性)
・バリアフリー施策(第9条 アクセシビリティ)
・情報バリアフリー施策
 (第9条 アクセシビリティ、
  第21条 表現及び意見の自由並びに情報へのアクセス)
・精神障害者にとってのこの条約の意味
 (第12条 法律の前における平等な承認、
  第15条 拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取り扱い
       若しくは刑罰からの自由、
  第17条 個人のインテグリティの保護、第25条 健康)
・逮捕された障害者の権利(第13条 司法へのアクセス)
・自立生活(19条 自立〔自律〕した生活及び地域社会へのインクルージョン)
・インクルーシブ教育(第24条 教育)
・教育はどう変わるか(第24条 教育)
・労働施策(第27条 労働及び雇用)
・職場における合理的配慮(第2条 定義、第27条 労働及び雇用)
・障害者の投票権(第29条 政治的及び公的活動への参加)
・国際協力(第32条 国際協力)
・条約の実施
 (第33条 国内的な実施及び監視〔モニタリンク〕、
  第34条 障害のある人の権利に関する委員会、
  第35条 締結国の報告、第36条 報告の検討、
  選定議定書)
・障害者差別禁止法の必要性、
・国連の障害者問題への取り組み
・障害者権利条約の成立過程
障害者の権利条約を批准して、国内で実施するには、
障害者差別禁止法の制定や多くの国内法の整備を要するという視点で、
条文を解説するだけではなく、各テーマでの日本の現状の問題点を明らかにしています。
今後各条文を背景に、日本の障害者を取り巻く環境をよりよくしていくためには
どうしたらいいのかを考える一助となります。
権利条約成立までの道のりを確認したり、
条文本文の訳と照らし合わせながらQ&Aを読むことができるようになっています。
分担執筆者が22人いることも特徴のひとつです。
ひとりの専門家がすべてを執筆したのではなく、
この条約成立のために特別委員会に参加したNGOのメンバーや
様々な障害の当事者が参加して書いています。
例として、情報バリアフリー施策の項目について触れると、
この項目については、視覚障害者、聴覚障害者、盲ろう者、知的障害者が
それぞれの立場で執筆しています。
情報バリアフリーひとつをとっても、立場によって異なるバリアが見えてきます。
知的障害者の立場からの「分かりやすい情報が必要です」には、
特に考えさせられました。
情報を発信する側は、「当事者から見て分かりやすい情報を
本当に発信しているのか」を考えなければならないですし、
その実現のためには、当事者の参加が必要です。
障害者の権利条約本文について考えても、
前文は国連の文章の特徴で読点でずっとつながっている作りになっていますし、
全体が50条に渡る条約文であるため、
頭から読んで理解しようとすると、難解な印象があります。
条約の精神の核のところをつかむには、まずは「子ども版障害者権利条約草案」
(2007年9月13日ユニセフ、玉村公二彦氏(奈良教育大学教授)仮訳)
http://www.unicef.org/Child_friendly_CRPD.pdf(原文)
http://mailsrv.nara-edu.ac.jp/~tamamura/kenri/kodomo.htm(訳文)
を読んでみるとよいでしょう。
「そういうことだったのか!」という納得感がありました。
5月3日にいよいよ障害者の権利条約が発行します。
各自が条約の内容を理解し、活用していくための情報が
これからさらに必要となってきます。
□□■ 編集後記………………………………
「子ども版障害者権利条約草案」では、
第10条の生命に対する権利は次のように書かれています。
 Article 10
  You have the right to life, it is your gift and 
  no one, by law, can take it from you.
 第10条
  君はいのちの権利をもっています。それは、君への贈り物であり、
  誰も君から取り上げることはできないものです。
心を揺さぶるものは、シンプルな表現の中にあるのかもしれません。
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
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